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簡易的な夢セラピー/テレサ・デチーコの「物語メソード」を紹介!
これまで夢を見ることのメリットや理由、夢を見ている間に起きている脳の問題処理能力などについて解説してきました。
そして前回、夢を使ったセラピーとしてクララ・ヒルの「夢のセラピー」をご紹介しました。
クララヒルの方法は世界で一番広く使われていますが、割と時間がかかります。
そこで今回は、もっと簡単にできる、トレント大学の心理学者でセラピストのテレサ・デチーコが開発した「物語メソード」をご紹介します。
デチーコの方法も実験で繰り返し有効性が示されている手法です。
テレサ・デチーコの「物語メソード」
物語メソードの流れは以下の通りです。
- 夢から主要な要素を抜き出す
- その要素と結びつく言葉をいくつか考える
- その言葉をつなぎ合わせ物語を作る
- 物語と実生活を重ねる
さらに詳しい手順は6段階に分かれています。それだは早速初めてみましょう。
この解説は、専門家が使う方法を分かりやすく単純化しているので、あなた自身や、周りの人が実際に心の問題で悩んでいるときは専門家に相談してください。
①夢を短文で書き出す
自分が見た夢をできるだけ詳しく書き出しましょう。
次の例を参考にしながら短い文で見た順序に従って書き出しましょう。
例:
- 私は汚い川で釣りをしていた
- 使っている竿は弱々しく折れそうだった
- カニを釣り上げたが逃げてしまった
②一文ごとに重要と思われる単語やフレーズに棒線を引く
例:
- 私は汚い川で釣りをしていた
- 使っている竿は弱々しく折れそうだった
- カニを釣り上げたが逃げてしまった
③棒線を引いた要素を書き出す
書き出した要素はリストAとします。
リストA
- 汚い川
- 弱々しい竿
- カニ
- 逃げてしまう
④リストAを見て即座に頭に浮かぶ言葉をリストBに書き込む
リストA→リストB
- 汚い川→見たくもない、負
- 弱々しい竿→頼りない
- カニ→大好物、報酬
- 逃げてしまう→落胆
⑤リストBを使って短い簡単な話を作る
話を作る時は、言葉の順序はリストの順番通りにして、筋の通った物語にする。
- 私の見たくもない、頼りない面は報酬を逃し落胆する
⑥実生活とのつながりを考える
自分が作った短い物語を読み直し、実生活と重なる部分があるか考えましょう。
重なる場合、それは実生活のヒントになるのか考えてみましょう。
ヒントになるようなら、その内容と、どのように実生活と重なっているかを書き出してみましょう。
例:
私はやるべき事があると分かっていながらも目を逸らしている自分に気付いている。それが今では自信の無さや悩みの種になっていて、いつか痛い目を見ると感じている。この状況を抜け出すために行動しないといけない。
まとめ
夢判断には科学的でない物も多く出回っています。
それは〇〇が夢に出たら=あなたは〇〇と思っているといった夢判断です。
前回ご紹介したヒルの夢セラピーでも解説しましたが、夢は「私にとって」「私の感情」「私の体験」と関連するので、登場したものが皆んなにとって特定の意味を持つと判断しにくいのです。
私の夢にはカニが出てきました。私にとっては好物でも、攻殻アレルギーの人にっとてはおそらく別の意味をもちます。
根拠の薄い夢判断には「あなたはやる事が多くて時間に追われている感覚を持っていますね」とか「人間関係に問題を抱えていますね」など誰にでも当てはまる回答を投げて、反応を見ながら導いていく占い的な物もあるので科学的なものとは区別しましょう。
まとめ
- 夢から主要な要素を抜き出す
- その要素と結びつく言葉をいくつか考える
- その言葉をつなぎ合わせ物語を作る
- 物語と実生活を重ねる