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パートナーとより親密になる!親密さに必要な7つのポイントを解説
皆さん「親密な関係」と聞くとどんな相手を想像しますか?
親密さって何?
- 特別仲がいい?
- 何でも話せる?
- 喧嘩をしない?
- 信じているものや価値観が同じ?
などが浮かんでくるかも知れません。
親密さはカップルの関係にとても大切なものです。
今回は、アメリカの心理療法家レーナーが定義する親密さをご紹介した後
アメリカのカップルセラピスト、ウィークスとトリートの考えをもとに
カップルの親密な関係に必要な要素を解説していこうと思います。
夫婦・カップルのためのアサーション
レーナーが定義する親密さとは
今回ご紹介するレーナーが定義する親密さが全て正解というわけでは無いかも知れませんが
多くの人にとって共感できる面があると思うのでご紹介します。
親密さとは
「自分が自分らしくいられ、相手のその人らしさも承認できるような関係」
byレーナー
カップルには「問題や葛藤が無いほうが良い」という思い込みが生まれやすいことや
パートナーを変化させたりコントロールしたいと思う時があることは過去にも解説しました。
レーナーの「親密さ」に対する定義はそれを超えた関係性を上手く表しています。
レーナーは「自分が自分らしくあるためには」
=パートナーに対して重要な事柄を率直に語ることが必要
であり
「パートナーのその人らしさを承認する」には
=相手を変えたり、説得したり、直したりしようとせず
自分と異なる考えや感情や信念を持った他者と情緒的な関係を持てること
としています。
レーナーの文脈における情緒的(じょうちょてき)とは
=感情的ほど激しくなく、論理的ほど冷たくなく、喜怒哀楽を穏やかに、適切に表現することだと思われます。
レーナーの定義する親密な関係とは
レーナーが親密さをどのように定義しているかをご紹介しました。
この定義をもとに考える親密な関係とは
仲がいい、問題や葛藤がない、ということではなく
カップルの親密さ
- お互い独立した個人としての意識を持っている
- 自分と異なる個性を持ったパートナーに情緒的に近づくことが出来る
- 様々なことを共有できる
関係と言えそうです。
レーナーはかなり個人主義的な立場から親密さを定義していることが分かります。
この定義は実際のカップルにとても良く当てはまる事がわかると思います。
つまり親密な関係とは
- 二人それぞれの違いが有ることが前提
- 常に考えや感じ方、価値観が同じとは限らない
- いつも仲がいいわけではなく、むしろ葛藤が生じて当たり前
- それでもお互いに向き合っていける関係
この親密な関係を聞くと
と感じる方も多いかも知れません。
そんな時は、攻撃的でも非主張的でもないコミニケーション
相手も自分も尊重する自己表現=アサーションを学んでみるのがおすすめです。
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 578円(講談社現代新書)
親密な関係に必要な要素
アメリカのカップルセラピスト
ウィークスとトリートが親密な関係に必要な要素を定義しているようなのでご紹介していきます。
①楽しむこと
パートナーとの親密さでまず大切な要素は「楽しむこと」です。
なんだ、当たり前じゃないかと思われるかも知れませんが
自分とパートナーが違う考えや価値観を持っていた時「へぇ〜そんな考え方もあるんだ」
と違いを楽しむのは意外と難しいものです。
大切なパートナーだからこそ自分の考えを理解してほしい
自分が大切にしている価値観や意見に共感・同感してほしい
と誰しも感じてしまうものです。
自分と違った意見を受け入れにくいと感じている人は
以前解説した知的謙遜(ちてきけんそん)を参考にしてみるのもおすすめです。
その他にも
カップルと楽しむポイント
- パートナーの楽しみを認め受け入れること
- 自分自身の楽しみを大切にすること
- 二人が一緒に楽しめる時間を持つこと
「楽しむこと」は関係が長期化してくるにつれて少なくなってしまう場合が多いようです。
二人で新しいことに挑戦してみたり、体験的なことをするなどもオススメです。
②お互いをケアすること
お互いをケアすることが親密さにはとても重要です。
色々なケアが有る
- 世話する
- 配慮する
- 労る
- 心配する
- 話を聴く・相談に乗る
- マッサージする
などケアには様々な行動が該当します。
ケアを行っても
- ケアがカップル同士で50:50でなく、一方が偏って感じる
- 求めているケアと違う
- ケアがパートナーに伝わらず、認識されていない
- ケアに気づかない、過小評価されていると感じる
と逆にトラブルが生まれることもあります。
考えや意志を伝えるアサーションなどのコミニケーションを実践したり
ケアを義務やルールと捉えず自分の価値を基にケアの行動することがおすすめです。
でも解説しましたがセルフケアも大切です。
③二人の関係を守ること
「恋愛には努力が必要」なんて言葉もよく耳にしますが
二人の関係を守ることも親密さには大切な要素になります。
カップルを遠ざける要因
- 仕事、疲れ、ストレス
- 友人関係、趣味への没頭
- 育児、実家との付き合い
二人の関係には多くのものが割り込んできます。
そんなとき「私達は愛し合っているから大丈夫!」と思って
一緒に過ごす時間や空間を確保しようとしなければ親密さは薄れていってしまいます。
離れていることに過剰に敏感になるのもよくありませんが
出来る範囲で、お互いが関係を守っていこうとする行動に親密さが生まれます。
お互いが関係を守ろうとしなくなった時
一時的に問題が減少したように感じるときがあります。
そんな時は絆が薄くなっていないか確認してみてください。
④自分とパートナーをありのままに受け入れること
過去にも解説しましたが、カップルは初期の段階では
恋愛初期に起こること
- 相手のいい所を探そうとする
- 自分のいい面を見せようとする
- 相手の悪い面もプラスに捉える
などがよく見られます。
しかし、関係が長期化し、相手との距離感も変わってくれば良くない面が見えてきたり
好きだった所を嫌いに感じたりするものです。
簡単なことではありませんが
- どんな人にも長所と短所が有ること
- 長所と短所は表裏一体であること
- 相手をありのままに受け入れること
が二人の親密さには必要です。
千年の恋も冷める!欠点を知ってパートナーにドン引きしてしまう心理「分裂」を動画で解説
好きだった人に欠点や短所があると一気に嫌いになってしまう人の心理「分裂」
を動画で解説しています!
このブロブでご紹介している
感情と向き合い、観察し、受け入れるのに役立ちますので参考にしてみてください。
相手は変えられない ならば自分が変わればいい: マインドフルネスと心理療法ACTでひらく人間関係 (単行本)
⑤二人の関係に責任を持つ
過去に「攻撃的な自己表現・非主張的な自己表現」でも解説しましたが
二人の間で生まれた問題や葛藤を、全て相手のせいにし自分を正当化してしまったり
逆に全て自分が悪いと責任を背負い込んでしまうと親密な関係から遠ざかっていきます。
加害者と被害者のような関係では親密になれないのです。
問題は多くの場合二人が関わり合って生まれていること、解決のためにコミニケーションの仕方
見方考え方を変えてみることなど、どちらかを悪者にするのではなく
自分がパートナーに与えている影響にも目を向け、二人の関係に責任を持ちましょう。
⑥謝ること・許すこと
カップルはお互に、傷つくことも、傷つけてしまうこともあります。
そんな時、時間をかけてでもお互いに話し合い
謝ったり許すことで親密さは強まっていきます。
「危機」という言葉が「危=危ない」+「機=チャンス」からできているように
カップルは危機や問題を乗り越えた時に絆が深まりより親密になることも多いです。
浮気や暴力など二人の関係を根底から覆すものまで簡単に許す必要はありません。
⑦傷つきや痛みを分かち合えること
親密さには「嬉しい・楽しい」などのポジティブな感情を分かち合うのが良い
と初めにご紹介しました。
それと同じくらい「傷ついた痛み・悲しさ」など
ネガティブな感情を共有することも親密さにはとても大切なようです。
これらのネガティブな感情を表現するときには情緒的で有ることが大切ですし
聞く側も共感の心を持ってパートナーの感情を軽視しないことが大切です。
ですが、仕事などで双方が疲れている時は注意が必要です。
お互いが自分の傷の痛みや・悲しさでいっぱいになってしまっている時は
上手く共有できないときが多いです。
そんな時はアサーションなどを使って相手に自分の状態を伝えましょう。
特にHSP(敏感さん)など、共感応力が高い人の中にはネガティブな感情に共感することで
「共感疲れ」という「燃え尽き症候群」のような状態になってしまう人もいます。
そんな人は「敏感な人が人を愛する方法」を参考にしてみるのがおすすめです
また過去にご紹介した「セルフコンパッション:人間関係での役立て方」
を参考にしてみてください。
5人に1人いると言われている「生まれつき特に敏感な人=HSP」
カップルの場合36%の確率でどちらかがHSPです。
自分、相手の敏感さの違いを理解するため、多くの人にとってカップル関係の必読本です!
ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛―
まとめ
今回は親密さの定義と
親密さに必要とされるポイントをご紹介しました。
親密であることは一般的な、仲良し、喧嘩しない、いつも一緒というより
受容、気遣い、理解、ケア、許し、苦楽を共にする
などを行える相手との関係の間に育まれるようです。