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下半身のトレーニングで人生変わる!血流と美容、老後の質にまで影響
老後それなりに生活するためには2000万円必要なんてニュースも話題になりましたが、老後に必要なのはお金だけではありません。
特に日本人の老後に必要なものの一つ、それは下半身の筋力です。
老後に関わらず下半身の筋力が有るか無いかで人生の質が大きく左右されます。
下半身の筋力を鍛えることのメリットと、鍛えないことで起こる将来的な問題について解説します。
健康寿命が短い日本人
日本は世界でもトップクラスの長寿国です。
平均寿命は
- 男性≒80歳
- 女性≒87〜86歳
ですが、この平均寿命から厚生労働省が発表している
健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)を引くとどうなるでしょう。

平均寿命ー健康寿命≒介護期間
- 男性80-71≒9年
- 女性87-74≒13年
この「介護期間」はアメリカ、イギリス、ドイツなどの欧米諸国が軒並み6、7年であるのに対し、なんと日本の場合は約10年前後にも及びます。
日本は自分ひとりの力で自由に生きられない期間が他国に比べ長いのです。

老後、最も怖いのは動けなくなることではないでしょうか。
- トイレや移動に人の手を借りなくてはいけない
- 寝たきりで天井を見つめているだけの人生
- 自尊心の低下、未来への希望を失う
- 介護費が増え、労働できないことで金銭的負担が増す
事故や病気ではなく、単に運動不足、筋力不足でこのような状況になってしまっては悔みきれません。
足がダメになると人生の質が低下する。
下半身の筋力は長い人生の質を左右する重要な要素なのです。
寝たきりまでの流れ/筋トレと骨粗しょう症
寝たきりになるきっかけとして最も多いのは脳梗塞・脳出血などの脳血管障害ですが、その次に多いのがなんと骨折なんです。
高齢者の筋肉は1週間の寝たきりで20%、5週間で96%も落ちてしまうため、骨折の療養を機に自力で歩けなくなるケースが多いのです。

女性の骨密度低下の始まりは、なんと28歳から、年々1%ずつ減少し65歳ごろに大体30%低下してしまいます。
アメリカでは転んで腰の骨を折る大怪我で病院に運び込まれる方が年間180万人いらっしゃるそうで、骨折から1年以内の死亡率はなんと20%にもなるそうです。
下半身の筋力トレーニングは足腰の太い骨に刺激を与え骨を丈夫にする役割もあります。
骨そしょう症対策にはカルシウムではなく、マグネシウムやビタミンD、ビタミンKなどの摂取をお勧めします。
老化で起きる大きな変化「血流」
老化が起きると、白髪やシワが増えたり、耳が遠くなったり、頭の回転が落ちてきたりと様々な症状が現れます。
その中でも特徴的で下半身の筋トレで改善や予防をしやすいのが血流です。
歳をとっても血流がちゃんとしていれば肉体的には若いとも言えます。
血流の悪化
心臓を出た血液は、約1分で全身を巡ってまた心臓へと戻ってきます。
この流れのことを「血流」と言います。
- 水分を保つ
- 酸素や酵素を届ける
- 老廃物を回収する
- 免疫細胞を運ぶ
- 体温を維持する
血流がいい人は身体中の細胞に酸素や栄養が行き渡り、不要なものが排出され、細胞はスムーズに生まれ変わります。
血流は美容や美肌にも大切な要素です。

しかし、様々な要因で血流が悪化してしまいます。
- 運動不足
- ホルモンの乱れ
- タバコやアルコール
- 暴飲暴食
その中でも特に問題なのは加齢に伴う毛細血管数の減少です。
毛細血管が血流の鍵
毛細血管は細く小さな末端の血管で、小さいながらとても重要な役割を担っています。
なんと毛細血管は全身の血管の99%を占めていて、肌を下から支えたり、酸素や栄養素を細胞や太い血管に供給したりしています。

体が健康な状態で有るためには毛細血管の血流が良いことが不可欠なのです。
2008年にベルギーのリエージュ大学病院が行った研究では、60歳以上の人の毛細血管の数は、20代の人に比べて40%も減少していることが明らかになりました。

老化と毛細血管の減少、血流の悪化は密接に関係しています。
血流が悪くなり、全身の細胞に栄養などが届けられなくなると肝臓や肺など臓器のエネルギーも不足し機能低下や病気を招くようになります。
運動や筋トレは心肺機能を向上させたり、血液量が増えたり、血流改善には欠かせない要素なのです。
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人間の血液はほとんど下半身に有る
例えば、犬が4本足で立っているとします。
その時、犬の血液は70%が心臓より高い位置にあります。
しかし人間は立っている時、心臓より低い位置に70%の血液があるのです。

ですので、ずっと寝転んでいたり、運動せずに座割りっぱなし血流にとって良くありません。
動かなければ良い血流は生まれないのです。
そこで足を使った運動をすると、下半身にある血液が心臓に運ばれ身体中を循環します。
この時、高い心臓へ血液を送り込むのに必要なのが筋肉の収縮なのです。

小中学校の朝礼などで、目眩がしたり、失神してしまう人がいます。
彼らが倒れるのは、思春期で急速に身長が伸び心臓の位置が高くなったにも関わらず、筋肉の発達が伴わず、心臓が血液を排出する量が不足し低血圧状態になるのも一つの要因です。
下半身のトレーニングが健康や美容に役立つのは効率よく筋肉を使い、血流を生み出し、身体中の細胞が健康に保たれるからでもあります。
体力は知らないうちに衰える
運動生理学では「体力=持久力+筋力」と定義しています。
体力をつけるために筋力トレーニングをせず、ランニングだけするのが効率的ではないのはこのためです。

そんな体力の衰えを目の当たりにするのが、小学校の運動会の種目で親御さんのリレーがあったら必ず目にするあの光景です。
そう、それはお父さんがこける場面です。
お父さん達は颯爽と走っていた頃のイメージで走り出しますが、足の筋力が衰え始めていて、足が上がらなかったり、思うように動かすことができずに転びます。

小学校のお父さん達は30〜40代の方も多いですが気付かないうちに衰え=筋力の低下が始まっているのです。
体の中でも、モモの前側についている特に太い筋肉(大腿四頭筋)の老化は特に深刻で、20代をピークに70歳までに約60〜70%が失われます。

若いからまだ大丈夫だと思っている方も次のような傾向が出始めたら黄色信号です。
- 歩くのが億劫(めんどくさい)になった
- 小さな段差につまずく
- 歩くのが遅くなった
- 歩幅が狭くなった
- 家にいる時は横たわっていることが多い
「能勢博」信州大学医学部特任教授は著書の中で「体力の低下と、年間医療費には強い相関関係が有る」としています。
知らないうちに起こる体力、筋力の低下が日常的な健康に影響しているのです。

下半身の筋力が低下する→歩く機会が減る→筋力が低下する
歳を取るにつれこの悪循環が強まって行きます。
下半身のガッツリしたトレーニングまではする気が起きないという人もウォーキングなどから初めてみましょう。
まとめ
下半身の筋力が老後の質を左右するのは言うまでもありませんが、老後のことなんてまだ考えていなという人達にも下半身トレーニングは多くのメリットがあります。
下半身の筋肉量は美容だけではなく認知機能(頭の良さ)などとも関連があるという研究も多いです。
是非下半身を鍛えて人生の質を向上させましょう。
まとめ
- 日本人は人生で健康でない期間が他国より長い
- 歳と共に衰える血流は若さの元
- 血流改善には筋力が必要
- 体力は知らないうちに衰えていく