ダイエットをする時、脳の機能を向上させる時、不安やストレス対策をする時、絶対必要で無視できない要素が3つあります。
運動、食事、睡眠です。
この3つのうち1つや2つだけ頑張っても、残りの1つがおざなりになると、結果が出なかったり、逆によくない結果が出てしまいます。
運動と、食事を工夫してダイエットする方法は昔から本やSNSにも溢れていますが、睡眠とダイエットの関連情報はそれほど多くありません。
ダイエットで結果が出ない人は是非、睡眠との関連をチェックしてください。
目次
ダイエットと睡眠の関係/睡眠を見直さないといつまでも痩せない短時間睡眠の恐怖
ダイエットをする時、睡眠を見直すと様々なメリットが期待できます。
睡眠のメリット
- 痩せやすくなり、太りにくくなる
- 誘惑に負けにくくなる
- アンチエイジングになる
- 肌が綺麗になる
睡眠を見直す事でダイエットや美容に多くの効果が現れます。
このほかにも睡眠を改善する事で以下の点も改善される事が分かっています!
- メンタルが整う
- 仕事の効率が上がる
- お金の無駄遣いが減る
- 運動の継続率も上がる
このブログの「睡眠」関係の記事でもご紹介してきましたが、どうして睡眠を味方につけるとこれほどダイエットに良い事が起こるのか、早速ポイントと解説をしていきましょう!
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寝不足も寝過ぎもだめ
最適な睡眠時間は遺伝子のタイプによって人それぞれ異なりますが、多くの人は6時間〜8時間です。
6時時間より短い眠も、9時間を超える睡眠も太りやすい体を作ります。
ですので平日は寝不足で6時間以下の睡眠を繰り返し、週末に寝溜めで9時間以上眠っている人は特に気をつけてください。
9時間以上の長時間睡眠のデメリットは過去の記事にまとめてあるので↓を参考にしてください。
今回は6時間より短い睡眠、睡眠不足のデメリットを紹介します。
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睡眠不足の恐怖(6時間以下の睡眠)
睡眠が短いと死亡率が上がったり太りやすくなる事が分かり、睡眠の専門家だけでなく医療関係者も睡眠不足に注目し始めたのは2002年サンディエゴ大学の研究が皮切りです。
サンディエゴ大学の調査は「短時間睡眠の女性は肥満を表すBMI値が高い」と報告。
スタンフォード大学や名古屋大学、上海交通大学でも同じような研究結果が出ています。
寝不足と肥満は科学的にかなり関連性が高い事が知られているのです。
睡眠不足の恐怖①摂取カロリーが増える
皆さん、寝不足の翌日に甘いものや、ガッツリした脂ものが食べたくなった経験はありませんか?
寝不足と肥満について論文11本、総勢500人近くを対象にしたメタ分析で睡眠時間を短くするとどれくらい太るのかが調べられています。
その結果、一週間強制的に、一日の睡眠を3.5時間〜5.5時間に短くされた被験者は
7時間以上眠った被験者に比べ、寝不足の翌日おにぎり二個分ほどのカロリー=385kcalを余分に摂取する事が分かりました。
ここで注目なのが、寝不足の人は翌日の摂取カロリーが385kcal増えますが、消費カロリーはほとんんど増えないことです。
つまり寝不足で何もしなければ18日間で1kg、1ヶ月で1.7kg体重が増えることになります。
更に注目なのは、食事量が増えるというより、油物などハイカロリーな食べ物を好んで食べてしまう傾向が高まるようです。
385kcalの罪深さをランニングで換算してみましょう。
ランニングの大まかな消費カロリーは「体重kg✖︎走行距離Km=消費カロリー」です。
つまり体重50kgの女性がランニングで385kcal消費するには7.7kmランニングしなくてはいけません。
更に、女性がランニングのみで体脂肪を1kg減らそうと思ったら77時間走らなくてはいけないと言われています。
ですのでダイエットでランニングなどをしている方は、睡眠を見直して過剰なカロリー摂取を控えなければ何日頑張って走り続けても痩せる日は訪れないのです。
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睡眠不足の恐怖②ホルモンバランスが崩れる
食欲に関係するホルモンで有名なのは、食欲を抑えて、食べ過ぎを抑制する「レプチン」と、食欲をます「グレリン」です。
この二つのホルモンがバランスよく機能していれば、普段食欲は落ち着き、食べるべきタイミングでは自然な食欲が湧きます。
ですが6時間以下の短時間睡眠をすると、レプチンの分泌量は大幅に減り、逆にグレリンが多く分泌され食欲が抑えにくくなってしまうのです。
また睡眠中にはグロースホルモン(成長ホルモン)が分泌されます。
身長が伸びる成長期の子供だけでなく、大人や老人もグロースホルモンは分泌されています。
グロースホルモンは大人の場合以下のような働きをします。
- 筋肉や骨を強くする
- 細胞の増殖を促す
- 肌のターンオーバーや代謝を正常化する
- 脂肪を脂肪酸に変え燃焼しやすくする
このようにグロースホルモンはアンチエイジングにも関連が深く、ダイエットに必要なホルモンです。
また生殖や母性行動に関連するプロラクチンも睡眠中に多く分泌されます。
これらの「性ホルモン」や「グロースホルモン」は肌の水分量や柔軟性とも密接な関係があります。
グロースホルモンは寝始め最初の90分間に訪れる一番深い眠りの時に7〜8割が分泌されます。
しかし寝始めの90分を疎外されたり、眠りが浅かったり「いつもなら寝ている時間」に起きていると分泌されなくなってしまいます。
睡眠は6〜8時間、そして始めの90分の質を高めるのがとても重要です。
ですがやむおえず5時間しか眠れない日は、始めの90分の質を高めることに集中してください。
そうすればグロースホルモンの80%近くは確保できます。
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寝不足はすぐに顔に出る
寝不足で顔にクマが出来てしまうのは皆さんご存知の通り。しかしそれだけではりません。
何日か寝不足になるとコルチゾールと言うストレスホルモンが分泌されます。
コルチゾールはコラーゲンの分泌を抑えるため、クマだけでなく、皮膚に張りがなくなってシワがより、肌はカサカサになります。
ストックホルムのカロリンスカ研究所や、睡眠不足の影響を長期的に調べたそのほかの実験では寝不足状態の人の顔の方が、不健康で魅力がなく、肌は青白くシワが増えていると判断されました。
寝不足で顔が老けます!
睡眠不足の恐怖③脳も暴飲暴食を起こしやすくなる
寝不足だとなんだかイライラして、ストレスを強く感じ暴飲暴食をした経験はありませんか?
睡眠不足は感情コントロールに関係があることは科学的にも確認されています。
カリフォルニア大学バークレー校教授で睡眠・神経イメージ研究室所長のマシュー・ウォーカー(Matthew Walker)の研究チームは普通に寝たグループと、一晩中起きていたグループの脳をMRIでスキャンしました。
2つのグループにはネガティブを感じる写真と、感情を刺激しない写真(流木やカゴ)など100枚の写真を見せました。
そうすると、寝ていないグループの脳の扁桃体(へんとうたい)という部位の反応が60%も増幅している事がわかったのです。
扁桃体は、ストレスや恐怖心を作り出す部位で「闘うか、逃げるか」などのストレス反応と関連し、先ほど紹介したコルチゾールの分泌とも関連しています。
普段はこの扁桃体の動きを、前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)という合理性や、論理性、意思決定を司る部位がコントロールしています。
例えば、ストレスを感じてイライラして、扁桃体が「あいつをぶん殴れ」と指令を出し他とします。
すると、前頭前皮質が「いや、そんなことしちゃいけない、後々大変なことになってしまう」と合理的に制御するわけです。
しかし恐ろしいことに、寝不足なグループは前頭前皮質と扁桃体の強い繋がりがなくなってしまいます。
そうすると普段は抑えられる怒りや、行動が制御できなくなり、ストレスを感じるレベルも大きくなっているので暴飲暴食に走ってしまうのです。
さらに意思の力も弱まり運動など習慣の継続性が途絶えやすくなったり、コルチゾールが大量に分泌され体内が炎症したり、老化したりします。
脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方
まとめ
睡眠、運動、食事この三つに共通しているのは、やり過ぎもやらなさ過ぎも良くないことです。
短眠のデメリットは今回紹介したこと以外にも、無数にあります。
短時間睡眠は万病の元です。
質の高い6時間〜8時間の睡眠を取るように心がけましょう。
- 短時間睡眠は翌日の摂取カロリーを増大させる
- 短時間睡眠でホルモンバランスが崩れ食欲が増す
- 美容やアンチエイジングに良いグロースホルモンは質の良い眠りの初期に8割出る
- 短時間睡眠で脳も欲望に弱い状態になる