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アサーションを使った会話形式を作れるDESC法(デスク法)を紹介!
このブログでは
パートナーや仕事などのコミニケーション法の1つとして
アサーションをおすすめしてきました。
今回は北米でアサーションの訓練や指導を行うバウアー夫妻が開発した
「DESC法(デスク)」を使ったコミニケーション法をご紹介します。
DESC法の流れ
DESC法は、相手に気持ちや意見をアサーティブに伝えたい時
次の一連のステップを意識して伝えたり、言葉を考える方法です。
- D(Descride)=状況や、相手の行動を客観的に描写する
- E(Explain)=自分の感情を表現・説明・共感する
- S(Specify)=行動・妥協案・解決策など具体的な提案をする
- C(Choose)=選択する・選択肢を示す
DESC法の例
攻撃的・非主張的な自己表現と「DESC法」
を使ったコミニケーションの違いは次のようになります。
二人で散歩中そろそろ休憩したい時
↓DESC法を使った会話↓

D=もう歩き始めて30分経ったね!(客観的な状況を描写)
E=僕は足がつかれて喉も乾いてきたな(自分の状態や感情を表現)
S=あそこの座って休める店で10分休憩しない?(具体的な行動を提案)
C=お店が嫌なら、自販機で飲み物買って、公園のベンチに座るのもいいし、まだ歩くならあと15分ぐらいにしない?(断られた時の選択肢などを示す)

↓散歩中休憩したい時(非主張的なコミニケーション)↓

D=かなり歩いたよねー(何を話したいのか明確じゃない)
E=君、なんか暑そうだね!歩くのって結構疲れるよね(相手に共感しているが、自分の気持ちを伝えてない)
S=こんな時冷たい飲みものでもあったら楽になるかも(提案や求めに具体性がなく明確でない)
C=相手が察してくれることに期待するor望んだ行動が伝わらない
↓散歩中休憩したい時(攻撃的なコミニケーション)↓

D=ねぇ!いつまで歩くの?(いきなり感情をぶつけて、何を話し合いたいのかが明確でない)
E=僕を気にかけてないよね?自己中すぎてイライラするんだけど(要求もあるが、怒りの感情を攻撃的でなくアサーティブに表現できているか?)
S=少しは僕を思いやったり、もっと気にかけたり出来ないわけ?(「少しは思いやる」「もっと気にかける」が抽象的で明確でない)
C=相手が謝ってきたら「じゃ何してくれるの?」or言い返してきたら「言い合いになる」
スタンフォード大学の共感の授業――人生を変える「思いやる力」の研究
長電話をそろそろ切り上げたい時
↓長電をそろそろ切り上げたい時(非主張的なコミニケーション)↓

D=もうそろそろ寝る時間じゃないの?
E=今週ってお互いに忙しかったよねー
S=その話って結構長くなりそう?
C=相手が察してくれることに期待するor望んだ行動が伝わらない
↓長電をそろそろ切り上げたい時(攻撃的なコミニケーション)↓

D=いい加減にして!いつまで話し続けるの?
E=今日はめっちゃ疲れてるんだけど!
S=僕の仕事の疲れとかもっと気遣ってよ!そのくらい言われなくても自分で気付いて!
C=相手が謝ってきたら「こんなことで怒らせないで!」or言い返してきたら「言い合いになる」

↓DESC法を使った会話↓

D=話し始めて1時間経ったね!後どれくらい話す?(話し合いたいこと、具体的に状況を説明)
E=僕は今日疲れてて、集中力が切れてきちゃった(疲れている、集中が切れたなどを明確に伝えている)
S=今日は話しを切り上げて、続きは明日にしない?(明確な行動と解決策を伝える)
C=切り上げていいなら明日僕から電話するよ!もう少し話すならあと10分ぐらいにしない?(電話を切る時、話し続ける時の選択肢を提示)
DESC法それぞれの注意点
DESC法を行う上で、それぞれの注意点を解説しようと思います。
D(Descride)=自分の状況や、相手の行動を描写する時の注意点
最初のステップDでは、お互いが現在立っている共通基盤作る台詞を考えます。
また、パートナーと
Dで表現すること
- 話し合いたいこと
- 解決したいこと
- 葛藤や問題だと感じていること
などを、客観的&具体的にDで伝えることが大切です。
Dでよく行ってしまう注意点は
- あなたっていっつも〜/この前も〜だったよね、などの抽象的な表現
- 私ばっかり〜などの客観的でない表現
- 憶測や推測、相手の態度を取り上げる
- 感情や不満をぶつける
などをDに含めてしまうことです。

Dはお互いに共有できる具体的な出来事で、相手のことを取り上げる場合は
具体的な言動について述べるのがポイントです。
E(Explain)=自分の感情を表現・説明・共感する時の注意点
次のEでは(表現する・説明する・共感する)を行います。
Dで伝えた客観的な事柄に対する主観的な気持ちを述べたり、相手に共感したりするステップです。

この時の注意点は曖昧な表現をしたり、感情的になって、攻撃や嫌味になったりせず
明確に建設的に表現することです。
- あなたのせいですごく腹が立つ
- どうせ言っても伝わらないだろうけど
- もう愛想が尽きた
- いい加減にしてよ!もう散々!
相手に共感を示すのもEのステップで行いますが
必ず共感を示さないといけないというわけではありません。
S(Specify)=行動・妥協案・解決策など具体的な提案をする時の注意点
Sでは打開策や提案を伝えます。
相手にどのような行動をとってほしいのか
妥協案や、解決策などを具体的に提案します。

ここでのポイントは
Sのポイント
- 内容が具体的であること
- 内容が現実的であること
- 小さな行動変容を明確に提案すること
です。
相手に不満をいだいている時、傷ついている時、悩んでいる時
私達はその原因をすぐさま、全て解消したくなって
つい大き過ぎたり、非現実的な要求を突きつけてしまうものです。

そうすると相手も心を閉ざしたり、反撃しようとしたり、感情的になってしまい
コミニケーションがうまく行かないことが多いです。
アサーションの「自分も相手も大切にする」精神を思い出して
欲張った要求をしないように心がけるのがおすすめです。
C(Choose)=選択する・選択肢を示す
Cのステップでは、提案を相手が受け入れなかった場合に備えます。
アサーションは「相手を説得する/きちんと言えば意見が通る」コミニケーションではなく
お互いに想いを伝え合うことが目的です。

Sで示した具体的な提案を相手が直ぐに受け入れてくれない場合も多いです。
なので、相手が提案を断る、受け入れないことを念頭に置き
イエスの時の答え、ノーの時の答えを1つか2つ備えておくことも大切です。
コミニケーションが苦手な人の多くは

と思っているため
絶対に受け入れさせようと攻撃的になったり
断られることに不安を感じたりしてしまう場合が多いようです。
DESC法を使う前にアサーションの前提を理解するのがおすすめ
DESC法はアサーションを使う時の前提や心構えとして解説されている以下の点↓
- アイメッセージ(私を主語にする)で伝える
- 誰しも自分の気持や考えを表現していい
- 納得して譲る・キッパリ断るのもアサーティブ
- 聴くコミニケーションの大切さ
- 言語以外の非言語のコミニケーションも大切
- アサーションには練習が必要
- いつでも誰にでもアサーティブで居られるわけではない
などを理解してから使うとより効果的です。
またDESC法がうまく行かない時は、これら前提への理解が足りていない場合もあります。

またアサーションはDESC法を満たしていないといけないわけではありません。
アサーションとはセリフではなく「人との関わりかた」ですので
聴き方、ジェスチャー、声のトーン、表情など複合的なものす。
こうしなければいけないという絶対の形式があるわけではありません。
DESC法はアサーションを形式的に理解するのにとても有効ですが
囚われすぎてコミニケーションが窮屈になってしまわないように気をつけましょう!
まとめ
実際の話し合いは
DESC法を使ったから全てが上手くいくほど簡単ではありません。
ですが、自分と相手を尊重しながらより冷静に、建設的な話し合いをする助けになると思います。
パートナーや会社の中でのコミニケーションで問題や、喧嘩が起きた時は
DESC法から逸れてしまった表現がなかったか振り返るだけでも
少し客観的になれることもあるので、コミニケーションの改善点などが見つかるかもしれません。
またDESC法を上手に活用するためにもアサーション自体の理科を深めることがおすすめです。