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仲良しカップルが別れるまでの心理!別れるまでに起きる5段階の変化を解説
映画やドラマのハッピーエンド
童話の「王子様とお姫様は末永く幸せに暮らしました」にも表現されるように
私達は幸せな関係がずっと続いくかのような幻想を抱きがちです。
確かに、恋心は甘く甘美なもので、まさに人生のオアシス。
ですが、私達は恋愛初期や新婚期に感じる永遠の愛
相手の全てが良いところに見える状態には限りがあることを理解しなくてはいけません。
今回は恋愛初期のラブラブモードがなぜ起きるのかと
仲の良かったカップルが別れてしまうまでの流れを解説します。
夫婦・カップルのためのアサーション
恋愛初期のラブラブモードはまさに至福のとき
恋愛初期などに見られる、相手を好きで好きでしょうがない
パートナーの全てが愛おしく感じる状態は
平均して半年〜1年半、長くても3年で終わります。
それは恋愛をした時に脳内で分泌される複数のホルモン、その中でも
「フェニルエチルアミン(PEA)」
の分泌継続期間がMAX3年ほどだからという説があるようです。
なので3年以上ラブラブのカップルは
恋愛初期とは違う関わり合い方や愛着を形成できたカップルです。
恋愛時に脳内でホルモンがドバドバ分泌されると
脳の複数箇所が通常と異なる反応を見せ判断能力が低下します。
どのくらい判断能力が低下するかというと
恋に落ちると極端に判断能力が下がる
- 麻薬中毒者と同じレベル
- 20分先のことまでしか正確に予測できない
- チンパンジーと同じレベルの判断能力
とする実験報告もあるくらい低下してしまいす。
先程の恋愛ホルモンPEAの他にも、恋愛中多く分泌されるエンドルフィンなどが
脳内麻薬と例えられるのも納得です!
この、判断能力が落ちた状態のおかげで
次のステップへ進みやすくなる!
- 相手の嫌なところも許容できる
- 出産や結婚など、リスクの大きな選択をしすくなる
- 後先を考えすぎずに相手に夢中になれる
などのメリットが生まれます。
ここにプラスして
「相手のいい所を探したい・相手に自分のいい所を知ってもらいたい・良くない所を隠したい」
が加わることで相手との永遠の愛やラブラブで居続けられる感覚が強化されます。
また、人間は良い時も、悪い時も、今の感情や状態がずっと続いていくと思い込みがちです。
別れるまでの過程
ここでは心理学者で良好な恋愛関係研究の第一人者のジョン・ゴットマン(john gottman)
が指摘する「仲の良かったカップルが別れるまでの過程」をご紹介します。
関係を長続きさせたい時はご紹介する①〜⑤のなるべく早い段階で
相手との関わり方、理解の仕方、会話
コミニケーション方法などを工夫するのがオススメです。
愛する二人別れる二人―結婚生活を成功させる七つの原則
①がっかりすること・残念に思うことが増えてくる
まず、何でも許せていた時期が終わりを迎える頃には
「相手にがっかりする」ことが増えてくる特徴があるようです。
この頃には
親密なコミニケーションが減り始める
- 相手の話をよく聴く
- 話に対してリアクションする
- アイコンタクトする
など、初期に多く見られた行動が減ったり
相手にかける時間やエネルギーが以前ほどではなくなってくる場合が多いようです。
特に男性はカップルになるまでに多くの時間とエネルギーを投資し
逆に女性はカップルになってから関係を維持するために時間とエネルギーを使うため
二人の温度差を感じるケースが多いようです。
また、好きだった所を嫌いになってくる心理も働いてくるため
以前ほど全てを許容できなくなっていきます。
②小さなことですぐ喧嘩になる
①の段階を過ぎるとやってくるのが「些細なことで喧嘩」が増える時期です。
ここで多く見られるのは過去にご紹介した。
自己表現の違いが喧嘩を悪化させる
- 攻撃的な自己表現
- 非主張的な自己表現
を使った喧嘩です。
さらにこの時期には「相手を変えたい、コントロールしたい、気持ちを察してほしい」
など、長く付き合った分だけ「相手を自分と違う一個人として扱う、違う面を許容する」
ことが難しくなっている時期でもあります。
さらにゴッドマン博士は
「カップルの抱える争いの69%は解決せずに繰り返す」と指摘しています。
体力・気力の必要なことですが、しっかり自分や相手と向き合う時間を取るのがおすすめです。
ぜひ相手も自分も尊重するアサーションなど第3の自己表現を練習したり
「カップルが陥りやすい思い込み」を理解して関係に役立ててみるのがおすすめです。
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 578円(講談社現代新書)
③相手に傷付けられたことが忘れられない
第3ステージの「相手に傷付けられたことが忘れられない」は
相手に合わせてしまい自分の意見を言えない=非主張的なコミニケーションの人や
「仲のいいカップルには問題や葛藤は無い」と思い込んでいる人に注意が必要です。
二人が喧嘩をしたり、傷つけあってしまった時、ちゃんとコミニケーションを取り
相手への理解が深まれば、逆に絆を強める機会になることもあります。
ですが、自分の考えをちゃんと伝えられなかったり
喧嘩自体を速く終わらせようとして十分に話し合わなかった場合
「わだかまり」が残ってしまうのです。
人間には
「終了したことより、やりかけのことを強く記憶する=ツァイガルニク効果」
があることが分かっています。
問題が解消されない、意見や気持ちを理解し合えていない「わだかまり」は
長期間、相手への嫌悪や不信を蓄積させてしまいます。
そして次の喧嘩で
などの攻撃的な表現として現れ二人の関係はさらに崩れていきます。
5人に1人いると言われている「生まれつき特に敏感な人=HSP」
カップルの場合36%の確率でどちらかがHSPです。
自分、相手の敏感さの違いを理解するため、多くの人にとってカップル関係の必読本です!
ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛―
④相手の言動をネガティブに捉える
コミニケーション不足や自己表現の違いを理解できずに、問題や葛藤を避けたカップルには
③段階で「わだかまり」が生まれます。
そして第4段階では、相手の言動全てを
- 前回の喧嘩の仕返しってこと?
- またなにかおこってるのかな?
- これはきっと私に対しての態度だ
とネガティブに捉えてしまう状態になってしまいます。
実際は仕事で疲れているだけなのかも知れませんし
女性の場合は生理が辛いのかも知れません。
その状況的要因などを考慮できず全ての言動がネガティブに映るのです。
そして辛い状況に陥っているパートナーに
「また何か怒ってるの?(はっきり言えばいいのに!)
「は?別に普通だって言ってるじゃん(共感してくれない、支援的じゃない相手が悪い!)」
というように、カップルの状況はどんどん悪化していきます。
⑤悪い方法で喧嘩する
別れるカップルが最後に見せるのは「悪い方法で喧嘩する」です。
悪い喧嘩と良い喧嘩の特徴の違いは
過去に「セルフコンパッション:人間関係での役立て方」でもご紹介しました。
悪い喧嘩は「ヨハネ黙示録の四騎士」と呼ばれる4つの特徴が出るかが問題だそうです。
その4つとは、重要度の高い順に
- 批判
- 軽蔑
- 防衛
- 無視
です。 喧嘩が起きた時に相手を
喧嘩の仕方に要注意!
- 強く批判し
- 皮肉めいた言葉で軽蔑を示し
- 自分の身を守るために相手を貶める、無意味だと断じる
- 責任を押し付ける、拒絶や無視
などが起きている場合91%の確率でそのペアは解消される
というのがゴットマンの長年の研究成果でわかっています。
おすすめの対応策・まとめ
カップルが別れるまでの5つの段階をご紹介しました。
お勧めの対応策は
- カップルの思い込みを減らす
- 相手は相手らしく、自分も自分らしく居られる関係を目指す
- 攻撃的でも非主張的でもないコミニケーションを実践する
- 上手く行かなかった時に相手のことも、自分のことも責めない(セルフコンパッション)
- カップルの変化を受け入れ対応する
書くのは簡単ですが、実践するのは難しいことばかりです。
ともかく「思い込み」に沿って行動してしまっては
現実と差が生まれて上手くいく可能性は低くなりそうです。
また二人の関係性に注目して気を配っていても
- 仕事の疲れやストレス
- 友人との付き合い
- 趣味への没頭
- 子育て、実家との付き合い
など外部からの要因も絶えず関係しています。
「現状維持を頑張る、今までのやり方を強化する」より
状況に合わせて二人が変化できた時のほうが良くなる場合が多いようです。
逆に「自分も相手も変化しない」と思い込むと、相手を無理に変えようとしたり
抽象的で大きすぎるお願いをしがちで関係が難しくなってしまうことがあるようです。
また、気持ちの伝え方や自己表現について学んで見ることをおすすめします。
実際にカップルの関係を保つ、恋愛、コミニケーション、どれも力のいる難しいことです。
上手にできなかった時や失敗してしまった時も相手や自分を責めることなく
労る気持ちを持つことがとても大切です。