目次
- 1 アクセプタンスを鍛えるマインドフル+瞑想法
- 2 マインドフルネスや瞑想にはアクセプタンスの意識が必要
- 3 ①思考を観察するエクササイズ
- 4 ①姿勢
- 5 ②呼吸
- 6 ③意識
- 7 ④思考の状態
- 8 ⑤思考の観察と気が逸れた時
- 9 ②流れに漂う葉っぱ(Leaves on a Stream)
- 10 ①姿勢
- 11 ②光景
- 12 ③葉っぱに思考をのせる
- 13 ④川の流れを眺める
- 14 ⑤葉っぱの流れ方
- 15 ⑥湧いてくる感情
- 16 ⑦気がそれるのは普通のこと
- 17 ⑧最後に
- 18 ③アクセプタンスを高める瞑想8つのプロセス
- 19 ①感情を観察する
- 20 ②息を吹き込む
- 21 ③広げる
- 22 ④そのままにしておく
- 23 ⑤モノ化する
- 24 ⑥普通なことだと捉える
- 25 ⑦自分を慈しむ
- 26 ⑧意識(アウェアネス)を広げる
- 27 まとめ
アクセプタンスを鍛えるマインドフル+瞑想法
はじめに
記事が長いので3つのエクササイズの目的から選んで、好きなものから取り組んでみてください
- 思考を観察するトレーニングは①
- 思考をああるがままにさせるトレーニングは②(葉っぱ)
- 自分の中に思考の居場所、スペースを作るトレーニングは③(瞑想)
「アクセプタンス=思考や感情の受容」には、「思考や感情に気付き、否定も肯定もせずに観察する=マインドフルネス」の意識が必要です。
なのでアクセプタンスを鍛えるには「思考や感情にマインドフルになる方法やトレーニング=マインドフルネス瞑想(めいそう)」が有効になります。
今回はこれらの考えを組み合わせた、アクセプタンストレーニングを目的とした瞑想トレーニングをご紹介します。
- 思考を観察するエクササイズ
- 流れに漂う葉っぱエクササイズ
- アクセプタンスを高める瞑想8つのプロセス
説明がわかりやすく、とても使いやすいのでマインドフルネスを始める最初の本におすすめです!
マインドフルネスや瞑想にはアクセプタンスの意識が必要
カネギーメロン大学の実験では、マインドフルネスはアクセプタンスの意識が無いと効果はあまりないのではないか、という報告をしています。
一般的なマインドフルネスを行う際にアクセプタンスの指導をしないグループをつくるという実験を行ったのです。
その結果、一般的なマインドフルネスを実践する際に、アクセプタンス抜きのマインドフルネスは、アクセプタンスの技法を取り入れたグループにくらべてストレスの減りが少なかったと報告しています。
つまり、呼吸に集中して瞑想してくださいとか、足の裏に集中して歩行瞑想してください、マインドフルに家事をしてくださいだけでは効果が低い可能性があるのです。
感覚や思考を観察し、現在を眺めるようにしてくださいとか、その感情や思考を良いか悪いか判断せずありのままにさせてくださいなど、アクセプタンスの意識がマインドフルネスの効果を高めるようです。
マインドフルネスとアクセプタンスは2つの歯車のように、お互いが噛み合って機能し、相乗効果を生む合うようです。
自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス
①思考を観察するエクササイズ
これはとても取り組みやすいエクササイズです。
ゆっくりとリラックスできる場所や時間を確保して初めてみましょう。
①姿勢
背筋を伸ばして、肩の力を抜きます。
目は一点を見つめても良いですし、閉じていても構いません。
自分と地面が接しているのを感じましょう。
②呼吸
まずは少しの間、自分がどのように座っているのか意識してください。
その次に、自分がどのように呼吸しているか意識してください。
何回か呼吸するあいだ、自分の息に集中し、よく観察してみましょう。
息が体に入って、出ていくのを感じてください。
呼吸を初めて発見した科学者のように、好奇心旺盛に観察してみましょう。
③意識
意識を呼吸から思考へと移していきます。
思考を意識できますか?思考がどこにあるのか、身体のどのあたりに置かれている感覚がありますか?
その思考が声として現れるなら、その声がどこから聞こえるでしょう、頭の中心か、それとも片側でしょうか、意識してみましょう。
④思考の状態
思考の姿、状態に注目してみましょう。
それは映像ですか?言葉ですか?音でしょうか。
その思考は動いていますか?静止していますか?
動いているならどちらの方向に、どのくらいの速さで動いていますか?
動いていないなら、どのあたりを漂っているでしょうか。
思考の上下には何がありますか?思考とそれの間には隙間がありますか?
⑤思考の観察と気が逸れた時
少しの間、思考が行き来する様子を観察しましょう。
初めて思考を見つけた子供のように好奇心を持ってよく観察しましょう。
たまに浮かんできた思考に気を取られ、エクササイズから注意が逸れてしまうかもしれません。
それは誰にでも起きる自然で普通なことです、なんの問題もありません。
繰り返し起こるかもしれませんがそれで構いません。
気がそれたことに気付いたら、自分を責めることなく、そっと受け止め、またエクササイズを始めましょう。
反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
②流れに漂う葉っぱ(Leaves on a Stream)
ACTの瞑想的なテクニックで代表的なものです。
今から流れに漂う葉っぱをイメージしてもらいますが、人はそれぞれ想像の仕方が違います。
映像のようにはっきり視覚化できる人もいれば、言葉や気持ち、考えが浮かぶ人もいます。
どのように想像しても全く問題ありません。
よくわかるACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー) 明日からつかえるACT入門
①姿勢
姿勢は楽に、目は閉じるか一点を見つめてください
②光景
あなたは穏やかに流れる小川のそばに座っています。
小川に目をやると、その水面を葉っぱが流れているのが見えます。
その光景を自由に思い浮かべてください。
③葉っぱに思考をのせる
しばらくの間、頭に何か考えが浮かんできたら、それを小川に浮かぶ葉っぱの上に載せてください。
そして、その考えが葉っぱに乗って流れていくのを眺めましょう。
前向きな考えも、後ろ向きな考えも、楽しいも、辛いも、とても素晴らしい考えも葉っぱに乗せて流します。
④川の流れを眺める
考えが浮かばなくなったら、ただ小川を眺めてください。
しばらくすればまた考えが浮かんできます。
小川が流れるのに任せて、流れを早めないようにしましょう。
思考を押し流すために流れが早くなってしまっていたら、エクササイズが「思考除去のためのコントロールテクニック」に変わってしまっているかもしれません。
自然な思考の流れを観察し、思考が自由に行き来するのに任せることを目指しています。
⑤葉っぱの流れ方
葉っぱを押し流そうとせずに、ただ遠のくのも近づくのも自由にさせておきます。
もし「こんなの馬鹿げてる、できない、意味ない」などの考えが湧いた時も葉っぱに乗せて流します。
葉っぱがどこかに引っ掛かったらそのまま漂わせておいてください。無理に流そうとする必要はありません。
⑥湧いてくる感情
退屈に感じたり、イライラしたり、なんとも言えない感情が浮かんできたら「その感情がただ存在すること」を受け止めましょう。
「退屈な気持ちが出てきた」「イライラする気持ちが出てきた」と言ってください。
そうしたら、その言葉を葉っぱの上に乗せ、流れていくのを眺めます。
⑦気がそれるのは普通のこと
たまに浮かんできた思考に気を取られ、エクササイズから注意が逸れてしまうかもしれません。
それは誰にでも起きる自然で普通なことでなんの問題もありません。
繰り返し起こるかもしれませんがそれで構いません。
気がそれたことに気付いたら、自分を責めることなく、そっと受け止め、またエクササイズを始めましょう。
⑧最後に
エクササイズが終了したら部屋を見渡してみましょう。
見えるもの、聞こえる音を観察し背伸びをして体をほぐしましょう。
どんな気持ちが現れたか、流すのが難しかった思考がなかったか、気持ちの存在を認めることが役に立ったかなどを確認してみましょう。
③アクセプタンスを高める瞑想8つのプロセス
ACT心理療法で、瞑想やマインドフルネスに近い状態で、感情をアクセプタンスする方法を8つのプロセスにまとめたものをご紹介します。
アクセプタンスを鍛える方法は色々ありますが、この方法はとても丁寧で、少し時間をとってやってみることをお勧めします。
幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本)
①感情を観察する
アクセプタンスを行う上でまず初めに行うことは、感情を観察することです。
自分の感情にマインドフルになること、瞑想の感覚もヒントになります。
ゆっくりとリラックスした状態で、自分の感情を観察します。
感情を良いものであるか、悪いものであるか評価せずに、通り過ぎる車を見るように、ただ見つめるようにします。
感情が心地よいものでなくても、新種の生き物を見つけた好奇心旺盛な科学者のように観察してみましょう。
感情は体の奥のほうにあるのか、表面にああるのか、どのくらいの大きさなのか、感情から気がそれたら、ゆっくりとまた感情の観察に意識を戻しましょう。
②息を吹き込む
感情を観察しながら、そこに息を吹き込んでみましょう。
あなたの息が、感情の中や周りに吹き込まれ、広がっていくのを想像してみてください。
③広げる
息を吹き込んだあとは感情の周りにスペースを作ってみましょう。
あなたの心の中に感情を置いておき、その周りの空間を広げるようにイメージしてみましょう。
④そのままにしておく
この④が最も普段やり慣れないプロセスで難しく感じるかもしれません。
感情を観察し、息を吹き込んで、スペースを作った後は、感情をそのままにしておいてください。
進んで受け入れなくても良いですし、受け入れたいと思わなくても良いので、ただ感情がそこにあることを許して、そのままにしましょう。
感情を変えることや、喜んで受け入れること、排除することが目的ではありません。
あるがままの状態にしておきましょう。
⑤モノ化する
そのままにしてある感情を一つの物(object)と思ってください。
その物の形はどんな感じでしょうか?液体、個体、空気のような物ですか?色はついていますか、もしくは透明でしょうか?湿っているか乾いているか、硬さは。
物を観察して、息を吹き込み、スペースを広げてみましょう。
物がどんなに大きくなっても、あなたより大きくならないことを確認しましょう。
⑥普通なことだと捉える
あなたが心を持った普通な人間であること、物事を心配すること、人生にはあなたを悩ませるものがあること。
人は欲しい物と、今持っている物とのギャップがあるときにこのように感じること、ギャップが大きいほどこの感情は強くなります。
それは人間誰しも感じること、人間に共通のもので、一般的で普通のことと捉えてみましょう。
⑦自分を慈しむ
以前ご紹介したセルフコンパッションのようなプロセスです。
「自分への慈しみ=自分をいたわり、思いやること」はアクセプタンスに良い効果をもたらします。
自分の表情が穏やかになったり、体の緊張がほぐれていく感覚が得られるかもしれません。
これまでのプロセスで「思考や感情の場所」が分かっているなら、そこに手を当ててみましょう。
その周りの空間を広げることができるか試してみましょう。
感情をそっと包むようにイメージしてみましょう。
⑧意識(アウェアネス)を広げる
私達は悲しみに沈んでいる時、怒っている時、強い不安状態にある時、自分の感情に意識を集中したくなります。
それがあまりにも極端になると生活に支障をきたしてしまいます。
舞台劇に例えると、アウェアネス=意識を広げていくことで、感情に当たっていたスポットライトが消え、感情も舞台にいる大勢の役者の一人に過ぎないと感じるようになります。
まずは感情を意識して、そして呼吸も意識してください。
その後自分の体も意識してください。
あなたの周りに広がる部屋を意識してください。
いろいろなものがあり、いろいろなことが起こっていることを意識してください。
まとめ
アクセプタンスの意識が低いと瞑想やマインドフルネスの効果が得られないかも知れないというのは驚きでした。
日々の瞑想にもアクセプタンストレーニングの要素を加えてバリエーションを持たせることもできます。
セルフコントロールの感覚は人生の幸福度と関連があるとも言われているので是非お好きな方法でトレーニングしてみてください。
コメントを残す