新年に目標を決めたり、仕事でノルマを設定したり
金額を決めて貯金したり、日常の中でゴールを設定する場面はとても多いと思います。
しかし、ただゴールを設定するのではなく
その設定の仕方が重要だという事が最近の研究で明らかになってきました。
皆さんも、ざっくり漠然としたゴール設定から
達成度が上がる正しいゴール設定に切り替えましょう。
目次
科学が認めた正しいゴール設定の決定版!MACの原則
本屋さんやAmazonで「目標達成」や「計画」「ゴール設定」に関わる本を探してみると
数えきれないほどの書物がヒットします。
それぞれに言い分や理論があり、心理学的には〜とか私はこれで成功した!とか
脳科学的には〜とか、一体どれを信じて実行すれば良いのでしょう?
そんな私達の疑問に答えてくれる研究があります。
オランダのアイントホーフェン工科大学(Technische Universiteit Eindhoven)通称TU/eは
今までに研究されたゴール設定や計画に関わる質の高い論文を38件集めて結果を統合し
さらに分析(メタ分析)を行いました。
分析の結果、TU/eの研究チームは最も効果的なゴール設定を「MACの原則」として報告しています。
先ほどの本屋の例で言うと、沢山あるゴール設定の本の中から
質の高い本を選抜して、内容を分析し、一つの原則にまとめてくれたようなもの。
「MACの原則」は科学的な裏付けが凄くしっかりされていると言えるのです。
MACの原則3つのポイント
科学的なゴール設定方法「MACの原則」は3つのポイントから構成されています。
この3つの視点をこれからしようとしているゴール設定、既に立てた目標に当てはめてみましょう。
それでは一つ一つ説明していきます。
Mメジャラブル=予測可能性「目標が数字として測定可能な事」
まずは目標を数値化しましょう。
貯金しよう❌→100万円貯金しよう⭕️
恋人を作ろう❌→○月○日までに恋人を作ろう⭕️
本を読もう❌→月に4冊読もう⭕️
マラソンをしよう❌→フルマラソンを4時間完走⭕️
このMメジャラブル=予測可能性はあくまで「予測」ですので
不可能なハイゴールを設定するより現実的に考えられる目標を数値化するのがおすすめです。
また、ダイエットの目標を数値化する時は
「体重」「体脂肪率」「ウエストのサイズ」など数値化できる項目が複数あります。
この場合は、目標項目を複数個書いておいてこの後解説する
アクショナブルやコンピテントで絞っていくのもいい方法だと思います。
倒れない計画術:まずは挫折・失敗・サボりを計画せよ!
Aアクショナブル=行動可能性(目標の把握ゴールまでのステップ)
次に目標の把握とゴールまでのステップを設定しましょう。
この目標の把握をしたときにMメジャラブルでした目標の数値が高すぎたり
低すぎたりしないかも確認してみましょう。
ここでは前回紹介している前進や分割のテクニックも役に立つと思います。
アクショナブルでは次の3つの質問を目標に対して投げかけてみるのもおすすめです。
- 目標に到達するためにはどんな小さいステップが必要か
- このステップを行うためにどんな物が必要か
- こうした行動をいつ起こすべきか
Mメジャラブルで立てた目標に対してこの3つの質問を行って具体的なステップを想定してみましょう。
必要な行動、必要なもの、行動時期など詳しく想定したり紙に書き出すのもとても有効な手段です。
本を読む=読む時間を確保するために生活を見直す、習慣化のテクニックを学ぶ。
恋人を作る=知人に紹介してもらう、マッチングアプリに登録する、肉体の改善
マラソン=今の自分のタイムを測って目標までどのくらい実力が足りてないか把握する。
貯金=出費を減らすだけではなく、少しでも収入を上げれる方法がないか調べる。
Cコンピテント=適格性「目標を達成する事が、自分の価値に基づいている事」
最後に、目標を達成する事が自分の価値に基づいているかを考えます。
多くの皆さんはこの項目が少し苦手に思われるかもしれませんが安心してください。
まず価値は人によって様々であなたの価値が正しいのかどうか判断する必要は無いことを心に止めてください。
そして重要な事は「目標」は達成されれば終わりですが「価値」は人生における継続的な行動であることを忘れないでください。
例:子供を喜ばせるために外に連れて行く=目標
子供を愛して人生をサポートする=価値
それでは「目標」と「価値」の違いを意識して、この目標をみてください。
- お金持ちになりたい
- 幸福になりたい
- 結婚して子供が欲しい
- 成功したい
- 尊敬されたい
- 立派な仕事につきたい
これらは私も皆さんも心から望んでいる事ですが、価値に基づいて特に深く内省されてはいない事がわかります。
この目標は人生で守りたいもの、育てたい資質、他者との関わり方などの価値にあまり触れていません。
じゃあどうすればこれらの目標と人生との価値を結び付けて考える事ができるのか。
ここではケリー・ウィルソンとトビアス・ラングレンの研究をもとに次の4つの項目に焦点を当てて考える方法をご紹介します。
価値4つのポイント
- 人間関係
- 仕事教育
- 余暇
- 個人の成長/健康の増進
皆さんの目標と、この4つのポイントの継続的な行動を結び付けられると、価値と目標が結びつきやすいです。
価値の見つけ方や、価値を見つけにくいというお悩み解決方法はまた別の記事で詳しく説明しています。
詳しく自分の内面について、価値について知りたいという方はこちら
insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力
マラソン=夫婦で走ればいいコミニケーションの場になる、目標を高く設定しすぎて怪我をしては健康の価値に反していると気付いて目標を再設定した。
恋人を作る=結婚を最終目標にしていたが、どのような夫婦、家族関係を目指しているか、価値をもとに考え、求めるパートナー像が明確になってくる。
本を読む=読んだ本の内容を人間関係や仕事に生かすため、アウトプットの仕方も考える様になった。
貯金=漠然とお金を溜めていたが、お金をどの様に使うかを価値をもとに考える様になった。
まとめ「MACの原則」
今回は科学的に正しいゴール設定「MACの原則」をご紹介しました。
今から立てる目標にも、既に立てている目標にもこの3つのポイントを当てはめて考えてみてください。
目標を立てるときに「価値」の部分はなかなか見つけにくいう方も多いと思いますのでこれから記事にしていこうと思っています。
目標が数字として測定可能な事
目標を正確に把握して、ゴールまでのステップを明確に描き出せる事
目標を達成する事が、自分の価値に基づいている事