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刺激を求める人=HSSについて!HSP(敏感さん)の中にも刺激を求めている人がいる!?
情報の中には
「HSP=敏感さんと、非HSPがいる」とされているものがあります。
ですが、この説明は厳密には正しくありません。
世の中は「敏感な気質を持つHSP」と「非HSP」の2タイプだけではないのです。
なんと「HSS=刺激を求めている人」も存在している事が分かっています。
今回は「HSS=刺激を求めている人」について解説しようと思います。
敏感すぎる私の活かし方 高感度から才能を引き出す発想術 (フェニックスシリーズ)
HSSってどんな人?HSSの特徴
「HSS=刺激・変化を求める気質の人」研究の第一人者はマービン・ズッカーマンです。
ズッカーマンは刺激探求を行う人々のことを
「人一倍刺激を探求する人たち
=HSS:High(高い)Sensation(感覚を)Seekers(捜索する人たち)」
と呼びました。
HSSの人は以下のような特徴を持っている傾向が有るようです。
- 変化・新しい経験を求める
- 新しく、複雑で強い刺激を求める
- 身体・社会・法的・経済的リスクを選択する傾向がある
- 飽きやすい・退屈しやすい
5人に1人いると言われている「生まれつき特に敏感な人=HSP」
カップルの場合36%の確率でどちらかがHSPです。
自分、相手の敏感さの違いを理解するため、多くの人にとってカップル関係の必読本です!
HSSは遺伝的要因!セルフチェックでの判断は意外と難しい
遺伝子研究から、HSSの気質は遺伝的に決まることが分かっています。
HSSの赤ちゃんは生まれて数日で、遺伝子による身体的な違いを表し、活発に動き回ります。
ですが自分がHSSであるか確かめる手軽で精度の高い方法は意外とないのではないかと思います。
HSSか確かめるセルフチェックテストも開発されてはいますが
前回の記事でも解説したように、セルフチェックの精度は常に完璧ではありません。
という親の教育方針や
社会からの「理想の男性象」の求めに応えようとしている人も多くいます。
セルフチェックテストでは社会や、教育などの影響の要因を完全に取り除くのは難しいです。
また「刺激」には「中毒性」があります。
自分が生まれつき「刺激を探求する気質」なのかそれとも
刺激に対して「中毒・依存」などの状態に有るだけなのかを区別するのも難しいと考えられます。
もっと! : 愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学
HSP/HSSの違いと脳の2つのシステム
HSP/HSSと脳の関連は未だ明確な事は分かっていません。
ですが、現代では2つの独立したシステムが影響しているのではないかと推察されています。
HSPは現状確認システム
敏感さの度合いを決める脳のシステムは
=現状確認システム(Pause-Check System)とだと考えられています。
HSPは現状確認システムが強く、時間をかけ深く処理を行います。
- 現状の把握
- 過去の体験との類似性の確認
- 状況を細かく認識
現状確認システムに関わる主な神経伝達物質はセロトニンです。
HSSは行動活性システム
それに対し、HSS気質と関わりの深い脳のシステムは
=行動活性システム(Behavioral Activation System)とだと考えられています。
人は行動活性システムが働くことで
- 好奇心や探求・探索したい気持ちが湧く
- 満たされると興奮する
とされています。
行動活性システムに関わる主な神経伝達物質はドーパミンです。
行動活性システムの動きが活発であればHSSだと考えられています。
また、リスクを選ぶことについては研究者の間でも意見が分かれているようす。
ズッカーマンはリスクを選ぶこととHSSを関連付けていますが
アーロンはリスクを選ぶことは=HSPで無いこと
=現状確認システムが低いことと関連があると考えているようです。
2つのシステムは独立している!
ここで注目したいのは
現状確認システムと行動活性システムは完全に独立していて
関わるホルモンも違うという点です。
つまり、敏感であるHSPと、刺激を求めるHSS
この2つの気質は完全に独立した別のものだということです。
なので
- 片方だけ高い
- 両方高い
- 両方低い
というパターンが現れます。
HSPでありHSS!?敏感さの気質は4パターンに分類できる
2つのシステムが独立し、それぞれに「高いor低い」が有るということは
「HSP」か「HSP」か「どちらでもないか」が独立しているということです。
つまり、敏感さの気質は以下の4タイプに分類されるということになります
①HSP/非HSP
=一般的なHSPのイメージ。
思慮深く、穏やかな生活に幸せを感じる傾向があり刺激・衝動・リスクは好まない傾向がある。
②非HSP/HSS
=好奇心・情熱・衝動性が高く、リスクをいとわず飽きやすい。
細かい変化には気づかなかったり関心がない傾向がある。
③非HSP/非HSS
=シンプルに自然体に生活していることが多い。
好奇心が低く、あまり深くも考えない。
④HSP/HSS
=洞察力や思慮深さと衝動性を併せ持っていて多才なことが多い。
しかし、刺激に圧倒されやすく、なおかつ飽きやすいので刺激の最適範囲がかなり狭い。
新しいことは求めているが、強い刺激やリスクは好まず葛藤に苛まれることも多い。
まとめ
今回はHSS=刺激を探求する人の解説と
敏感さの気質をもとに人は4タイプに分類できる!ことを解説しました。
ズッカーマンの調査によると
HSSの恋愛関係は「強い責任感に欠け、お気軽で快楽的で、移り気な傾向にある」とも報告されています。
ですが同時にズッカーマンはHSSでありながらきちんと結婚している人達がいることも発見して驚いているようです。
アーロンはきちんと結婚生活を送っているHSSは実はHSP/HSSの人達なのではないかと考えているようです。
このような気質によるタイプ分けと、恋愛関係の傾向が見つかるということは
これまで調査されてきた
「結婚で幸福度は上がるのか?」
「浮気をする男性の特徴は?」
などの研究にも
- 気質によるタイプの違い
- 気質によるカップルの組み合わせ
などの要因も加味した場合、結果が変わってくることも考えられます。
4タイプそれぞれに環境を生き抜くメリットと注意点があり
進化の過程で多様性が残されてきたというのはとても興味深いです!