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関係が泥沼化する5種類の向き合い方!カップルが陥る悪循環を解説
家庭療法ではカップルや夫婦、2人の関係をダンスのように捉える
「カップルダンス」という考え方があります。
ダンスは相手と一緒に、音楽(=状況や環境、状態)に合わせて踊るものですが
2人の踊りかた=向き合い方や関わり方が噛み合わないと
「頑張れば頑張るほどお互いがストレスを貯める悪循環」
に陥ってしまうこともあります。
2人の問題は
- 片方が悪い
- 相手が改善すれば解決する
のではなくお互いが影響しあっていることがほとんどなのです。
今回はカップルや夫婦が陥りやすい5種類の向き合い方をご紹介します。
夫婦・カップルのためのアサーション
衝突型
衝突型は二人の間に問題や葛藤が起きると
「お互いを正当化して相手を攻める」パターンです。
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表向きな表現は攻撃的な自己表現が行われます。
- 自分が正しく相手が間違っている
- 自分は変わる必要ない
- あなたのここが悪い、問題点だ、など
ですが、攻撃的な自己表現の裏には
心の内
- パートナーに認めてほしい
- 理解してほしい
- 共感してほしい
- 甘えたい
などのかなり強い欲求があり
それが満たされないと自己愛的に酷く傷つき、怒りを感じてしまうようです。
このようなカップルは
衝突型の悪循環
- 自分の考えや気持ちは感情的にぶつける
- 相手を傷つけていることに気づきにくい
- 相手の話をちゃんと聴けていない
- 話し合うといつも喧嘩になる
などの悪循環に陥りやすく、問題の解決ついて話し合うことが困難になります。
衝突型の悪循環に陥りやすいカップルは
衝突型のポイント
- 相手を自分とは違う独立した存在だと認められない
- 一緒であること、一体感を求めすぎている
- 二人の間では言いたいことは何でも言っていい
などの思い込みが強い可能性があります。
まず、相手の話を冷静にしっかりと聴き
攻撃的な自己表現ではなく第三の自己表現(アサーションなど)
を意識して行う必要があります。
声のトーンや大きさ、一方的に喋り続ける、威圧的な表情、仕草、身振りなど
言語じゃない部分が攻撃的になっていることも多いので注意しましょう。
5人に1人いると言われている「生まれつき特に敏感な人=HSP」
カップルの場合36%の確率でどちらかがHSPです。
自分、相手の敏感さの違いを理解するため、多くの人にとってカップル関係の必読本です!
ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛―
距離を取る型
距離を取る型は二人の相手に問題や葛藤が起きると
「お互いに自分の気持や考えを内にしまい距離を取ろうとする」パターンです。
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表向きな表現は非主張的な自己表現が行われ
仲良く振る舞っているように見えるか、冷戦状態になることが多いようです。
距離のとり方は心的なものも物理的なものもあり
距離を取ろうとする
- 会話が表面的になる
- 一緒にいる時間を減らす
- 離れて過ごす、など
などですが、心の中では
距離を取るタイプの胸の内
- 不満や怒り
- 相手にどう思われているか気にしすぎる
- 気持ちを伝えることで相手が傷つくことを恐れる
- 気持ちを伝えることで自分が傷つくことを恐れる
などの心理があるようです。
距離を取り合うカップルは一見、相手思いのように見えますが
距離を取り合うことで愛着が薄れ、二人で乗り越えるべき危機を先送りしてしまいます。
- 上手く行っているカップルには葛藤や問題がない
- 相手が傷つくかもしれないことを言うべきではない
などの思い込みが強い可能性があります。
相手も自分も尊重するコミニケーションを学んで実践してみるのがおすすめです。
追跡者・回避者型
追跡者・回避者型は二人の相手に問題や葛藤が起きると
「一方はパートナーに向かっていき、他方は逃げようとする」パターンです。
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攻撃的な自己表現と非主張的な自己表現が行われるケースが多いようです。
追跡者・回避者それぞれの特徴は
- 感情的になる
- パートナーを責める
- 意見に強く同意を求める
- 物理的に一緒にいたがる
- 心理的なサポートを求める
- 相手の感情に上手く対応できない
- 黙り込む
- 論理や理屈で自己防衛する
- 一人の時間と空間を確保する
- 距離を取ろうとする
追跡者・回避者の間では
「追えば追うほど逃げられる・逃げれば逃げるほど追われる」
という悪循環が起きやすいようです。
お互いに「相手の距離感に問題がある」と思っていることが多いようなので
ポイント!
- 追跡者は一度立ち止まること
- 回避者は少し向き合うこと
が大切なようです。
特にあなたが敏感な気質で、一人の時間や、落ち着いた空間を必要としているなら
自分の敏感さを素直にパートナーに話して見るのがおすすめです。
過剰機能・過小機能型
過剰機能・過小機能型は
「しっかり者と駄目なパートナー」の間で生まれる悪循環です。
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過剰機能・過小機能それぞれの特徴は
- 何らかの心身の問題を抱えている
- 社会的役割を十分果たせていない
- 二人の関係性の中で機能レベルが低い方
- 献身的
- 相手を支えている
- 二人の関係性の中で機能レベルが高い方
などの特徴があり
- 遊び人の夫と献身的な妻
- ヒモ男を養っているキャリアウーマン
などが典型的な例です。
この関係性でよく見られる悪循環は
- 過小機能の人がしっかりしない
- 過剰機能の人が頑張る
- 過小機能の人が頑張らなくて済む
- さらに過剰機能の人が頑張る
この①〜④を繰り返す悪循環です。
一見、過小機能の人に「依存的な立場・自立への恐れ」
などの問題があるように思われがちですが、それだけが問題ではありません。
実は過剰機能の人にも
- 過度に自律的になってしまう
- パートナーに適度に依存できない
- 自分に依存してくれるパートナーを必要としている
などの心理が影響している可能性が高いようです。
人に適度に依存できるかは幼少期の親との関わり合い方にも影響を受けいているそうです。
過小機能の人はより自律的になり機能レベルを上げることが必要ですが、それと同時に
過剰機能の人が一方的に支援する立場から降りて機能レベルが少し下がることも必要だそうです。
三角関係型
三角関係型は二人の間に問題や葛藤が起きると「第三者を巻き込む」パターンです。
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巻き込む第三者は様々で
第3者が巻き込まれる
- 子供を巻き込む
- 趣味や仕事に没頭する
- 両親を巻き込む
- 浮気相手を作る
などがあります。
子供を巻き込む
一般的に夫よりも妻のほうが子供と過ごす時間が長く
妻が子供を巻き込んでしまうケースが増えてしまうようです。
- 子供にパートナーの不満や愚痴を相談する
- 教育や習い事に過剰にエネルギーを注ぎパートナーと疎遠になる
など、母親が子供を巻き込んだでしまった場合
母と子がより親密になり父と子が疎遠になる問題だけでなく
子供が心的に傷つき、思春期や成人を迎えてから不登校や様々な心的問題が起きることもあります。
両親を巻き込む
また、絶対に味方になってくれる両親を巻き込んだ場合
親からのアドバイスに注意!
- はやく別れたほうが良い
- 実家に帰っておいで
- あんな人やめておきなさい
- それは相手が悪いよ
など中立ではないアドバイスを受ける傾向がとても多いようです。
そのためパートナーが悪者となってしまい
カップルとして乗り越えるべき危機とありのままに向き合えなくなったり
より複雑化してしまうこともあるようです。
趣味や仕事・新たな関係を巻き込む
また、夫が趣味や仕事に没頭することで、妻が夫の趣味や仕事を嫌悪するパターン。
浮気や不倫など三角関係型は様々な形で現れることがあります。
カップルが二人の問題や葛藤から目を背けずに
二人の関係の中で解決する方法やコミニケーションを学ぶことが必要です。
まとめ
今回は悪循環に陥ってしまう関係性5種類をご紹介しました。
カップルに決まった型が1つあるわけではなく
- 攻撃型の喧嘩が続いた後に
- 片方が浮気して三角型にかわり
- それが発覚して追跡者・回避型になる
など変化する場合も多いです。
その変化に応じて適切なコミニケーションや向き合い方を意識することで悪循環から抜け出し
危機を乗り越え親密度を増す機会に変えることもできます。
今日のまとめ
- ぶつかり合うタイプ
- 距離を取り合うタイプ
- 追う方と追われる方タイプ
- 出来る方とできない方タイプ
- 第三者を巻き込むタイプ
- その時時に必要な対応を意識することが大切