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なぜ人は変われないのか!?変化のステージと変化に対する心理を解説

そう分かっていても人はなかなか行動できないものです。

そんな時

「自分は変化できない人間なんだ!」
と「固定」した考え方をするより「成長、変化していける存在だ」とマインドセットし
心理的な柔軟性を持つことが心理学では推奨されています。
自分は変化できないと捉えるのではなく
自分は「変化の過程で、どのステージ(段階)」にいるのかで捉える方法があります。
今回はロードアイランド大学の心理学者
ジェームズ・プロチャスカとウェイン・ヴィライサー
が作成した「変化のステージ」をご紹介します!
「変化のステージ」変化を受け入れる準備は人によって異なる
プロチャスカとヴェライサーは
禁煙に挑戦している喫煙者達との会話をもとに「変化のステージ」を作成しました。
変化のステージは
- どこまで変化を受け入れられる準備ができているかは人によって異なる
- それぞれのステージに応じて取るべき戦略が異なる
という考えが基盤にあります。

皆さんが変わりたいと感じた時
また、誰かに変化してもらいたいと感じたとき。
その対象が「変化のステージ」のどこいるかを理解することで
適切な対策が取れることがあるかもしれません。

それではそれぞれのステージを解説していきましょう!
- 前熟考期
- 熟考期(→慢性的前熟考期)
- 準備期
- 実行期
前熟考期=変化の必要性を感じていない段階
前熟考機は
=変化の必要性を全く感じていない段階を指します。
変化の必要を感じていない理由は様々考えられます。
変化の理由を感じていない
- 悪い結果に気づいていない
- 完璧に諦めている
- 現状を過度に正当化している
- 変化を考える時間や体力、環境でない
前熟考機の段階では変化を
- 考える
- 話題にする
- 関心を持つ
などは殆どありません。

周りの手助けやアドバイス、励ましを
拒否したり、逃げ腰になることもあります。
熟考機=変化しようと思い始める段階
熟考期は
=習慣を変えよう・変化しようと思い始める時期です。

人は変化を意識した途端に変われるわけではありません。
熟考機は6ヶ月以上続くこともあります。

- 禁煙したら、タバコを吸う快楽を失うのか…
- 運動するにもジムに行ったりするのが面倒、続かなかったらどうしよう
- 今は安定してるし、始めても上手く行かずに、時間とお金を失うかも
など、変えたい習慣にもメリットや続ける理由があることを考えたり。
変化することにはメリットの他にも
スイッチングコストを考えてしまう
- 障害
- 困難
- 負担
が待っていることなどを考えることが多いようです。

変化した後のリスクやマイナス面を考えることは必要です。
しかし
- ポジティブな結果が100
- ネガティブな結果が0
の完璧な解決策が現れるまで待つ戦略をとってしまうと
「行動の膠着(こうちゃく)状態」に陥る場合もあります。

そうなると、プロチャスカとヴェライサーが考える
いつまでも変化のアクションを起こさない
「慢性的前熟考期」に進んでしまうこともあります。
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準備期=行動を起こす計画を立てている段階
準備機は
=自分の変化の必要性を自覚し
変化を起こすメリット・デメリットについて整理ができ
行動を起こす計画をたてる段階です。

変化のメリットが、デメリットを上回ると気付き
プランを練り始めています。
この段階では
変化の準備を始める
- 情報を集める
- 変化の意思を周りに打ち明ける
- フィードバックを求める
などの行動が見られることがあるようです。
実行期=実際に行動している段階
実行期は
=実際に行動をしている段階です。

変化を求める人はまず実行期に到達するのも1つの目標ですが
実際に行動を始めると

- 思っていたより上手くできない
- 思っていたより成果が上がらない
- もっと上手くできている人を見て自信がなくなる
など実行してみて初めて分かる心理的な壁もあります。
変化のステージを進める方法
殆どの人が今回ご紹介した「変化のステージ」のどこかにいます。

「しっかり睡眠を取ることについては実行期だけど
運動習慣については準備期で、食事については熟考期!」
のように、変化のカテゴリーによってそれぞれの段階は異なります。
変化した方が良いと分かっていながらも
なかなか変われない理由は人によって様々です。

変化できない人間の心理を上手く言い表した
ビジネス作家のジム・コリンズの言葉が興味深かったのでご紹介します。
「『グッド』は『グレート』の敵だ。
グレートな学校がないのは、グッドな学校をすでに持っているからだ。
グレートな政府がないのは、グッドな政府がすでに存在するからだ。
グレートな人生を手に入れる人がほとんどいないのは
グッドな人生で満足するのがあまりにも簡単だからだ」 byジム・コリンズ
スイッチングコストを考えてしまう心理
認知心理学者でノーベル賞受賞者のダニエル・カーネマンらが提唱した
「プロスペクト理論」でも言われるように
人間は得することより、損をする事を重大に考える心理があります。

本当は少しでもメリットが上回るなら変化するのが合理的であると言えます。
しかし、なんと!変化した後のメリットが1.5〜2.6倍ほど無いと
変化しようとする心理が起きにくいことが研究で分かっているのです。
過去に「自分の短所が、自分の長所の裏の面である場合改善しにくい」という
ハーバード大学の研究もご紹介しました(下の記事の目次11)。

変化したいけどできない時は
現状にも多少のメリットがあると感じ、変化後のデメリットを大きく見積もっているのです。
そんな時は
変化しないことのデメリットを考えてみよう!
- 現状に留まるデメリットに目を向ける
- メリット・デメリットを打算的に評価する
などの対策が有効になる場面もあると思います。
なので次回は
「変化のステージ」を実行期に向かって登っていくための方法をご紹介しようと思います。
まとめ
変化を起こそうとしている時
変化するために行動している時
大切なのは「進んでいる感覚」だという意見があります。
「自分はいつまでも行動・変化できない!」と認識するより

とか

「具体的に計画についても考え始めているから準備機に進めた!」
と漸進的な変化を感じられたほうが、心理的にはプラスになるようです。
また
- 辞めた・諦めた・無理
だと感じていることも

と捉えると

と完全に行動しない状態から抜け出しやすくなると思います。
なので「変化のステージ」を理解して
変化への取り組みを段階的なプロセスとして意識してみるのはいかがでしょうか?
「タバコは体に悪い」
「運動習慣ができれば健康になる」
「勉強すれば成長する」