嫉妬についていくつか記事を書いてきましたが、そのどれでも対応できないような理不尽な嫉妬は存在します。
今回の記事では嫉妬対策として知られるテクニック以外を使ってそれらに対応する、私が個人的に行なっている方法をご紹介します。
目次
嫉妬してきた人への上手な対応方法解説
そもそも何で上手に対応しないといけないんでしょうか?
めんどくさい相手には、こちらも対立してバチバチにやったほうが気分も爽快になると私もそう思っていました。
しかし、それだけでは無いのです皆さんが損をしてしまします。
その理由が大きく2つあると思います。
①周りが見ている
周りが見ています、ここで対立してバチバチすると周りからはあなたも同レベルの人間に見えることでしょう。
また周りの目があるということは上手く対応すればあなたの印象が大幅にアップする効果も期待できるとおもいます。
②嫉妬する側は自分は悪く無いと思い込んでいる
これは文学的な考えですが、イギリスの批評家W・バズリットは著書「人さまざま」の中で
「悪いことをしてお金を稼いだ人を憎むように、嫉妬には道徳心に似た一面がある(私の要約)」と言及しています。
これが的を得ているなら、相手の中で嫉妬することはかなり強く論理的に正当化されている可能性があります。
そんな状態の人と対立したところで相手が引き下がったり、納得して考えを改める確率はとても低いと思います。
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嫉妬してきた人の特徴的な発言
私が思う嫉妬してきた人たちがよく行う発言それは質問です。
「そんなことして意味あるの?」「大きなお家で掃除が大変そうですね」「〇〇するなんて馬鹿じゃないの?」など
注目して欲しいのは、相手が質問して、それにこちらが応えると言う形を取らされている点です。
この問いかけに「それは〇〇だからだ」とか「そんな事ありません」と応えると辛い応酬の始まりです。
相手の中で価値の下げられた、私たちの大切な物の存在意義や、意味を改めて考え直して答える。
哲学の授業のようなやり取りに巻き込まれるのです。
もし上手く回答できなかった時には周りで見ている人もあなたが言い負けた、嫉妬した側の考えに一理あったと感じてしまうかもしれません。
また嫉妬の中には相手が満たされていないニーズ、つまり何かしらの不満が存在しています。
本人さえ気づいていない不満をこちらで補い、満たして、フォローすることは上手い対応の一番の近道だと思っています。
嫉妬してきた人への対応・受け入れる
相手から質問や指摘がきた際、まずどのように対応すればいいのでしょうか?
私がお勧めするのは「一度受け入れてから質問を返す」という方法です。
すぐに質問し返してしまうと「質問に質問で返すな!」の決まり文句を発動されたり、相手を不機嫌にさせてしまったり、戦いのゴングが鳴ったかのように周りにも攻撃的な印象を与えてしまうかもしれません。
そこで一度自分のイラっとしている感情と距離を置き、相手の意見を尊重するか、褒めるか、認めてから次のステップに進みます。
しかし、この記事全体で一番難しいのはこの「一度感情と距離を置く、冷静になる」だと思います(T . T)
自分の感情と距離を置いたり感情を客観的に捉える方法として「マインドフルネス」やACT心理療法から「脱フュージョン」のテクニックを紹介しています。
一度相手の意見を受け入れ、感情的にならない事に成功すれば、この先のステップであなたの立場は自然と回復していきます
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嫉妬してきた人への対応・質問者に回る
相手の意見を受け入れたら、いよいよ有利な立場に移りましょう。
タフツ大学のサムサマーズ教授は著書の「考えてるつもり「状況」に流されまくる人たちの心理学」の中で「質問者の方が回答者に対して周りから能力や知性が高いと判断される状況にある」と言及しています。
皆さんも有名クイズ番組の司会者が回答者より知的に見えたことはありませんか?
実際本当に知的であっても回答者より知性が上回っている根拠はありません。
その判断には脳の思い込み(バイアス)が働いているのです。
相手の考えを受け入れたあなたは、次に相手に質問をすることによって周りから評価の高まる、質問者側にまわり、知的で有能な立場に取って代わるのです。
考えてるつもり ――「状況」に流されまくる人たちの心理学
お勧め質問方法・ソクラテス式問答
質問者になっても、的外れな質問をしてしまっては「こいつ何言ってるんだ?」と思われてしまいます。
そこで、私がお勧めするスベらない質問法がありますのでご紹介します。
その名も「ソクラテス式問答法」です。
ソクラテス式問答法は7つのステップから成り立っています。
- 明確化の質問:問題の具体的なゴールは何だろう?
- 前提の質問:問題について分かってないことは何だろう?
- 証拠の質問:今の答えを真実だと考えた理由は何だろう?
- 起源の質問:今の自分の考え方やアイデアはどこから得たものだろう?
- 結果の質問:問題を果たしたらどんな効果があるだろう?
- 視点の質問:他の人はこの質問にどう応えるだろう?
- 仮定の質問:今の答えの代わりにどんな答えが考えられるだろう?
これは矛盾を含む仮説を明らかにするため今から2000年以上前に作られたソクラテス由来の考え方です。
自分自身に自問するときにも使えます。
嫉妬してきてる人は感情的で根拠に薄い質問がほとんどなのでこのソクラテス式問答を返答のベースに使えば、いつかは確実に回答に困ることになります。
クライエントの言葉をひきだす認知療法の「問う力」―ソクラテス的手法を使いこなす
嫉妬してきた相手に花を持たせる
ここまで出来たら最後に大切なことは、「相手に花を持たせること」だと私は思っています。
相手を言い負かして、衆目の面前で恥をかかせようものなら、相手はどのようにして仕返しをしようかと考え始めたり、根も葉もない噂を広めてくるかもしれません。
上手に相手に対応しても、最後に遺恨を残してはもったいないとおもいます。
なので最後に花を持たせましょう!優しくフォローしたり、感謝したりして気持ちよく終わらせてみるのはいかがでしょう?
まとめ
今回は私が行なっている嫉妬してきた人への対応をご紹介しました。
ソクラテス式問答を使ってこちらが質問すると、相手が回答に困り、急に日常会話にシフトしてくることも多いです。
嫉妬された場面以外にも
- 納得できない意見を相手が言ってきた
- 相手の意見が極論で正当でないと感じる
- 偏見や侮辱を含んでいる考え
などに対しても質問をしてみてください!
対立するより面白い反応が返って来るかもしれません。
また自分の考えに自問すると論理性の薄さに気づいたり、思い込みに気づく、本当の目的に気づくこともできるかもしれません。
まとめ
- 周りの人がいるときは対応を特に丁寧に、アピールチャンスでもある!
- 一番難しいのはイラっとした感情と距離をおいて冷静になること!
- 相手の意見を受け入れたら、能力が高く評価されやすい質問者側に回ろう!
- ソクラテス式問答をベースに質問して矛盾を自白させよう!
- 最後はなるべく穏便に済ませて仕返しを予防しよう!
実際の活用体験
この活用体験は、私が今回紹介したテクニックを使うときに心がけていることや、使ってみた個人的な感想文です。皆様の活用に生かして頂けると幸いです。
私が実際に嫉妬を受け上記の対応を行なった例を紹介します。
私は大人になってから将棋を始めました、その将棋を勉強できるハンドブックを購入して職場においていた時のことです。
そのハンドブックを見てお相手が一言
「こんな本買うなんてアホちゃうん?」
私は一瞬呆気にとられて(・Д・)、嫉妬なのかさえ分からない、ですが私のしている事を否定して何か意見を言いたがっていると感じました。
「え〜?アホなんですかね?」(相手の言葉を繰り返すだけでも聞き入れたことになる)
「何でアホや思うんですか?」(すぐに質問者に回る)
「こんなもんに1200円も使うか?普通もったいないやろ」
「じゃこの本いくらだったら買っても勿体無くないですかね?」(買う行為より金額に話題を変えつつ、仮定の質問をしてみる)
「500円くらいちゃうん?」(この金額は根拠がなくて曖昧な回答)
「著者の人も慈善事業で書いたんじゃないから、安くてかわいそうですよ〜笑!」(軽く指摘)
「それもそやな!俺も小遣い気にせず好きなもん買いたいわ」(嫉妬の原因である、お金を自由に使えない不満が明らかになる)
「私も次から中古も探して、もっと安く手に入らないか調べて買うようにしてみようかな〜」
(指摘のおかげで私はお金の使い方を考えなおす、と相手の考えも尊重)
今回のやりとりでは相手の話を金額設定に変えて仮定の質問を使って答えました。
相手が「お金の使い道」について言及してくれば「どうして高いと感じるんですか?」とか
場合によっては「〇〇さんは1200円あったら何に使いますか?」などの質問もありえたかもしれません。
相手のお金を自由に使えないフラストレーションが私に向いた例でした
もう1つはよく嫉妬される筋トレという趣味です!
「自分から金払って苦しみにジム行くなんて物好きやな!笑」
「確かに、それもそうですね笑、〇〇さんは打ち込んでる趣味とかありますか?」(同意から質問で相手の不満を探る)
「俺はまぁ、ゴルフぐらいかな?」
「ゴルフも一人で練習したり、コースで長距離歩いたり結構ハードですよね!」(ジムとゴルフの共通点を示す)
「そうなんや!笑、ただ最近時間もなくてスコアも落ちてきとんねん」
「お忙しいですもんね、でも〇〇さんも時間とって練習できればきっとタイガーウッズみたいに復活するんじゃないですか?」
(嫉妬の原因が私ほど趣味に時間の割けない忙しさと、衰えだと思いそこをフォローする)
「私もジム通いなんて独身のうちだけだと思ってるんです」(時間には限りがある事を認めフォローしておく)
今回紹介したのは実際に私が体験した会話です。
ブログ用に要点だけ抜き出しているのですごく上手くいったように見えますが実際はもう少し話が逸れたり、関係ない会話も混ざっていました。
私も初めはすぐにカッとなって言い返したり、自分のプライドを守ることばかり考えていました。
今回紹介したテクニックを使うようになってから相手が抱えている不満を和らげたり理解者になって仲良くなったりするメリットがありました。
まだまだ練習しないと上手く出来ないことも多いですが、皆さんも機会があれば是非日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?