目次
質問を上手に使って話を聞き出す!アクティブな聴くコミュニケーション〜後編〜
前回は相手の話しを遮(さえぎ)らないことの大切さ
頷く、相槌(あいずち)を打つことの大切とポイントまでを解説しました。
- 評価、口出し、意見を言わない
- 適度にうなづく、相槌(あいずち)⬅ここまで前半で解説
- 内容の理解が合っているか、要約した質問をする
- 質問をする
今回の聴くコミュニケーションは「質問」を中心に解説していきたいと思います。
では早速スタートです!
③内容の理解が合っているか、要約した質問をする
質問は様々な目的を持って行われるます。
- 単なる好奇心
- 思考を誘導する
- 共感を示す
この記事での質問の目的は
「相手に、こちらが話しをちゃんと聴いている
内容を理解していることを伝える」
ことです。
中でも今回ご紹介するのは
- バックトラッキング
- 相手の話の要約
- 感情に名前をつける
- 質問で話を確認する
- 質問する&その他テクニック紹介
詳しく解説します。
〜要約・聞き返しの例〜
バックトラッキングを意識する
「今日さ〜部長が突然『資料はいつ完成するんだ?』って言ってきて、俺そんなの初めて聴いてさ、あれ部長が絶対言い忘れてたんだよ!」
ここでのポイントは相手が最後に使った言葉を引用して内容を要約しているところです。
前編でも解説した「バックトラッキング」が使われています。
相手が最後に使った言葉を繰り返すことを「バックトラッキング」と言います。
バックトラッキングを行うことで
より、こちらが相手の話しに共感していること
ちゃんと聴いていることが伝わりやすくなります!
感情の要約・感情に名前をつける
相手の使った言葉「ムカつく」をバックトラッキングしています。
ここで更に共感を示す方法として「相手の感情を言葉にする」もとても有効です。
慣れるまでなかなか難しく感じるかもしれませんが
相手が話した感情をより具体的な言葉で表現し直してみましょう。
- まじムカつく➔それはプライドを傷つけられたように感じるよね
- まじムカつく➔立場を比較されたみたいで嫌だったよね
- まじムカつく➔何でも言っていいと思われてるみたいで嫌だよね
- まずムカつく➔客でも最低限のマナーは守ってほしいよね
- まじムカつく➔何様のつもりだって!って感じで腹が立つよね
この方法で大事なのは共感を示すことです。
相手の感情と違いすぎる言い換えにならないよう注意しましょう。
相手が「気持ちを理解されてない」と感じて逆効果になることもあります。
ですが、相手が
と思えるような感情の要約や再表現ができた時、話している側は
「ちゃんと聴いてくれてる、理解されている」と感じてくれます。
スタンフォード大学の共感の授業――人生を変える「思いやる力」の研究
聴くコミュニケーションの前提を思い出そう!
ここでも混乱する子供に対して「バックトラッキング」と「感情の要約」が行われています。
さらにここでのポイントは、前編で解説した
「自分の考えや感じ方と違う意見や話しにも口を出さないこと」です。
親から子にしてしまいがちな「聴くコミュニケーションの注意点」
- それって勘違いじゃない?(すぐ考え・感情を否定しない)
- 〇〇くんはそんな悪い子じゃないよ(まずは共感を示そう!)
- おもちゃに名前を書いておいたら良かったんじゃない?(解決策は話を聴いた後に伝えよう)
例え、子供の勘違いだと感じた場合も
泣く以外の対処法を教えたい場合も
まずは話を聴く、共感を示すことが最重要です。
人は共感を感じリラックスした状態でなければアドバイスやメッセージを受け入れられません。
聞き手の中に
- 議論・反論・別のストリー
- 正しい・間違いの判断
- 怒り(人は怒っている時、自分は正しいと思い込む)
- アドバイス
- 違う話の流れ・次に自分が話す内容
- 話の選択(自分に都合の良いところだけ聴く)
などが現れても、まず相手が感じたこと、意見を純粋に聴くことに努めましょう。
よくコミニケーションはキャッチボールに例えられます。
あなたがどんなボールを次投げるにしても
まずは相手のボールをしっかりキャッチすることが良いコミニケーション
人間関係を生みます。
「感情の要約・感情に名前をつける」ときの注意点
子供や、混乱している相手に
「感情の要約・感情に名前をつける」ときには注意が必要です。
人は自分の気持・感情が理解できていないことや
勘違いしてしまうことが思ったよりも多いことが分かっています。
なので聞き手が
- 「悲しかったね」
- 「傷ついたね」
- 「怖かったね」
などの「感情の要約・感情に名前をつける」を行うことで
と話し手が思い込んでしまう場合や
相手の感情を誘導してしまうこともあるので注意しましょう。
要約や説明の理解が合っているか質問する
ここでのポイントは
「要点や説明の理解が合っているかを聞き直し」しているところです。
ビジネスや、初めて触れる文化などで
話・内容を理解出来ない事を相手の責任にしないことが大切です。
相手の話が難解な時も
とコミュニケーションを諦めずに
- もう少し詳しく説明してくれませんか?
- 興味があるので詳しく教えて下さい
- 〇〇という理解で合っていますか?
など質問することで相手は「好奇心を持って聴いてくれているな」感じる場合が多いです。
「自分の理解力の低さが出るようで恥ずかしい!」
「ちゃんと話しを来てなかったと思われるんじゃない?」
と感じてしまいがちですが、分かったふりをせずにちゃんと聞いた方が
より良いコミニケーションになる場合がほとんどです。
また、相手に説明すること
話に興味を持たれることを嬉しく感じる人も多いです。
相手の感情が読み取れず要約しきれない時も
と感情についても質問して確かめてみるのがオススメです。
④質問の仕方のポイント
聴くコミニケーション最後のステップは「質問」です。
相手の話しと関連する質問をすることで、聴く側の好奇心や興味が相手に伝わります。
オープンクエスチョン
相手がした話の内容を軸に質問をするのが基本です。
その際、意識してほしいのが質問を「オープンクエスチョン」にすること。
オープンクエスチョンとは=「回答が複数ある質問」です。
逆にクローズドクエスチョンは=「回答がはいorいいえ」で終わってしまう質問で
会話が弾まない人に多い質問方法です。
- 夏は好きですか?➔好きな季節は?
- 海外旅行に行きたいですか?➔どこの国に旅行したいですか?
- 音楽はよく聞きますか?➔好きなアーティストは誰ですか?
このように質問は基本的にオープンクエスチョンにするのが基本です。
インタビュアーにならないよう注意
質問はコミニケーションを良好にするための優れた手段です。
ですが
質問だけしまくってインタビュアーになってしまうのには注意しましょう。
インタビュアーになってしまうと
相手にあまり興味がなさそうだと感じ取られてしまうことが多いです。
〜こんな質問攻めは嫌だ〜
上のやり取りもオープンクエスチョンで悪くないですが、面接かインタビューのようです。
なので、少しだけ共感や仕草、自分の話も織り交ぜて
コミニケーションらしくしてみましょう。
聴手の工夫1つでコミュニケーションが良好になることが多いです。
間を作る
どんに話好きな人でも話し続けるのは大変な場合が多いです。
相手が話し疲れてきた「間」が必要だと思った時は
質問や、相談を行って聴手が「間」を作りましょう。
おすすめなのは以前も解説したアドバイスフレーミングを行うことです。
人はだれでも他人に解説したり、アドバイスすることが好きなものです。
アドバイスフレーミングを使うことで聴く側の学びも増えるのでとてもおすすめです。
聴くコミニケーションの注意点
聴くコミニケーション全体を通して気をつけたいことが②つあります。
インテンション
まず人間の持っている思い込み=バイアスの中でもインテンションに注意が必要です。
インテンションは
- 自分と異なるものは悪だと感じる
- 人間は価値観が近い人を仲間だと思う
- 人間は自分と違う信念の人を無知で悪意があると思う
- 自分が嫌いな相手は頭が悪いと感じる
などのバイアス=思い込みです。
このインテンションが聴くコミニケーションの妨げになる場合がとても多いので気をつけましょう。
相手との「違い」を感じた時はできれば
「違い」を➔「好奇心」に切り替えて話しを聞けると良いです。
悪意ある相手には聴くコミニケーションをしなくていい
常に丁寧な聴くコミュニケーションを全ての人にしないといけないわけではありません。
誰の話を丁寧に聴いてコミュニケーションするかは自分で選択できます。
社交の場や初対面で、悪意を持って接してくる相手はまれです。
大抵の場合、相手があなたにインテンションを感じていたり
アドバイスやメッセージを送ろうとして少し攻撃的に感じる程度です。
ですが極稀に悪意を持ってコミニケーションを仕掛けてくる人もいるようです。
そんな時は聴くコミニケーションをしなくて構いません。
悪意を持った相手に社交する必要はありません。
直ぐにその場から立ち去りましょう。
誰の話を丁寧に聴くかは、聴手が自己決定できることを忘れないようにしましょう。
まとめ
面白い話や滑らない話ができなくても
しっかりと相手の話を聴くことで多くのコミニケーションを充実させることができます。
前回と今回でご紹介したテクニックを実践することで
聴いている側も相手の話をより深く理解して共感を示すことができます。
今回ご紹介したポイントは実践するのが初め難しく感じるかも知れませ。
練習を繰り返すことで少しずつ出来るようになってきます。