睡眠の質は栄養であったり、遺伝子、昼間の覚醒度合いなど様々な要因によって左右されます。
その中でも意識的にコントロールしやすい要因の一つが温度です。
室温や体温などの温度を上手くコントロールできれば自然と眠気が訪れ、入眠までの時間短縮や眠りの質向上が期待できます。
皆さんも温度をコントロールして快適な眠りを手に入れましょう。
目次
快適な睡眠のための温度コントロール術!深部・表面体温を制するものが睡眠を制する!!
室温は簡単に調整できますが、体温は調整できないんじゃない?
そう思われる方もいらっしゃると思います。
体温は入浴のタイミングはもちろん、寝るときの服装や、朝日の浴び方にも影響されているのです。
また睡眠ホルモンメラトニンの分泌条件は暗くなる意外にも深部体温と関わりがあります。
体温の変化で眠くなるしくみ
睡眠と体温変化を理解する際には深部体温と皮膚体温に分けて考えるのが良い方法です。
要点だけ説明すると「上がる/下がる/縮める」です。
- 手や足先、顔などの末端から熱を放出するその際、皮膚温度は上がる
- 末端から熱が放出されて深部温度は下がる
- 覚醒中は高い深部温度と、低い皮膚温度の温度差が縮まる
人間の深部体温は日中の覚醒中は高く、寝ている時は体や臓器を休ませるために下がります。
逆に足先や指先などの皮膚体温は覚醒中は低く、寝る前は深部体温の熱を積極的に放出するため高くなるのです。
覚醒中は深部体温の方が皮膚体温より2度ほど高いのが一般的ですが、入眠時にはこの差が縮まり、朝に近づくにつれまた差は開いていきます。
入眠時にはまず、手足からの熱放散が起こり、続いて深部体温が低下します。
この変化を助けて、円滑にすることで入眠しやすくなります。
さらに深部体温が下がるだけでなく、皮膚温度と深部温度の差を縮めることが入眠に大切だと1999年科学雑誌「nature」に発表された研究データで明らかになっています。
それでは深部体温と皮膚体温のコントロール方を説明していきます。
快適な睡眠のための温度コントロール術①朝日を浴びる
朝日を浴びましょう!これは快適な睡眠のためにとても大事なことです。
人間の体内時計がある「視交叉上核(しこうさじょうかく)」は朝日を浴びることで体内時計を整え、睡眠に関わるホルモン「メラトニン」の分泌をストップし日中しっかりと覚醒した状態を作ります。
さらに視交叉上核は体温のコントロールや睡眠と覚醒をコントロールするなど様々な役割を担っています。
覚醒は深部体温の上昇を促し、睡眠前に下がる時とのメリハリが生まれるのです。
日中はしっかりと活動し、夜はよく眠れる、理想的な状態ですね。
朝日を浴びて視交叉上核を刺激し一日のリズムや体温を整え、コントロールしやす状態を作りましょう。
快適な睡眠のための温度コントロール術②入浴
身体の温度変化にダイレクトに影響するものといえば入浴です。
深部体温は上がった分だけ下がろうとするので、入浴によってコントロール可能です。
「スタンフォード式最高の睡眠の著者 西野精治さん」のデーターによると40°のお風呂に15分入ることで深部体温は0.5°上がり、下がるのに90分かかるそうです。
スタンフォード式 最高の睡眠
寝る90分前の入浴は、体温変化を助け、円滑にすることで入眠しやすくなり、深部体温の下りはばが大きくなる影響で熟睡しやすくなります。
寝る直前にシャワーだけという方にお勧めなのは足湯です。
足湯は深部体温は上ませんが、足からの熱放散を活発にしてくれるので寝る直前の足湯で入眠しやすくなります。
快適な睡眠のための温度コントロール術③服装
入眠時に厚手の靴下などを履いて手足からの熱放散を妨げてしまうと寝つきが悪くなってしまいます。
熱放散は太い血管でなく、毛細血管の多い足先、手、顔などから行われているので、寝る時はそこを覆う手袋や靴下などは脱ぎましょう。
さらに足先や手は布団から出して寝る事もオススメします。
足は足首まで出すと寒いので、ほんの爪先程度で構いません。
冷え性で辛いという方は足先だけ出てる「メディキュット」のような形のソックスを使用してみたり、運動や生活習慣で冷え性を改善するのが快眠への近道です。
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快適な睡眠のための温度コントロール術④入眠に最適な室温
夏場部屋が暑いと汗をかきます、その状態で眠るとさらに深部体温が低下するので体が冷えすぎて夏風邪をひいてしまいます。
逆に室温が低すぎると血流が悪くなり熱放散も起こりにくいです。
具体的には12.5°を下回ってしますと寝具やパジャマに相当工夫をしないと眠りに影響があると言われています。
ベストな室温は人によって異なりますが、一般的な寝具とパジャマの場合、多くの人にとって最適な室温は18.3°〜20°だと言われています。
とても低く感じる方もいるでしょうが、室温は涼しく感じる程度が寝りにおいてはベストだということがわかっています。
睡眠こそ最強の解決策である
あくまで一般的な寝具と服装の場合なので夏場、薄着に毛布一枚で寝る時の室温を18.3〜20°にすると寒すぎるので気をつけましょう
快適な睡眠のための温度コントロール術⑤やってはいけないこと
体温コントロールを妨げてしまう行動や状況をいくつか紹介します。
激しい運動
激しい運動は寝る2時間〜3時間前までに終わらせるようにしましょう。
入浴による深部体温上昇は外的な要因なのでスーッと温度が下がって快適な睡眠を与えてくれます。
ですが、激しい運動は筋肉や臓器が熱を作り出して、しかも代謝が上がっているためなかなか温度が下がりません。
また激しい運動をすると脳内でアドレナリンやドーパンミンなどの興奮した時に出るホルモンが分泌されてしまうため余計眠りにくくなります。
激しい運動を行いシャワーを浴びてすぐ寝るのはとても難しいことです。
うつ熱状態
温め続ける事で起きる「うつ熱」は熱放散の妨げとなります。
湯たんぽや電気毛布、カイロ、ネッグウォーマーなどは寝る時には使用しないようにしましょう。
同じ理由でコタツでの睡眠もよくありません。
また湿度が高すぎる室内環境は発汗を疎外してうつ熱状態を作り、年配の方の夜間熱中症の原因にもなります気をつけましょう。
脳の興奮
脳が興奮していると体温が下がりにくいことがわかっています。
脳の興奮はそのまま覚醒につながり、入眠前の自然な体温変化を疎外してしまいます。
特にブルーライトなどの強い光には脳の興奮や覚醒、それに伴う睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌疎外,などの影響があります。
まとめ
今回は睡眠に大切な体温や室温のコントロールについて解説しました。
睡眠と温度の関係性を知らずに寝苦しい夜を過ごしていた方も多いと思います。
靴下を脱ぐことや、入浴タイミングなど日常生活での温度に気を配っり、睡眠の質を上てみませんか?
- 体温は上げる、下げる、縮めるが眠りの基本
- 快適な睡眠のためには朝日を浴びよう
- 入浴は睡眠90分前、寝る直前は足湯もお勧め
- 睡眠に最適な室温はやや涼しい18.3度〜20度ほど
- 激しい運動、うつ熱、脳の興奮に注意