目次
すぐにできる!反芻思考6つの撃退方法〜メンタルを悪化させるネガティブな繰り返し思考の改善方法を解説〜
反芻思考(はんすうしこう)とは過去の失敗や、将来の不安
自分の言動などを繰り返し頭の中で考えてしまう状態のことです。
反芻思考が特にネガティブであった際
メンタルへの悪影響が大きく、アルツハイマーやうつ病の原因になると言われています。
そんな反芻思考には対応策があるので
繰り返しの思考に取り憑かれてしまった時は是非実践してみてください。
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この記事の内容以外にも「反芻思考対策」に使える最新テクニックが
多数紹介されている超々おすすめ本↓
反芻思の止め方
今回紹介するテクニックは、過去の記事でも紹介したものもいくつか含まれています。
すぐにできるものから、時間をかけて対策するものまで、自分にあったものを見つけてみましょう。
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反芻思考対策①自分に対してストップと叫ぶ
この反芻思考対策はすぐにできる、一番時間のかからない対策法です。
反芻思考が起きていることに気がついたら、自分自身に対して「ストップ」と言いましょう。
できれば、大きめの声がおすすめです。
とても簡単ですが自分に声を掛けるセルフトークのテクニックは
認知行動療法ではよく出てくるテクニックです。
これで全ての反芻思考が、魔法のように停止するわけではありませんが
応急処置的に使える場面もあります。
ムダに悩まない理想の自分になれる 超客観力
反芻思考対策②運動する
ただでさえ反芻思考で疲れている頭を使って
繰り返す思考をコントロールするのはとても難しいことです。
なので頭を使って反芻思考を止めようとするより、行動するほうが効果的なことが多いです。
人間は、頭でストレスフルなことや、嫌だったことを反芻するだけで
「副腎(ふくじん)」と言われるストレスホルモンと関わりの深い器官が刺激され
体内でストレスホルモンが分泌されることが分かっています。
その副腎に
「体のバランスを取るのに使う脳のエリア」が影響を与えていることが分かっています。
なのでバランスを取るのに必要な筋肉を鍛えたり
バランス感覚が必要な運動をすることでストレスに強いメンタルが養われるようです。
バランスが必要な運動
- ヨガ
- ダンス
- バランスボール
- クライミングなど
運動中は意識も体に集中するので
余計なことを思い出さず気分をリフレッシュするのに特におすすめです。
反芻思考だけでなく、ストレス、疲労感
気分の沈み込みなどの様々な問題が運動でよくなることはとても多いようです。
上記以外でも構わないので運動してみましょう。
脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方
反芻思考対策③筆記開示=エクスプレッシッブライティング
こちらも行動することで反芻思考を止める方法です。
脱フュージョンの記事で詳しいやり方をご紹介しましたが
自分の体験、感情や、思考をありのままに紙に書き出す
=エクスプレッシブライティングが対策になります。
エクスプレッシブライティングのポイント&メリットを動画で解説!
エクスプレッシブライティングのポイントは
- 頭の中に浮かぶもの全てを書き出す
- 文章の体裁や、文字の綺麗さ、誤字脱字を気にしない
- 感情はなるべく詳しく、細かく書く
- 仕事終わりや寝る前にするのがお勧め
上達すれば自分の 反芻思考が頭の中から外に移動したかのような感覚が生まれます。
毎日行って構いませんが
効果を感じられなくてもまずは4日間、1日8分から初めてみましょう。
1日8分〜20分のエクスプレッシブライティングを行うことでストレス対策にもなり
さらに脳の短期記憶(ワーキングメモリー)が向上します。
超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド
反芻思考対策④自分の失敗を周囲はそれほど気にしていない事を思い出す
人間には厳格性バイアス=他者は自分を厳しい目で見ているという思い込みがあります。
少し難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが
周囲はあなたの失敗をそれほど気にしていない場合が多いです。
過去にワイドショーで繰り返し取り上げられたような人でも
気づけばテレビに復活していたりするものです。
自意識で行うのが難しい時は「360度評価」というテクニックも試してみましょう。
360度評価とは、周りにいるあらゆる人に自分を評価してもらう方法です。
など、聞いてみる事で一人でグルグル考えていた思考に客観性が増します。
この時、自分を肯定してくれる意見のみを集め自尊心を高めるのが目的ではありません。
相手が話してくれたいい面も悪い面も客観的に受け取り
それを基に行動を起こすことで反芻思考は弱まります。
反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
反芻思考対策⑤whatの質問
ハーバード大学のダニエル・ウェグナー博士が提唱する
「思考は考えないようにすればするほど、逆に考えてしまう現象(白熊のリバウンド効果)」
という考えがあります。
なので反芻思考を辞めようとするより、考え方を変える方法も効果的です。
そこで「セルフコンパッションから行動へつなげる際のポイント」でも詳しく紹介した
「なぜ?」で考えてしまう思考を「なに?どのように?」
に変更するwhatの質問をご紹介します。
「なぜ?」で考えてしまうと思考の方法が多すぎ、ネガティブになりがち
解決策や行動に結びつかない状態に陥りやすいです。
そこで反芻思考に「なぜ?どのように?」の質問で答えるように心がけてみましょう。
例「ミスをした時の反芻思考が止まらない」
「異性に振られ、なぜ自分はモテなのか思い悩む」
具体的な解決策が分かったら行動に移してみましょう。
考えている時間より、解決や改善に向けて行動しているときのほうが
反芻思考のストレスは少ないはずです。
SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える (単行本)
反芻思考を考えるポイント
ネガティブな考えや自己批判が起きた時「その原因について深く考えなくてはいけない」
という上位の認知が生まれ、それが反芻思考を強めます。
思考が上位の認知に補強され
ネガティブや自己批判を繰り返し考え続けることでメンタルが悪化し脳に負担がかかります。
ネガティブ思考自体は心理学でそれほど悪いものとされていません。
ただ「深く考える、原因を突き止めたい」
と思わせる上位の認知で反芻思考にならないように
ネガティブや自己批判への対応を変えましょう。
そこで、先ほどの「whatの質問」にプラスして、反芻思考に対し次のことも考えてみましょう。
- パフォーマンス向上より、普段の行動から何が学べるか
- 自分のどんな資質が向上するか
- 反芻思考内容にエビデンスはあるか、客観的証拠はあるか
例:「なぜみんなの前でスピーチしなくちゃいけないんだと思い悩む」
「スピーチの内容を深く理解できていない事が不安、改めて理解を深めるチャンス」
「今までにあまりしてこなかった経験、自分の弱点を知り改善する機会」
「この不安は失敗を予言しているものなのか?その根拠はなんだ?」
ネガティブな感情が成功を呼ぶ
反芻思考対策⑥後回しにする
先ほども、反芻思考は辞めようとすると、より強くなってしまう危険性を説明しましたが
反芻思考を、止める、考え方を変える、その次は後回しにする方法をご紹介します。
反芻思考が湧いてきたら「20時にこの問題について考える時間を取ろう」のように
後回しにしてその場を凌ぐ方法です。
少し頼りないような感じもしますが
この方法はペン州立大学の研究チームが、全体的なネガティブ思考の減少と
日中のクリアな思考を保つ効果を確認しています。
反芻思考を後回しにする際は、以下の二つのことを行うとより効果的です。
- 今もっとも反芻しがちな思考について考え、的を絞る(人間関係、過去の失態、恋愛など)
- その思考を「考える時間帯」と「具体的な悩み方」を簡単に紙に書き出しておく
例:「上司に対するイライラを20時から、筆記開示を使って向き合う」
「お金についての悩みを、22時から自室でアロマを焚きながら、whatの質問で自問する」
「仕事中のミスを、帰り道、緑の多い公園を散歩しながら、友人に電話をかけ360度評価を行う」
反芻思考に有効な過去に紹介したテクニック
反芻思考は脳への負荷が大きすぎ、メンタルを悪化させてしまいます。
なので、長時間、同時に2つのことを考える状況は極力避けるべきです。
そこで使えるのが、自分の集中を切り替え
一つのことに意識を向けるマインドフルネスを鍛えることです。
さらに、感情にとらわれて一体化してしまった時は脱フュージョン
反芻思考に居場所を作って受け入れるアクセプタンスなども試してみましょう。
もう一つは体内の炎症を抑えることです。
反芻思考がうつ病の原因といわれますが
逆に体の炎症が抑えられると反芻思考が減ったとする報告もあるようです。
そこで大切なのは運動/食事/睡眠です。
反芻思考や体内の炎症には食事以外でも
腸内菌を意識したプロバイオティクスのサプリが有効である報告が多いです。
また自然と触れ合うことも体内の炎症レベルを下げてくれます。
まとめ
反芻思考は辞めようとするほど強まってしまいます。
ですので今回ご紹介した
今回ご紹介した方法
- いったん止める
- 運動・行動する
- 考え方を変える
- 頭のそとに書き出す
- 後回しにする
- アクセプタンスする
- 体内の炎症を和らげる
どれでも好きな方法を試してみてください。
今回のテクニックの中で一つでもできそうなものがあれば実践してみましょう!
そして疲れが溜まり、空腹で、寒差を感じる環境で
グアムのバカンスが想像できないように
思考は環境や身体の状態に大きく影響されます。
ですので、ネガティブな反芻思考対策では
生活環境を整える重要性を忘れないようにしましょう。
- 反芻思考はうつ病やアルツハイマーと関わりが深い
- いったん止める、運動、書き出す、考え方を変える、後回しにするなど
- 体内の炎症を抑えるには過去の紹介したテクニックも有効