目標の立て方は様々ありますが、どのような目標も大抵
長期的、中期的、短期的の3つに分類できると思います。
今回は期間の違う3つの目標の立て方と注意点を解説します。
皆さんの目標がより具体的に達成可能なものになれば幸いです。
目次
長期、中期、短期それぞれの目標の立て方
それでは長期(3〜5年)、中期(1年以内)、短期(2週間以内)の目標設定の仕方を解説したいと思います。
- 長期目標=人生の価値をもとに立てる
- 中期=変更や修正が可能なことを念頭に立てる
- 短期=自分でできる作業量を把握して立てる
これがそれぞれの期間に応じた目標設定の仕方です。
人は目標設定を誤り、段取りが崩れ、目標にたどり着きそうもないとわかると
モチベーションが一気に下がり、投げ出したい気分に陥ります。
その状態を心理学では「どうにでもなれ効果(The What-The-Hell Effect)」と呼びます。

そんな状態に陥らないためにそれぞれのポイントや注意点を見ていきましょう。
長期目標/人生の価値をもとに立てる
長期的な目標を立てる前にそもそも「価値」ってなんだろう?と思われるかのしれません。
価値を元にした長期的な目標を簡単に説明すると
これがあると、人生に意味や目的を与えてくれるものを明確にできますし、継続的な行動のガイドになってくれます。
例えば「健康な生活を送る」が人生の価値だとしたら
価値を基にした目標
- 適正な体重を維持する
- 運動習慣を身につける
- 食事や健康について学ぶ
- 自炊のために料理教室似通う
など、価値を指標にした目標が複数上がってくると思います。
これらを3〜5年スパンの長期目標に据えましょう。

他にも「家族をサポートする」という価値をお持ちなら
価値を基にした目標
- 家族との時間を作る
- コミニケーション法や家庭療法などを学んで見る
- 旅行を増やして家族と新しい体験をする
など、人生の価値はそれを指標にした様々な長期目標を建てる手助けをしてくれます。

価値に基づく長期的な目標は前回の記事でも少し触れました
価値については質問テクニックやリストでご紹介しているのでそちらを参考にしていただきたいです。
日常生活であまり考えない内容ですし、難しそうで、やる気が起きない人も多いと思いますが一緒に価値について考えてみましょう!
中期の目標の立て方/変更や修正が可能なことを念頭に立てる
価値を基にした長期的な目標を成し遂げるための中期的な目標を計画します。
中期的な目標は短期的な目標を立てるより難しいです。

まずは中期的な目標を立てる際に陥りやすい心理状態と対策、オススメのサボりを解説します。
また最近の習慣化の科学では
新しい習慣を身につけるまで66日かかると言われているので、習慣化は中期的目標に入ってきます。
中、長期目標を達成するためには習慣化を意識してください!
科学者も陥った計画錯誤
複数の研究から「人は何かに取り組むときにかかる時間や労力を軽めに見積もってしまう傾向がある」事がわかっています。
この傾向をノーベル経済学賞を受賞した認知心理学者のダニエル・カーネマンが
「計画錯誤(けいかくさくご)」と名付けました。

カーネマンも大学の教科書を作成している途中で、いつ完成するかを彼の執筆チームと予想したところ
1年半〜2年半という予想が大半でしたが、実際は完成まで8年もかかったそうです。
計画錯誤を防ぐには
長、中期目標を狂わせる計画錯誤を防ぐ方法をご紹介します。
- あなたがどのくらいの時間でその目標を達成できそうか、あなたをよく知る人物に予想してもらう。
- あなたがよく知る同僚が同じ目標に挑んだらどのくらいで終えられそうか予測する。
- 把握した作業量を参考にする
解決策の一つ目として、あなたをよく知る人物に予測してもらいましょう。
先ほどのダニエルカーネマン教授の例でもありましたが
同じ作業をしているチームメイトよりもっと客観性が高い人物に依頼した方が良さそうです。
また計画錯誤の研究では
男性よりも女性の方が見誤り方が小さいとする研究もあるため女性に予測してもらう方がより予想が正確になるかもしれません。

もう一つの解決策は同僚が同じ目標に挑んだらどのようになるかと予想してみましょう。
人間の脳には「確証(かくしょう)バイアス」と呼ばれる強い思い込みが存在します。
「確証バイアス」は「こうあって欲しい結論」を思い定めたとき、その結果に合う方法だけを集め、合致しない情報は無視する傾向の事です。
ですから同僚や他人をモチーフにして客観的に想定をすれば、予想の正確性は高まります。

最後はこれから解説する
短期目標で調べておいた正しく把握された作業量を参考にするのもいい方法です。
(詳しくは後ほど)
中期的目標は変更や修正が可能なことを念頭に
中期的な目標で大切なのは、やってるうちにもっと効率的なやり方を見つけたり
自分の身の回りの環境が変化するかもしれないことを念頭に計画することです。
ジムに週4日通って運動をすると計画していたとします。

ですがジムでの有酸素運動より
プールでの歩行運動の方が自分に合ってると気づけば途中で変更するかもしれません。
仕事でも上司が変わって方針が変わったり
読書よりも動画での講義形式の学習がフィットするかもしれません。
そうなった際は中期的な目標は変更や修正が可能であると思い出してください。

この変更の判断に役立つのが「価値を基準にした長期的な目標」です。
長期的な目標をクリアするための中期的目標や方法は1つで無いことがほとんどで。
長期的な目標のためにプラスになるようであれば、中期的な目標の変更や修正はプラスに働きます。
チートデイを組み込む
計画には事前にサボる日(チートデイ)も組み込んでおきましょう。
ポルトガルのカトリック大学の実験によると
チートデイを組み込んでダイエットしたグループは
そうでないグループよりもダイエットに成功しただけでなく
ダイエット期間中に楽しさを感じ、減量へのモチベーションが高かったと報告しています。

研究チームはさらに
チートデイはダイエット以外の習慣にも効果があり
特定の行為や習慣を抑え続けていると、やがて「どうしても抗えない衝動」が出て事態を悪化させる
チートデイはそれを遠ざけると報告しています。
最近の研究ではチートデイは2週間に1回程度、全体の活動量のうち15%がよいと言われています。

2週間に1日はダイエットもお休み
ジム通いもお休み、英語の勉強もお休みの日を作ると言うことです。
またチートデイは当日気分で行うより、計画されていた方が満足度が高いです。
中期的な目標や計画を立てる際は是非チートデイも組み込んでみましょう。
短期的目標の立て方/作業量の把握
私も長期休暇でもあれば

・ブログを毎日更新して
・瞑想を一日1時間
・運動を毎日○時間
と、あれもこれも出来ると勘違いして短期の計画を立てていました。
短期的な目標を立てるときに注意が必要なのは自分の作業量を把握せずに計画してしまう事です。
目標を立てる時というのは、皆さん少なからずやる気になっていると思います。

やってやるぞ! 能力を身につけるぞ! 自分にもできるかも!と思っているのです
しかし翌日の朝、目が覚めた瞬間も同じような気持ちでしょうか?
一週間働いた後でもそのテンションを保てるでしょうか?

答えは私も皆さんもNOだと思います。
まず2週間ほどの短期的な目標に大切なのは
自分ができる作業量を把握しそれを元に計画を立てる事です。
「今日はやる気が出ないから明日にしよう…」皆さん、やる気って言葉はやらない言い訳に使われることのほうが多いのをご存知ですか?
やる気は長続きしません。やる気のような意志力よりもっと基本的な感情を使ったほうが上手くいくようです⬇
なぜ「やる気」は長続きしないのか―心理学が教える感情と成功の意外な関係
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自分の作業量を把握する
まず自分がどのくらいの作業量をこなせる能力があるのか把握しなくてはいけません。
本を一冊読むのに大体5時間程かかると分かっていれば
五連休の間に3冊本を読もうなど無理な計画を立てる事はありません。
また、休みの日には自分にやる気がみなぎって沢山作業出来ると思うのも幻想です。

普段から、一日本を読む時間は何分、運動は何分すると飽きてくる
部屋の片付けはどの位の期間でする、などあらかじめ作業量を把握しておきましょう。
おすすめの方法は、作業に取り掛かる前に、予想を書き出し
作業終了後に予想と結果を比較してみることです。
予想と結果で作業量を把握する
- 1時間読書する→集中続かず30分で断念
- 瞑想を30分する→15分を朝昼2回に分けたほうが良い
- 週に4回ジムに行く→2週間で7回が限界
これをしばらく続けてみましょう。
予想よりできないことがほとんどなので
できなくても自分を責めず「セルフコンパッション」=自分を労るようにしましょう。
徐々に出来る量も増えていくので初めはできなくて全く問題ありません。
だらけている時間も把握する
作業量の把握の際に大切なのは、サボっている時間もしっかり把握しておく事です。
一日何分ぼーっとしている、SNSを見ている、ネットサーフィンしている、ペットと遊んでいる。
これらの時間も把握しておくと良いでしょう。

やる気になって計画を立てる際は作業ばかり出来る気になってしまいますが
実際そんな事はありません。
一日の中でだらけている時間も計画や予定にしっかりと組み込みましょう。
そうする事で現実的な作業量を目標として立てる事ができます。
作業をやるべき時にだらけてしまって自分を攻めるのがとてもメンタルに良くないことが分かっています。
ここでも完璧にできなかった自分を責めずに、労ることが大切です。
ともかく最小のスタートから始める
短期的な目標で大事なのは「最小のスタートから始める」ことです。
最小の目標
- ジムでの運動習慣を身に付けたいなら=ネットで近くのジムを探す
- ダイエットをしたいなら=痩せてる人に話を聞く
- お酒をやめたいなら=1日1口分ずつ飲む量を減らす
目標が頓挫する人は短期目標の、特に初め
スタートアップを充実させようとしてしまうことが多いです。
それはやる気の表れでもありますが、目標達成に必要なのは、充実した環境ではなく
「ともかくやり始めること」です。

勉強する前に掃除を始め熱中してしまっては意味がありません。
ともかく始めやすい、最小の行動を起こすような目標を立てて実行することが何より大切です。
まとめ
私の場合
人生の価値の一つに「学び成長すること」があります。
そこから長期目標に
- 読書、体験、動画ジャンルを問わず学ぶ場を増やす
- 知識や体験をアウトプットする場所を作る
- 体験を通して知識を活用したり新たな刺激を受ける
中期目標に
- 読書習慣を身につける
- ブログを定期的に更新する
- 体験的な活動を行う
短期目標に
- 読みたい本を探す
- ブログの開設、運用について学ぶ
- 興味の湧く体験ができる場所を探す
などが挙げられました。
まとめ
- 短期的な目標は作業量の把握から
- 中期的な目標は想定を誤りがち、変更も視野に入れてチートデイも組み込もう
- 長期的な目標は価値を元として目標全体の行動動機をつくる