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「恋愛に抱く幻想」カップルに多い思い込み!バイアスを解説〜前編
このブログでは、人間には様々な思い込み(=バイアス)があり
それに注意しないと大きな判断ミスや失敗のもとだと解説してきました。
そして今回は、特にカップルが陥りやすい思い込みを前後編に分けて解説します。
私達がパートナーと上手く行かないとき、相手を傷つけてしまうとき、選択や言動を誤るとき
もしかしたらパートナーに対する思い込みが影響しているかも知れません。
それでは早速紹介していきましょう!
夫婦・カップルのためのアサーション
言わなくても伝わる・察してくれるはずだ
この「言わなくても伝わる・察してくれる」思い込みは日本人
中でも過去にご紹介した「非主張的な自己表現」をする人に多い思い込みです。
「言わなくてもわかってほしい・察してほしい」心理には
「パートナーが自分の気持や考えや欲求を理解して尊重してくれることへの過度な期待」
があります。
その分、理解が得られなければ非常に落ち込み、そのがっかりした気持ちも内に隠してしまうため
「言わない➔伝わらない➔がっかりする➔言わない➔伝わらない➔がっかりする」
の悪循環に陥りやすいです。
そこから
パートナーに対する幻想
- 自分の事をもっと理解してくれるパートーナーが他にいるはず!
- 察しが悪くて鈍感なパートナーが悪い
と自分の自己表現の責任を相手に押し付けてしまうこともあるようです
言わなくても分かってくれる時も有るでしょうが、常には無理です。
幻想から抜け出し、自分の意志を正しく伝えられる自己表現を練習することが
二人の関係にとってプラスに成ることが多いようです。
ポイント!
- どんなに良好な関係でも気持ちや考えを察するには限界がある
- 自分も相手の欲求や気持ちを常に察することはできない
- 相手に察してもらうことへの期待より、適切な表現をする努力をする
マンガでやさしくわかるアサーション
上手く行っているカップルには葛藤や問題はない
おしどり夫婦なんて言葉もありますが
「上手く行っているカップルには葛藤や問題はない」もかなり非現実的な思い込みです。
ドラマや映画、仲のいいカップルの情報であふれるSNS
それらの情報に取り囲まれている現代では特に強まりやすい思い込みでもあります。
この思い込みが強いと様々な問題が生まれます。
仲良しカップル像の幻想
- 問題が起きないように不満を内に溜め込みやすくなる
- 自分さえ我慢すればいい=自己犠牲的になる
- 自分の考えを押し付けて支配的な言動をする
- 葛藤や問題を回避するようになる
カップルの間に起こって当然の葛藤や問題を深刻に考えすぎて酷く落ち込んでしまったり
強い怒りを感じて攻撃的になってしまったりすることも増えます。
そのような結果が積み重なり葛藤や問題を回避しようとする気持ちが過剰に高まってしまうのです。
心理学では、困難を避けようとする「経験回避」や「自己犠牲的な生き方」
をする人のほうがメンタルを病みやすく、鬱病傾向が高いことも分かっています。
問題や葛藤を全くのゼロにするという幻想から抜け出し
適切なコミニケーションで話し合って解決できる方法を学ぶことがおすすめです。
ポイント!
- どんなカップルにも葛藤を感じたり問題が生じることを受け入れる
- 問題や葛藤を早めに認識することを心がける
- 解決のために話し合う
- 話し合う時の適切な自己表現やコミニケーション法を学ぶ
相手は変えられない ならば自分が変わればいい: マインドフルネスと心理療法ACTでひらく人間関係 (単行本)
愛はシンプルで簡単であるべきだ
結婚や付き合うことは個人的なものだとイメージされやすいです。
しかし、カップルは別々の親、別々の家庭で育ち、影響を受けた物や人
出会うまでの体験、友人、環境全てが違う、異文化の二人によってできています。
二人の間にある異文化は
愛は本当に簡単?異文化だらけの二人
- 家事やお金、子育て、休日の過ごし方の違い
- 仕事と生活のバランスの考え方の違い
- コミニケーションや自己表現の違い
- 楽しいと感じるもの、恐れるもの、嫌悪するもの、興味の違い
- 食べ物やセックス、スポーツ、遊び、仕事などへの意欲の違い
- 清潔さや整理整頓の基準の違い
- 親戚や友達との距離感の違い
- 昔からある習慣、変わった癖など
これらの多くの違いをもった二人がともに過ごすことはそもそも簡単ではありません。
共通点の多いカップルもいますが、相手と合わないところがゼロになることはありません。
愛は簡単で、シンプルであり
パートナーが自分と同じように考え、感じ、行動するはずだと思い込んでしまうと
二人の関係はフラストレーションに満ちたものになるでしょう。
同じであること、合わせようとすることを頑張るより
ちゃんと話し合うか、違いを受け入れ、許容したり、楽しんだりするほうが
カップルの親密さを深めることが多いようです。
ポイント!
- コミニケーション、交渉力、妥協、相違点の許容が大切
- 相手を尊重した上で、自分の欲望や感情に忠実な自己主張のしかたを学ぶ
- 健康や幸福が脅かされる場面では毅然と拒否することも時には必要
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 578円(講談社現代新書)
カップルの間では言いたいことは何でも言っていい
「カップルの間では言いたいことは何でも言っていい」
は攻撃的な自己表現をする人に多い思い込みです。
この思い込みが強い人は
何でも言っていいという幻想
- 相手に甘え過ぎている
- 何でも許されるはずと尊大過ぎる気持ちがある
- 論理的に正しければいいと相手の感情を軽視している
などの心理があるようです。
相手への共感や自分の言葉でパートナーが傷つくことを意識することが大切なようです。
傷つけられたパートナーは
「徐々に無力感を抱く」か「いずれ怒りを爆発させる」事が多く
攻撃的な自己表現で、二人の間にある問題や葛藤が解決することは殆どありません。
カップルは非常に親しい関係ゆえ、甘えやワガママが許される場面もありますが
相手を傷つけることは関係を自分から壊してしまうことに繋がります。
何でも言っていいという幻想があると無意識に
態度・声の大きさ・トーン・表情・身振りまで攻撃的にしてしまうときがあります。
言葉だけでなく、非言語のコミニケーションにも気を配れるといいようです。
ポイント!
- 正しいと思っている意見でも言い方や伝え方に気を配る
- 自分の言いたいことは何でも言って良いわけではないことを意識する
- パートナーの気持ちを考慮する
- 客観性と具体性のある意見を感情をぶつけないように伝える
- 自分が傷ついている時は相手も傷ついている事を知る
パートナーが傷つくことは言うべきではない
先程ご紹介した「言いたいことは何でも言っていい」と矛盾するようですが
この「パートナーが傷つくことは言うべきではない」は
非主張的な自己表現をする人に多い思い込みです。
相手の感情に無頓着なのは良くないことですが、パートナに配慮するあまり
言うべきでないという幻想
- 自分の正直な気持ちや考え、欲求を伝えられない
- パートナーと正面から向き合うことを避けてしまう
- 言えないこと・言ってはいけないことが増えコミニケーションが希薄になる
などの問題が生じてしまいます。
パートナーを傷つけないように配慮するのは大切なことですが
相手が自分を傷つけないようにと考慮して率直なことを言わないことで
かえって傷つくこともあります。
傷ついたり、傷つけられた後、理解し合うことで深まる絆もあること
的確な自己表現と思いやりがあれば
パートナーに意志や気持ちを伝えて構わないことを忘れないようにしましょう。
譲る・我慢する・心の内に秘めることで二人の関係が良くなる幻想から抜けだし
的確に伝える練習をしていくことで二人の関係がより良くなることが多いようです。
ポイント!
- いくら配慮しても傷つけてしまうことはある
- 自分も相手も尊重した伝え方を学ぶ
- 傷つけてしまったら二人できちんと話し合う
5人に1人いると言われている「生まれつき特に敏感な人=HSP」
カップルの場合36%の確率でどちらかがHSPです。
自分、相手の敏感さの違いを理解するため、多くの人にとってカップル関係の必読本です!
ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛―
まとめ
SNSなどを見ても「異性を落とす方法」や「好印象を与えるテクニック」で溢れています。
更には「〇〇な彼氏は直ぐに別れろ」や「〇〇なパートナーは手放すな」のように
いい人に巡り合うまで、繰り返し付き合っては別れるのを勧めているかのようです。
これらの情報では、この先解説しますが「相手の好きだった所を嫌いになってしまう心理」や
付き合いが長くなるほどに嫌な面が見えてくる現実に対応できていないと思います。
周りの皆がやっていなくても、アサーションなどのコミニケーション法や
さっとでも家庭療法などを学んでみることが現実的で有効な方法なのではないかと思っています。
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