目次
変わったのはあなた!?相手の好きだったところが嫌いになる心理とABC理論
カップルが分かれる理由といえば、仕事、環境の変化、浮気など様々ですが
カップルが別れる時
- 相手が変わってしまった
- 昔ほど好きじゃなくなった
- あんな人だと思っていなかった
なども意外と多い理由だと思います。
もしかすると、これらの理由には
「相手の好きだった所が嫌いになってしまう心理」が関わっている可能性があります。
そうだとしたら、その別れはとてももったいない事かもしれません。
なぜなら「相手の好きだった所が嫌いになってしまう心理」は
誰を相手にしても起きるからです。
恋愛初期のラブラブモードを抜けて、冷静に相手と向き合えるようになり
相手の嫌なところ、駄目なところにも目が向けられるようになってからが
本当に相手を理解する、更に深い愛着を形成する段階のスタートです。
相手の好きだった所が嫌いになってしまう心理を理解して
その先の、もっと深い理解や、愛にみちたステージに進みましょう!
夫婦・カップルのためのアサーション
まずは良いところばかりを見てしまう
恋愛初期はお互いに
「相手に興味を持ってもらいたい」「魅力的な人物だと思われたい」気持ちが強まります。
それと同時に
- 相手の良い所を見ようという気持ち
- 悪いところさえ良いところと思おうとする見方
も強化される傾向があります。
前回の「仲良しカップルが別れるまでの心理!」でも解説しましたが
基本的にこの状態は半年〜1年半ほど長くても3年で終わり
冷静に相手を見ることの出来る時期がやってきます。
良いところ・悪いところはコインの裏表
パートナーのどこが好きですか?
と尋ねられた時、皆さんならなんと答えるでしょうか?
- 頼れる・リードしてくれる
- 自立している
- 可愛い
- 話を丁寧に聴いてくれる
- 優しい
- 細やか・気遣いができる
- 経済力があり・仕事ができる
- 論理的で合理的に物事を考えられる
- 喜怒哀楽をちゃんと表現してくれる
上記の条件を全て備えた人がパートナーなら
ずっと好きで居られると感じるかも知れません。
しかし「人間の良いところ・悪いところ」はコインの裏と表のように
2つの側面を持ってもいるのです。
どんな特徴も魅力に感じることもあれば、不満に変わってしまうこともあります。
- 頼れる・リードしてくれる➔強引で一方的、支配されている
- 自立している➔自己中心的で自己愛が強く見える
- 可愛い➔依存的で幼さを感じる
- 話を丁寧に聴いてくれる➔自分の意見を言わない
- 優しい➔優柔不断
- 細やか・気遣いができる➔神経質で小さな事にこだわりすぎ
- 経済力があり・仕事ができる➔仕事中心で二人の関係を大切にしない
- 論理的で合理的に物事を考えられる➔理屈っぽくて共感してくれない
- 喜怒哀楽をちゃんと表現してくれる➔感情的でヒステリック
中でも、好きだった所が嫌いになりやすい特徴が調べられています。
どんな特徴が嫌いになりやすいのか
ペンシルべニア大学のフェンリー教授が行ったインタビュー調査では
以下の特徴が「好きだった所を嫌いになる傾向が高い」と回答されたようです。
変わりやすい特徴
- 第3位:自分に自信があるところ➔人の話を聞かない・自己中17%
- 第2位:尽くしてくれるところ➔執着強め・嫉妬深い20%
- 第1位:面白いところ➔いつもふざけている23%
なぜこのような変化が起きてしまうのでしょうか?
フェンリー教授によると
- はじめは自分と違う新鮮な魅力に惹かれる
- 付き合いが長期化すると違いが気になり始める
- 衝突が増え、その理由を違いに求める
つまり、相手が変わってしまったのではなく
見る側の問題であることが多いようです。
千年の恋も冷める!パートナーにドン引きしてしまう心理「分裂」を動画で解説
好きだった人のことを一気に嫌いになってしまう人の心理「分裂」
を動画で解説しています!
相手が変わったんじゃなくて、見方が変わった
まず、相手の好きだった所が嫌いになってしまった時
私達が陥りがちな勘違いは「相手が変わってしまった!」と考えることです。
この考えが強まると
相手が変わったと思い込むと…
- 二人の関係の責任を全てパートナーに押し付けてしまう
- パートナーを尊重して違いを許容したり、受け入れようとしなくなる
- パートナーの言動を強制、変更、修正、コントロールしようとする
などが強まり関係が悪化していきます。
殆どの場合、変わったのはパートナーではなく、恋愛初期の何でもOkだった時期を終え
相手を一人の人物として客観視出来るようになった
自分自身であることがほとんどのようです。
5人に1人いると言われている「生まれつき特に敏感な人=HSP」
カップルの場合36%の確率でどちらかがHSPです。
自分、相手の敏感さの違いを理解するため、多くの人にとってカップル関係の必読本です!
ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛―
ものの見方・考え方が変わったことに気づこう!
自分が変わったから、相手が変わったように感じることを説明しているのが
アメリカの心理療法家アルバート・エリスの「ABC理論」です。
エリスのABC理論を簡単に説明すると
ABC理論
- A=きっかけとなる出来事(体験、状況、パートナーの言動など)
- B=ものの見方・考え方(経験・ホルモンバランス・環境の変化など)
- C=結果(感情、悩み、ストレス、パートナーに対する言動など)
人は「A=相手」のせいで「C=こんな気持ち」になったと考えてしまいがち(A➔C)ですが
本当はAに対して「B=自分の見方・考え方」が影響し
Cが生まれている(A➔B➔C)という考え方です。
ものの見方・考え方で受け取り方は変わる!
ABC理論を聴くと
「え?あたり前のことじゃない?」と感じる方もいらっしゃるかも知れません。
ですがいまいちピンとこない方のために例を出して説明しようと思います。
ABC理論を理解できる場面は世の中に溢れています。
例えば
「あなたのお母さんが作った肉じゃが=A」は
普通の人にとっては「C=ただの肉じゃが」です。
しかし、同じ「肉じゃが=A」であっても
あなたには「昔から食べているおふくろの味=B」があるために
「特別美味しく感じるおふくろの味の肉じゃが=C」になります。
あなたに「特別美味しい=C」を感じさせたのは「肉じゃが=A」ではなく
あなたの中にある「見方・考え方・経験=B」の影響なのです。
他にも
私が入社3年目で任された「仕事=A」が「とても辛い=C」と感じていたとします。
ですが、私も入社10年目には成長し
その仕事をとても簡単にこなせるようになったとします。
なので新人社員にその「仕事=A」を任せることにしました。
ですが、新人社員にその仕事は難し過ぎて上手くこなせなかったとします。
そんな時私が
と言ってしまうと新人社員の方は
と感じるでしょう。
「仕事=A」が実は簡単だった、簡単なものに変化したのではなく
「私の成長に伴う見方考え方=B」が変わったことで
「C=辛い」から➔「C=簡単」に「私の中で」変わったことを理解しなくてはいけません。
他にも寝不足でイライラしている人に八つ当たりされ、理不尽に感じるのも
「あなた=A」が悪いんじゃなくて、相手の「寝不足の状態=B」が
「いらいらする=C」を生み出しているからと感じるためではないでしょうか?
パートナーとの関係性には自分の変化・自己理解も必要
あなたが好きなことを嫌いな人が居るのも、嫌だと感じる行動を平気でする人がいるのも
変化や違いが有るのはほとんどBで
Aは良いものでも悪いものでもない場合がほとんどです。
カップルの向き合い方も同じで「相手の好きだった所が嫌いになった」と感じるなら
それは「あなたの見方考え方=B」が変化している可能性が高く
「相手=A」を変えようとすると上手く行かないことが多いです。
あなたが「相手=A」を変えようとする時、パートナーは
と感じるかも知れません。
相手の好きだった所が嫌いになってしまう心理を理解して
相手と自分の違いを許容したり
アサーションなどの「相手も自分も尊重したコミニケーション」を行てみましょう。
そのためにはパートナーを理解するだけでなく
自分自身の変化も理解するのがおすすめの方法です。
自己認識にはこの本一冊で十分⭕ これまで自己認識で一般的だった「自分を知ること」に加え
見落とされがちだった「人からどう見られているか」を知ることの大切さを鋭く指摘!
insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力
おすすめの書籍
相手の好きな所を嫌いになってきた時おすすめの本が
「相手は変えられない、ならば自分が変わればいい」です。
この本は、ブログで何度も取り上げているACT心理療法を
カップルの日常的なコミニケーションに役立てるための本です。
相手を変えようとせず、自分の行動にフォーカスする。
その時、変わろうとすることを妨げる思考をどう扱うのか
パートナーに取って自分はどのような存在でいたいのかを知る
パートナーとの喧嘩や向き合い方など沢山のヒントが書かれています。
また、無理に自分を変えるのではなく
「自分の持っている人生の価値を」ベースに行動を変えよう!
という提案なので受け入れやすい内容です。
初見よりACT心理療法の基本的な仕組みを理解していたほうが読みやすくなると思うので
是非このブログの「カテゴリー➔ACT」の記事を読んで頂いてから
この本を読まれるのがおすすめです。
自分の止めたい習慣も良いところの裏返し
最後に「良いところ・悪いところはコインの裏表」
というのは自分にも当てはまることも知っておきましょう。
ハーバード大学が「やめようと思っている習慣をどうしてやめられないのか」
について研究しています。
その結果、やめたい習慣が
本人自身が思っている自分の良いところの裏面であった時に
その習慣はやめにくいと報告しています。
つまり
- はっきりと意見を言う所が良いところ➔人に攻撃的になってしまうのが止めにくい
- 穏やかでゆとりのある所が良いところ➔待ち合わせの遅刻が減りにくい
- 細かな事に囚われない所が良いところ➔部屋の整理整頓が苦手
このように、止めたい習慣が
良いと思っている自分像の裏に当たる場合
私達はその習慣を止めるのが難しくなるそうです。
このような習慣をやめたい時は、自分のいい面と
それとは別の悪い面をしっかりと区別して考えてみましょう。
まとめ
パートナーの見え方が変わってきたら、自分の変化にも目を向けてみましょう!
そして自分の意見や気持ちを
アサーションなどのコミニケーションで伝えるようにするなど
新しい見え方をし始めたパートナーとも親密でいられる方法を実践してみるのがおすすめです。