もし皆さんが睡眠について悩みがあるなら今回紹介する5つのポイントを確認してみてください。
光や音、温度や食事、行動やリラックス法などなど、少しのことで眠りが改善することがあります。
また意外なことが睡眠の妨げになっている可能性もあります。
眠れない人は睡眠改善の、眠れている人もさらに質の良い眠りの参考になれば幸いです。
目次
睡眠の質を高める5つのポイント〜睡眠のためにすること・止めること〜
今まで書いてきた温度や光など、睡眠と関わる要素が主になります。
5つ全てのポイントを行うのがベストですが、どれか一つでも良いので取り組んでみましょう。
睡眠の質を高めるポイント①同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
これから紹介するアドバイスの中で一つだけ実行するなら、この「同じ時間に寝て、同じ時間に起きる」にすることをお勧めします。
人間は習慣の生き物です。
いつも違う時間に寝て、違う時間に起きていると適応するのにとても苦労してしまい、寝にくくなったり、睡眠が不規則になったり、浅くなってしまいます。
習慣の研究で知られるウェンディ・ウッドという有名な心理学者によると、人間が過ごしている時間の30%〜50%は習慣的な行動で締められています。
しかも習慣的な行動のうち、習慣だと自覚できているのは40%ほどだそうです。
つまり習慣化できれば意志の力を使わず、自然と行動ができて楽だということです。
寝る時間と起きる時間を決めて習慣化すれば、自然と眠りやすく、起きやすくなります。
ここで気をつけたいのは就寝時間までは絶対布団に入らないことです。
23時に就寝すると決めて、22時から1時間布団の上でスマホを弄ったり、読書をしたりするのはやめましょう。
時間の習慣化とともに布団は眠るための場所だと脳にインプットするためです。
布団の中でだらだらしていると脳は「ここはダラダラと起き続けるための場所である」と認識してしまいます。
起床後も同じで、起床してから布団の中でゴロゴロしているのはやめましょう。
布団は寝るためのものだと習慣化して、ゴロゴロしたりだらだらするのはソファーなど場所を変えて行いましょう。
睡眠習慣化のポイント
睡眠時間を固定して習慣化する際にお勧めなのは、夜にもアラームを鳴らすことです。
例えば、寝る一時間前にアラームを鳴らして、その音を合図に今している作業を終わりにし、15分瞑想、15分歯磨き、15分日記を書いて寝るなど、寝る前の行動を習慣化するのがお勧めです。
起きる時間もできるだけ固定しましょう。
よくやってしまいますが、日曜日は朝寝坊してついつい寝溜めしてしまいがちです。
前回の記事でも紹介しましたが、9時間を超える長時間睡眠はデメリットがとても多いです。
寝溜めすると夜眠れなくなったり、月曜日への弊害が出てしますので、休日の朝は決まった時間に起きて、眠いなら20分程度の仮眠を15時までに2回とるのが良いでしょう。
早起きする必要がある時
起きる時間を固定すると言っても朝早起きしなくてはいけない場合もあります。
そんな時は、寝る時間はいつも通りにして、起きるのを早くすることをお勧めします。
イスラエルの睡眠研究科ペレッツ・レビー氏によると、通常就寝する時間の直前から2時間前あたりが最も眠りにくいことが実験でわかっています。
レビー氏は、入眠の直前には脳が眠りを拒否する「ファビットゾーン(ForbiddenZone=侵入禁止区域)」というものがあるという理論を1986年に提唱し、この現象は他の研究者でも確認されています。
毎日23時に眠っている人が、翌朝1時間早起きするからといって22時から寝始めようとすると「ファビットゾーン」に入っているためなかなか寝付けません。
時間がたつほど早く眠ないといけない焦りや、イライラが募り、結果いつもより遅い時間まで起きてしまう、精神的にリラックスできず眠りの質が落ちてしまう事もあります。
それならいつも通り23時に寝て、1時間早く起きた方が、睡眠時間は短くなりますが、眠りの質が落ちることはありません。
それでも早い時間に眠る必要がある人は、食事や入浴の時間で温度をコントロールしたり、メラトニンなどの睡眠サポートサプリを活用してみてください。
睡眠の質を高めるポイント②飲み物食べもの
飲みもの食べ物の中でもカフェイン、ニコチン、アルコール、大食いに気をつけてください。
カフイン/ニコチン
カフェインは集中力を上げる、ダイエットに最適、運動能力や効果を上げるなどなど、上手に使えばメリットの多い成分だと分かってきた激アツな栄養素です。
しかし睡眠においてはやはり邪魔になってしまう場面がほとんど、カフェインを摂取したら効果が抜けるまで8時間ほどかかる場合もあります。
コーヒー、コーラ、緑茶、チョコレートは16時以降摂取しないことをお勧めします。
ニコチンも刺激物で、喫煙者には眠りが浅い人が多く、加えてニコチンの禁断症で朝はやく目が覚めてしまいます。
アルコール
少量のアルコールにはリラックス効果があるため、お酒を飲んで寝ることは良いことだと思われるかもしれません。
本当に少量なら確かに良いですが、基本的にアルコールを飲んでの睡眠はお勧めしません。
それはアルコールが鎮静剤に分類される薬品だからです。
アルコールを摂取した睡眠は、一見自然に眠っているように見えますが、実際は麻酔をかけられたように脳が鎮静化し、自然な眠りとは全く違う脳波が計測されます。
脳は眠っている間に休むだけでなく、記憶を統合して関連づけしたり、ホルモンバランスを整えたり、免疫を調整したり、脳の老廃物を取ったりと様々な活動をしています。
アルコールで脳の動きを鎮静化させた睡眠はそれらの活動の邪魔になってしまうのです。
アルコールは睡眠の質を下げ、眠りを浅くし、呼吸の妨げになり、アルコールが切れた夜中に目が覚めてしまうなど、睡眠の天敵です。
大食い
大食い自体良い事ではありませんが、夜遅くにたくさん食べる事は睡眠にもよくありません。
寝る前の大食いは消化不良を起こし、それが睡眠の妨げになります。
また寝る前に水分を摂りすぎると夜トイレで目が覚めてしまうことにもなります。
さらに睡眠は血糖値とも関連があるので寝る直前に沢山食べて血糖値をあげてしまうと睡眠の妨げになります。
睡眠にはキウイフルーツ
睡眠は血糖値とも関連があると言いましたが、寝る2時間前に、おにぎり1個分の糖質を取ると睡眠の質が上がり、良く眠れるという研究があります。
もし寝る前にどうしても食べたくなったら軽食を心がけましょう、そんな時お勧めなのはキウイフルーツ2個です。
キウイフルーツの原産国は意外にも中国で、昔から漢方などにも使われてきた歴史があり、睡眠にも効果があると研究で明らかになりました。
台北医学大学が睡眠障害を抱えた男女24名に30日間行った研究では、キュウイフルーツで寝る時間が平均13%伸び、入眠までの時間は35%も短くなったそうです。
メンタリストDaiGoさんも寝る1時間前のキウイを習慣にしているそうです。
睡眠の質を高めるポイント③光/太陽光とデジタル機器
光と睡眠に深い関わりがある事は皆さんご存知だと思います。
中でも注意して欲しいのが日中太陽光を浴びることの大切さと、デジタル機器の光を夜浴びすぎないことです。
太陽光を浴びる
太陽光、特に朝日は体内時計を整える重要な役割があります。
もし可能なら音の出る目覚まし時計を使わず太陽光で目覚めることができればベストです。
太陽光が難しいなら朝起きてから明るい人工光を浴びるのも有効で、最近では光療法用のガジェットも販売されています。
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朝ブルーライトや強い光を浴びる光療法はメンタル改善効果もあります。
デジタル機器
朝は役に立つ強い光やブルーライトも、夜浴びてしまうと睡眠に関わるホルモン「メラトニン」の分泌を疎外してしまいます。
また、一晩中本を読むのは難しいですが、一晩中おしゃべりするのは意外とできる人が多いように、人は眠りを忘れるほどコミニケーションに引きつけられる生き物す。
現代ではコミニケーションの象徴がスマホやSNSです。
スマホなどのデジタル機器は、強い光に加え、着信音や通知音、コミニケーションへの期待など様々な要因で眠りを遠ざけてしまいます。
スマホなどのデジタル機器は寝室に持ち込まないようにしましょう。
睡眠の質を高めるポイント④温度
睡眠の質や自然な入眠をコントロールする際に重要なのが温度です。
寝る90分前に入浴し体の深部温度をあげておくと自然な睡眠の助けになります。
また一般的な寝具やパジャマの場合、室温はやや涼し目の18.3°〜20°程度が一番眠りやすい温度だと言われています。
睡眠の質を高めるポイント⑤リラックス/眠れない時
寝る前は精神的にリラックスしていることが大切です。
また眠れない夜は誰にでも訪れるのでその時に取るべき行動もポインとになります。
リラックス
寝る前までスケジュールを詰め込みすぎないようにしましょう。
脳が興奮しない内容の本を読んだり、リラックスする音楽を聞いたり、ゆっくり入浴をしたり、寝る前に心が安らぐ習慣を作っておきましょう。
激しい運動は気分を改善してくれる効果がありますが、同時に興奮した時に分泌されるホルモンも出てしまうことや、体温が下がりにくくなり、眠りにくくなるため寝る2〜3時間前は激しい運動は行わないようにしましょう。
アロマを使ったリラックスもおすすめです。
2014年に韓国のウルチ大学が「どのアロマオイルが本当に効くのか」を調べた結果4種類のオイルが推奨されました。
- ラベンダー
- ペパーミント
- クラリセージ
- ベルガモット
この4つには高いリラックス効果と神経のたかぶりを沈め、イライラや不安感を抑える効果があると報告されています。
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特にお勧めなのがラベンダーで、他の実験でも睡眠の質向上や高いリラックス効果が認められています。
ディフューザーを使ったり、浴槽にオイルを数滴入れてお風呂を炊いたり、寝る前に寝室をラベンダーの匂いで満たしておくなど、色々な使い方ができます。
オイルを使うのがめんどくさい人は、ラベンダーオイルサプリがお勧めです。
海外直送品 Nature’s Way Calm Aid, 30 sgels
NaturesWayの[CalmAid}は多くの実験で使用されています。
睡眠の質向上の他に不安感も軽減してくれます。
2010年ドイツの研究では6週〜10週と期間は長いですがCalmAidを摂取すると、専門の抗不安薬(ロラゼパム)と同等の結果があったと報告されています。
眠れない時
眠れない時ずっと布団にいるのはやめましょう。
布団は眠るための場所だと身体に習慣化するためにも20分以上寝付けないときや、イライラしてきたり、不安になってきた時は布団から出て、リラックスする活動をしましょう。
普段から「眠れない時はこれをする」と対策を決めておくのがお勧めです。
私の場合「自分が体験したことや感じていること、その時に抱いた感情や思考を包み隠さず書きしるす」=エクスプレッシブライティングをすることにしています。
眠れない時に、本を読む、暖かいミルクを飲む、少し歩くなど色々試しましたが私は「眠れない感情と向き合う」のが一番効果的でした。
眠れない焦りや、明日の仕事に影響が出るかもしれない不安を思いのままに、包み隠さずノートに書き続けます。
20分ほど書き続ければ、不安や焦りは落ち着いて眠れそうな感じになるのが分かります。
まとめ
まだ眠いのに音を使って無理やり起きる生物は人間ぐらいです。
夜の街は明るく、スマホは興奮する情報で溢れています。
現代はストレスも多く、とても睡眠に適さない環境ではありますが、睡眠の質が上がれば、皆さんの日中している活動も必ず質が上がってきます。
今回紹介したポイントから、出来るものを一つでも、出来る範囲で心がけてみましょう。
まとめ
- 寝る時間と起きる時間を習慣化する
- 刺激物や食事時間は睡眠を考えて取る
- 朝は光を浴び夜はできるだけ抑える
- 入浴や室温など温度をコントロール
- リラックス法や眠れない時の行動を決めておく