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「恋愛に抱く幻想」カップルに多い思い込み!バイアスを解説〜後編
これまで人間には様々な思い込み(=バイアス)があり
それに注意しないと大きな勘違いや失敗のもとだと解説してきました。
恋愛やコミニケーションが上手く行かない
そんな時は自分の思い込み=バイアスが強く影響している場合があります。
それらを知らずにいると
上手く行かないことを全て相手の責任だと感じてしまったり
結果として不仲になったり、フラストレーションを溜める結果になったり
最悪破局することもあります。
まずは自分がカップルに対する思い込みに囚われてないかを確認するのがおすすめです。
今回はカップルが陥りやすい思い込み解説の後編、それでは早速紹介していきましょう!
夫婦・カップルのためのアサーション
完璧なパートナーが居るはずだ
「自分にとって完璧なパートナーがいる」という思い込みはとても多いです。
特にマッチングアプリや婚活パーティーなど、近年出会いの場が広まり
パートナー候補が急増している現代では
と思い込みやすくなっています。
さらにSNSなど比較の場が増えたことで
出会いが増えた分後悔が生まれやすい
- パートナーになる可能性があった誰か
- パートナーにすべきだった誰か
- パートナーにしたであろう誰か
- 何らかの理由で別れてしまった誰か
私達は彼らを美化してしまう傾向が強まり、今のパートナーの欠点に目が行きやすく
相手が変わってくれたらどんなに良いかを考えやすい環境に置かれているのです。
「理想のパートナーが居るはずだ」の思い込みが強まりすぎると以下の問題点が出てきます。
- フラストレーション・怒り・失望感を生み出す
- 現在のパートナーとの問題を別の相手を探すことで解決しようとする
- 幸せにしてくれそうな人を探し続けることになる
- 違いを理解し、許容するような本当に親密な関係に至らない
- 正しさ、あり方の追求をしてしまい、相手を理解しようとしなくなる
受け入れがたいかも知れませんが
おそらく、今のパートナーより素敵で魅力的に感じる人はどこかにいるでしょう。
そして、パートナーにとっても、あなたより素敵で魅力的に感じる人がいるはずです。
ですがその魅力的に感じる人達にも
私達やパートナーと違う欠点や短所があり完璧な人ではないのです。
「誰しも完璧にはなれない」という現実から目を背けても親密な関係は育ちません。
「完璧なパートナーが居るはずだ」という思い込みが二人の関係の助けになっているか
それとも害をもたらしているのかを考えてみましょう。
二人の愛情は同じくらいの大きさでなくてはいけない
「同じくらいの強さで愛し合いたい」この思い込みは不安からくるものが大きいようです。
カップルにおいて二人の愛の大きさが違うことはよくあることです。
大抵どちらかの愛情が大きく、差があり、同じでないのが普通だと認識してみましょう。
ですが「二人の愛が同じくらいの大きさでないといけない」と思い込むと
思い込みの問題点
- 自分は凄く愛しているのに相手との愛情の差を不安に感じる
- 自分は落ち着いて安定した愛を持っているのに相手の熱量が高すぎる
など不安やプレッシャー、鬱陶しさなどを感じてしまい
相手を自分の望む状態にコントロールしようとしてしまい関係が崩れてしまうこともあります。
また、仕事や試験などの忙しさ、疲労、育児など
環境的要因で愛情に差があるように感じてしまう場合もよくあります。
まずは、お互いの愛の大きさが違うことを理解して
それに伴う不安や、要望を「言わずに隠す・攻撃的にぶつける」
以外のコミニケーション方法(アサーションなど)で相手に伝えるようにしてみましょう。
5人に1人いると言われている「生まれつき特に敏感な人=HSP」
カップルの場合36%の確率でどちらかがHSPです。
自分、相手の敏感さの違いを理解するため、多くの人にとってカップル関係の必読本です!
ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛―
価値観の合っている人とならうまくいく
最近、どんなパートナーが理想的ですか?と質問されると
「自分と価値観が同じ人」
と答える方も多いようです。
このブログでも「人生の価値観候補80個」をリストにしてご紹介しています。
人生で大切にするもの、進むべき指標が同じだと関係が上手くいきやすいことは想像できます。
しかし、価値観が同じなら必ず上手くいくわけではないことも知っておかなくてはいけません。
例えば「子供にはしっかりとした教育をしたい」と思う二人が子育をした際
子供の知育に偏った教育をしてしまい子供を傷つけてしまうケースもあります。
違うタイプで上手くいく
- 挑戦的な人とリスク管理をしたい人
- 現実的な考え方の人と理想的な考え方の人
- 外交的な人と内向的な人
世の中にはタイプの違う二人組で成功を収めた人達が沢山いるように
「私」ではなく「私たち」として成長したい場合、価値観や趣味
タイプが異なることが逆にプラスになるケースも多いのです。
そのためにお互いの違いを理解して、自分が思っている「普通」とは違う「普通」が有ること
1つのあり方にこだわらず、複数のあり方を許容することが必要な場面もあります。
アメリカの心理療法家レーナーは親密さを
「自分が自分らしくいられ、相手のその人らしさも承認できるような関係」
と定義しています。
親密な関係の前提として、二人それぞれの自分らしさにもとづく違いがあるので
常に、考えや感じ方が同じでなくなくても構いません。
むしろ問題や葛藤が生じることがあたりまえで
それでもお互いに向き合っていける親密な関係を築くことが大切です。
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 578円(講談社現代新書)
二人の関係はずっと続いていく〜永遠の愛〜
二人の関係は共に過ごした時間、相手への理解度だけでなく
社会的な立場や出産などの環境、社会的要因が変わることでも変化していきます。
変化していく
- 「家庭内では母親⬅パートナにとっては妻⬅あなた➔職場では先輩➔上司」
- 「知り合い➔友達➔恋人➔夫婦➔親」
個人的な変化に加え、二人の関係も変化し
その間に距離感や親密さも形を変えて変化していくものです。
カップルが変化による危機を迎えた時
今までのやり方を繰り返したり、強めることで乗り越えようとすると
上手く行かないことがほとんどです。
そこで大切なのが変化を受け入れ対応すること=心理的柔軟性です。
大切なのは心理的柔軟性
- 良い変化にも悪い変化にもオープンになる
- 変化に伴う体験をありのままに受け入れる
- 見方・考え方・対処の仕方を変える
トロント大学の研究でも「私質は完璧なカップルだ!」と思っている二人ほど
実はお互いに不満を抱えているケースが多く
長続きするカップルは「2人の関係は旅みたいなもんだ」
と高い心理的柔軟性で二人の関係を捉えているケースが多いと報告しています。
変化はコントロールできず避けられない
コントロールできないものにこだわると不幸になるのは言うまでもありません。
旅行の日が晴れるかどうかをずっと不安に思い
1日に何度も天気予報をチェックしそわそわしながら過ごすより
雨でも楽しめるルートを調べたり、お気に入りの傘を買いに行くなど
変化を受け入れ、柔軟に対応したほうが有意義に過ごすことができます。
それと同じで、二人が変わることはコントロールできず、柔軟に対応するしかありません。
変化を嫌ってしまうと無理に相手を変えようとして危機がより悪化する場合もあります。
感情は長続きしない
永遠の愛や、ずっと今の形で相手を好きであり続ける思い込みは
恋愛初期や新婚時期に強まりやすいです。
この思い込みの問題点は、人間の感情がそれほど長続きしないことにも繋がっています。
「感情・思考・感覚」
愛をこれらの入り混じった心の状態だと思っているなら、恋愛初期や新婚時期の心理状態は
平均して半年〜1年半、長くても3年ほどしか継続しないことがほとんどです。
(ホルモン分泌期間などの要因)
愛の感情は雲のように大きくなったり、小さくなったり
無くなったかと思えばまた現れたりするもので、変化に戸惑ってしまうこともありますが
同じ状態はずっと続かず、変わっていくこと自体普通のことのようです。
恋愛初期の期間は依存性があり
夢のような気分を味わうことができるため、よく歌や詩にされたりします。
しかし、その期間が終わりを告げるとパートナーの良くない面
ありのまま、真実の姿を見ることになります。
その姿に直面すると多くの人は
- もううんざり
- そんな人だと思ってなかった
- 相手が変わってしまった
- 愛を感じなくなった
- 自分に合った相手ではなかった
など、二人の変化を「愛が冷めたのだ」と受け取ってしまいがちです。
ですが、本当に相手を理解し、愛に満ちた、意味ある関係は夢からさめて初めて育つもので
ここからが本当に親密な関係のスタートになります。
恋愛初期の夢のような感情がいつか終わる現実を受け入れ、心理的柔軟性を持って対応すること
夢がさめてから本当に親密な関係が育つことを知ることが大切なようです。
相手は変えられない ならば自分が変わればいい: マインドフルネスと心理療法ACTでひらく人間関係 (単行本)
まとめ
スタジオジブリの宮崎駿監督が「世の中の大事なものは、大抵めんどくさい」
と言いながら黙々とアニメの原画を書いていたことをたまに思い出します。
人のストレスは8割が人間関係だとする研究もあほど
パートナーとの関係は時に私達を苦しめることもあります。
ですがそれは「人生における大事なもの」である証拠なのかも知れません。
まとめ
- 完璧な人間がいないように、完璧なパートナーもいない
- 価値観の違いが成功を呼ぶことも多い
- 変化したほうが上手くいくことも多い
- 恋愛初期の感情が終わってから育まれる関係がある