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セルフコンパッションから行動へつなげる際のポイント
セルフコンパッションは自分への労り、優しさ、それだけで素晴らしい考え方です。
それに加えてセルフコンパッションが上手い人は、より良い能力が発揮できる機会も増えていきます。
実際セルフコンパッションは自分を労って終わりではありません。
失敗を受け入れ、的確な対応策をとり、行動へ繋がっていきます。
今回はセルフコンパッションから行動へつなげる際のポイントを解説します。
セルフコンパッション/自分を労り、許せる人の方が成績がいい
2013年にカナダのビショップス大学で行われた調査によるとセルフコンパッションレベルの高い人ほど物事の先延ばしが少ない事がわかりました。
更にカールトン大学の研究では、先延ばしをする自分自身に自己批判的な学生ほど学業成績が悪く
その反対に「先延ばししちゃう時もあるよね」と自分を許す考えが出来る学生の方がテストの成績がよく、脳の活動が活発である事がわかっています。

セルフコンパションが上手い人は、自分を責めるより、何が原因でそうなったのか、次はどうしたらいいのかを考えるマインドになりやすい事が予測されます。
セルフコンパッションから成果を上げる行動へ
落ち込んでいる時に「前をむけ!」「落ち込んでいてもしょうがない!」なんて無責任な言葉を投げかけられて逆にイラッとした経験がある方もいるでしょう。
ですが皆さんはセルフコンパッションの共感や、痛みを受け入れ、自分に優しくする方法を知っています。
そこから行動に転じる際は、ノースカロライナ大学がセルフコンパッションに関する多くの研究を調査してわかった次の事を意識してみてください。
失敗と自分を切り離して考える
自己批判的になりやすい人は、失敗と自分を同一視してしまう傾向が強いです。
失敗をした時は「たまには失敗してしまうこともある、これは自分にとって難しい挑戦なんだ」とか
「悪い習慣が出てきてしまっただけだ」と失敗したから自分は駄目思考をしないようにしましょう。

そうすることで、失敗の原因と直接向き合って対応策を考える事ができます。
感情と自分自身がフュージョン(一体化)しやすい方は、以前紹介した、感情に囚われないテクニック「脱ユージョン」も有効になりそうです。
失敗した時は「なぜ?」ではなく「なに?/どのように?」で考える
例えば友達と喧嘩して気分が落ち込んでいるとします。
そこでセルフコンパッションを行い、問題と向き合ったとします。
「なぜ、喧嘩が起きたのか」ではなく
「なにが原因で喧嘩が起きたのか」考えるようにしましょう。

具体的に言うと「相手はなにに怒ったのか」「私はなにに腹がたったのか」「次からどのようにすれば良いか」を考えましょう。
「なぜ」で考え初めてしまうと、予想が膨らみ、無限に回答の候補が上がってきます。
- 相手は前から自分が嫌いだったのかもしれない
- 性格が人間的に合わないのかもしれない
- 過去に起きた事を引きずっているのかもしれない
なぜで考えていくと大抵ネガティブな思考に囚われて、答えや行動には到達しません。
そこで「なに?/どのように」で考えてみましょう。
- 相手は私の言い方に腹がたったのかもしれない
- 私は理屈が通っているのに反発する相手に腹がたった
- 次は相手に共感してから、言葉を選んで話すようにしよう
これほど上手く思考がまとまるとは限りませんが、原因を考えながら、より解決策に思考が絞られている事がわかると思います。
失敗した時「なぜ、なぜなんだー」と頭を抱えるより「なにが良くなかったのか、どの様にすれば良いのか」考えるようにしましょう。
完全な失敗ではなく、一時的な失敗と捉える
セルフコンパッションの3つの要素で説明しましたが、失敗をすること、失恋すること、受験で失敗する、幼少期の辛い体験、心身のコンプレックスなどは多くの人類共通のものです。
自分だけのものではなく、過去、未来多くの人が体験していきます。
その繋がりを感じることで、自分の失敗にも優しく接する事ができ、失敗を一般的なことと認識する事、解決策に視点を向けることができます。

失敗をした時は「完全に終わった」「私は世界一不幸だ」と思ってしまいがちです。
ですが長い目で見ればその失敗は一時的である事が多いです。
そしてラ・ロシュフコーの言葉を借りれば「私達は自分で思っているほど不幸じゃないし、幸せでもない」です。
一時的であると捉える事ができれば「失敗を乗り越える経験を過去に自分がしていないか、周りの人がしていないか」という視点や「失敗を経験と捉えて生かす」方法を考えやすくなります。
失敗と成功は二つで一つ
絶対転びたく無い、一度も転けずに自転車に乗るために、ずっと自転車に乗る方法を座学で学んでいる人がいたとします。
一方、自転車は練習の過程で必ず転けるものだと考え、転倒に備え、事前にヘルメットや、肘や膝当てを準備し自転車の練習を始めた人。

どちらが早く自転車に乗れる様になるでしょうか。
完璧主義は失敗を恐れます。
セルフコンパッションが出来ると、失敗を人類共通のもの、皆んなするものと捉える事が出来る、だからミスなくやり遂げるプレッシャーから解放され力を発揮できます。
成長して、ステージが上がると失敗します、それに対応して成長し、またステージが上がります。

サトシがマサラタウンから一歩も出なければバトルは起きませんが、ストーリーも始まらず、人生の意味を見失いそうです。
失敗と成長は常に二つで一つです。
セルフコンパッションで失敗や挫折の捉え方を、自己批判とは違った角度で捉える事が出来る様になります。
まとめ
成果を上げるためにセルフコンパッションに取り組むのではなく、セルフコンパッションをしたから成果が上がるのが理想的です。
成長と失敗は常にワンセットです、むしろ生活に失敗がない人は自分が停滞していないかチェックするのがお勧めです。
失敗に気づき、失敗を共通のものと繫りで理解し、自分を労る
自分を責めるより、解決思考になって行動した方が、成果だけでなく、心も楽です。
是非セルフコンパッションと行動を合わせて行ってみてください。
まとめ
- セルフコンパッションや自分を許せる人のほうが能力が高い
- 失敗と自分は別物
- ソリューションフォーカス(解決思考)を意識する
- 失敗は全体の一部であり、成功とセット