前回の記事で睡眠の質をあげ、高い抗酸化作用でアンチエイジングにも役立つメラトニンサプリを紹介しました。
元々メラトニンは体内で生成されるホルモンです。
しかし、メラトニンが分泌される条件は「夜になる」「暗くなる」だけではありません。
体の深部温度とも関連していますし、体内時計が「夜になった」と認識しなくてはいけないのです。
今回は自前のメラトニン分泌を上げる睡眠方をご紹介。
皆さんもこの方法で質の良い睡眠を手に入れてください。
目次
体内時計を整えてメラトニンを分泌する睡眠方!サーカディアンリズムを整えよう!
メラトニンは「吸血鬼ホルモン」とか「暗黒のホルモン」と呼ばれています。
少し怖いイメージですが理由は夜になると分泌されるからです。
ですがメラトニンは夜になれば誰でもドバドバ分泌される訳ではありません。
例えば時差ぼけの人は夜になろうがあたりが真っ暗になろうがメラトニンは分泌されず、眠りのスタートラインに立つこができません。
メラトニンを分泌する睡眠方で大切なのは体内時計を調整しメラトニンが分泌するタイミングを整えることです。
私達の体内時計は24時間ではない
植物やラット、人間も体内時計を持っています。
その体内時計は光に関係なく「概ね、大体一日のリズム」を作り出しています。
私達は時間の分からない、光の届かない真っ暗な部屋の中で数日過ごしても、概ね一日のリズムを崩さず眠くなったり、目が覚めたりする事ができるのです。
その体内時計が作り出す「内発的なリズム」のことを「サーカディアンリズム=概日リズム(circadian rhythm)」と言います。
サーカディアンリズムは24時間ぴったりではなく、マウスだと23.7時間、人間はおおよそ24.2時間だと分かっています。
つまり、人間の体内時計が作るサーカディアンリズムは概ね24時間ですが、調整をしないと毎日15分、一ヶ月で7.5時間もずれてしまうのです。
体内時計を調整するもの
一ヶ月で7.5時間ずれるはずの私達の体内時計が正確に動いてくれるのは、あるものがズレを調整してくれているからです。
そのあるものとは「光=主に太陽光」です、中でも朝日が重要です!
体の臓器や筋肉も体内時計を持っている事が分かっていますが、その中でも中心的機能を任されているのは脳の真ん中にある視交叉上核(しこうさじょうかく)という部位です。
「視交叉(しこうさ)」は眼球から伸びている視神経が交叉する場所、つまり目からの情報がダイレクトに伝わるところです。
視交叉上核は太陽光を感知し、皆さんの体内時計を調整する働き意外にも、体温のコントロールや睡眠と覚醒をコントロールしたりするなど様々な役割を担っています。
視交叉上核は昼間の光を感知しなくなり夜の到来を知ると、松果(しょうか)線という部位にかけていたブレーキを緩めます。
すると松果体(しょうかたい)はメラトニンを分泌し始めるのです。
朝日を浴びて一日のリズムを整える
視交叉上核は体内時計がまだ夜だと思っている明け方、徐々に明るくなる光を感知し、その後朝日を浴びる事でサーカディアンリズムを整えます。*
この朝日を逃してしまうとその後いくら光を浴びてもなかなか体内時計は動いてくれません。*
近畿大学 時間生物学専門の 重吉 康史先生の公演*
*https://www.med.kindai.ac.jp/anato2/koukai.pdf
朝日を浴びると視交叉上核が体内時計を調整し、正しい体温と覚醒をコントロールしてくれます。
そして正しいサーカディアンリズムが生まれると自然と日没後からはメラトニンが増えてきて就寝時には必要な量分泌されるのです。
逆にブルーライトのような強い光はメラトニンの分泌を弱めてしますので、寝る前などにスマホをいじったり強い光を浴びることは避けましょう。
ブルーライト 体内時計への脅威 (集英社新書)
朝日を浴びる目覚めにお勧めのアイテム
ここで一つ困る事があります。
夜は真っ暗にした方が良いですが、朝は徐々に明るくなり、朝日を浴びれる環境が良い。
この2つは同時に達成できるのでしょうか?
部屋を明るくするには1級の遮光カーテンを使うが理想ですが、そうすると朝日を浴びる事ができません。
そんな悩みを解決する商品をご紹介します。
このSwitchBot はカーテンレールに設置するだけで、スマホで設定した時間に自動でカーテンをオープンしてくれる商品です。
こちらは光の目覚ましです。
暗い部屋でも徐々に明るくなり太陽光に近い光を出して目覚めさせてくれます。
このような商品を活用して、夜の光を浴びてメラトニン分泌が阻害されるのを防ぎ、朝は徐々に明るくなる光でサーカデジアンリズムを調整することで自前のメラトニン分泌が促されます。
思春期の夜更かしは普通のこと
人間の体内時計はおおよそ24.2時間だとお伝えしましたが、体内時計のスケジュールは年齢によって変化します。
小さな子供は大人よりも体内時計が早くスケジューリングされているため、早く眠たくなります。
9歳ぐらいの子供ならば夜の21時には、大人の23時位眠たくなって、朝は大人より早起きをします。
ですから大人のリズムに合わせ、夜遅くまで子供を連れ回しては子供の体内時計を狂わせて、睡眠の質を下げ、脳の機能や発達、メンタルに影響を及ぼす結果になりかねません。
また、16歳ぐらいになると逆にスケジュールは一気に進みます。
16歳ぐらいの子供に夜の10時に寝ろと言うのは大人が夜の7時〜8時に寝ることと同じです。
また16歳ぐらいの子供に7時に起きなさいと言うのは、大人が朝4時〜5時に起きるのと同じです。
未だ睡眠についての認識が浅い社会や学校は、子供の夜更かしと朝寝坊は本人が怠けているからだと思いがちですが、体内時計の仕組みから言うと当然のことなのです。
子供達の体内時計のスケジュールも歳とともに一般的なスケジュールに巻き戻っていくので心配いりません。
このスケジュールの変化は文化や地域に関係なく全ての思春期の子供に共通している生物学的なことです。
まとめ
今回はメラトニン分泌に関わる体内時計の調整の仕方を説明しました。
メラトニンは自分で作り出せるホルモンなので、分泌する時間をしっかり調整し、光を的確に浴びたり弱めたりする事で自然に分泌されます。
体内時計を正しく調整することは睡眠だけでなく一日の覚醒にもとても良い影響があるので皆さんも意識してみてはいかがでしょう。
まとめ
- 徐々に明るくなるような朝日を浴びる
- 視交叉上核の体内時計を調整する
- 体温や覚醒を管理する
- 夜は極力明かりを弱くし寝る際は真っ暗しにて寝る
コメントを残す