目次
愛着スタイル:安定型のメリットと不安定型から安定型になるための7つの方法を解説
前回は4つの愛着スタイルについて解説しました。
今回は安定型の特徴や、メリットを解説した後に
愛着タイルを安定型に近づける7つの方法をご紹介します。
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カップルの場合36%の確率でどちらかがHSPです。
自分、相手の敏感さの違いを理解するため、多くの人にとってカップル関係の必読本です!
愛着スタイル安定型の持つ傾向とメリット
安定型が持つコミニケーションや親密さ、愛着に関する傾向やメリットをご紹介します。
- 健康的な感覚を持っていて、自信とバランス感覚に優れ、自分への期待度が現実的
- ストレス下でも仕事をこなし、ネガティブになることも少ない傾向がある
- アルコール依存や摂食障害になる傾向が低い
- パートナーとして人気が高く、交際時に駆け引きが少なく、感情的に安定して幸福度が高い
- パートナーへの不満・関係を疑う・嫉妬・束縛・見捨てられる不安などが少ない傾向がある
- 怒ることが少なく、怒りが建設的で、喧嘩に肯定感があり、相手の意見に敵意を向けず、ポジティブな結果を期待する傾向がある
- パートナーの欠点を受け入れられ・パートナーを支援したり、支援を求めたりできる
- 感情を全て抑え込もうとせず、ポジティブな感情に素直、パートナーと距離があっても体調を崩さない
- 愛のないセックスをする傾向が低い
安定型はパートナーとしてとても魅力的な事が多く
安定型は安定型同士で惹かれ合う傾向も有るようです。
逆にそのほか3つの不安定型も不安定な相手と惹かれ合う傾向が有るようです。
中でも、拒絶・回避型の男性と「とらわれor恐怖回避型」の女性は惹かれ合う傾向があるようです。
また恐怖回避型・拒絶回避型の愛着スタイルの人は
「実らない恋・かなわない恋」に落ちやすい傾向も有るようなので気をつけましょう。
安定型になる7つの方法
愛着スタイルを安定型に近づける前に
変えやすいところと、変えにくい所を理解するのがおすすめです。
まず、人間の性格についてエレイン・アーロンは三層で理解することをすすめています。
人間の性格を3層で捉える
- 第1層:生まれつきの気質
- 第2層:個性=気質+環境と個人史
- 第3層:行動、習慣、趣向
不安定型は長い年月をかけて作られたものなので、回復するにも時間がかかります。
①層と②層を変化させるのは難しいです。
なので愛着スタイルを安定型にしようと思ったらいちばん変えやすい③層
=習慣を身につけて行動するのがなりたい自分になる方法といえます。
安定型以外の3つの不安定型はほとんどそのまま大人になるようですが
愛着に関する研究者達が「獲得された安定型」と名付ける例外も沢山あります。
ですが安定型になるにはかなりの時間とワークが必要なようで
エレインアーロンも「安定型になる一番の方法は心理カウンセリングをうけることだ」
としています。
今回ご紹介する方法で瞬く間に安定型になれるわけではありませんが
少しづつ時間をかけて取り組んで見てはいかがでしょうか。
安定型になる方法①自分を労る・温かい目で見守る=セルフコンパッション
まず世間に溢れる「過去を忘れなさい・過去は流しなさい」などのアドバイスは無視しましょう。
そして頑張っている自分にセルフコンパッションを向ける練習をしましょう。
セルフコンパッションのポイント
- 頑張っている自分を優しく労り、思いやること
- 自分を責めたり、罰したり、いじめることをやめる
嫌なことが合った時に
当然だ思考に注意
- 自分は嫌なことをされて当然の人間だ
- 他人は私に嫌なことをしても当然だ
などの考えは不安型を強めてしまいます。
セルフコンパッションについては過去の記事に書いていますので
参考にされてみてください。
セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる
安定型になる方法②安定した関係を増やす
あなたが支援を求めた時に応えてくれるような安定した関係を極力増やしましょう。
可能であれば
安定した関係を増やそう!
- 恋愛のパートナー
- 同性の友達
など安定型の身内が増えれば増えるほどよいようです。
親密さの恐れを克服するために最終的に行うことは
親しい関係に踏み込んで、傷つきやすい自分を受け入れることです。
安定型になる方法③悲しみむことをきちんと悲しむ
幼少期のつらい経験や、ひどい出来事の傷により不安定型の愛着スタイルを形成したことで
人生をどれほど邪魔してきのかを、きちんと悲しむ事が大切なようです。
この時「悲しみを乗り越えて成長する」認識より
悲しみも人生の一部と捉え
「悲しみとともに生きる」のような感情の受容=アクセプタンスを意識するようにしましょう。
愛着研究では「獲得された安定型」の人には、もともとの安定型には見られない
心の傷跡のような、悲しみの残滓(ざんし)が見られる場合が有るようです。
安定型になる方法④人生の価値に着目する
私のYou Tube動画でも「人生の価値を見つけ出すメリット」をご紹介しましたが。
安定型になるためのアドバイスとしてアーロンも
「(小さな自己)中心ではなく歴史や世界との関係の中で
あなたの人生の目的を明らかにすること」
をすすめています。
少し難しいように感じますが、目の前の目標と、人生の価値を意識するのがおすすめです。
人生の価値を見つけるのにおすすめの記事も過去に書いていますので是非参考にされてください。
不安型の関心を「過去」から「未来」へシフトさせる可能性が有るようです。
安定型になる方法⑤親密への思い込みを修正する
親密さへの怖れをできるだけ現実的に、定期的に振り返りましょう。
このブログでご紹介している「親密さに対する恐怖心」の記事を読んでいただくのもおすすめです。
親密さへの恐れと現実的に向き合った後は「脱フュージョン」してみましょう。
脱フュージョンを実践しよう!
- この恐怖心は、私を守ろうとしてくれてるけど、エラー音だ。これに従う必要はない。恐怖心よありがとう無視させてもらうよ。
- 私はこの恐怖心が幼少期に作られた雑音だということに気付いている。
などと意識したり、紙に書き出すワークも有効だということが分かっています。
安定型になる方法⑥愛着スタイルごとのアプローチを行う
○恐怖・回避型
相手から「拒否される」と思わずに、なるべく人に会うようにしてみる。
○とらわれ型
相手と少し距離を置き
相手がそうしたい時だけでなく、自分が求めた時にも戻ってきてくれると信じる。
本当は、ずっとかまって貰う必要がない、そうしてほしいわけでもなかったと気づける。
○拒絶・回避型
感情が干からび、硬直して、相手を諦めてしまっていたことを認識しましょう。
これからのチャンスに感情を開放すると
最初は「恐怖回避型・とらわれ型」のような感情、痛みを味わうようです。
ですがその痛みは麻酔が切れつつ有るようなもので、良いことだそうです。
安定型になる方法⑦瞑想にとりくむ
瞑想をすることが精神的な安定をもたらすという科学的な報告はとても多いです。
このブログでも瞑想やマインドフルネスの仕方、オススメの瞑想の方法
受容=アクセプタンスを鍛えることができる瞑想などをご紹介しています。
是非参考にしてみてください。
説明がわかりやすく、とても使いやすいのでマインドフルネスを始める最初の本におすすめです!
安定的になる方法
今回はN・アローンのアドバイスをもとに解説をお行いました。
アーロンはユング派の深層心理に造詣が深く
インナーワーク(精神の内側)を強調することが多いように思います。
現在では行動(運動や食事療法なども含む)がメンタルに影響を及ぼす
「行動主義」の有効性も強いとされているので
このブログでもご紹介している運動や食事、睡眠、自然と触れ合うといった方法もとりいれて
生活全体で安定したメンタルを目指して
人間関係にも反映していくのがおすすめの方法です。
そして記事冒頭で解説した
「習慣を身につけて行動するのがなりたい自分になる方法」としては
- 軽く、短時間でもいいので瞑想と運動の習慣を持つ
- セルフコンパッションを実践してみる
- アクセプタンスや脱フュージョンでネガティブな感情の扱い方を変える
- 愛着スタイルごとの取り組みを行ってみる
運動や睡眠など新しいことを習慣化したい時は習慣化のテクニックを実践してみるのはいかがでしょう?
まとめ
愛着スタイルは幼少期の親との関係が大きく影響しているという考えが主軸にあります。
なので、今を理解するためにどうしても過去に目を向ける必要が出てきます。
人によっては辛いことでしょうが、セルフコンパッションや瞑想、脱フュージョンなど
このブログでご紹介していることがその助けになれば幸いです。