目次
「意思決定スタイル」全ての選択の仕方は5タイプに分類できる!?
意思決定スタイルとは=
選択や意思決定をするさいの「思考の特徴、傾向、癖」のようなものです。
ほとんどの人は自覚なく、自由に選択や意思決定を行っていると感じていますが
実は決め方に一定のスタイルが有るとする考え方です。
2014年アメリカのボーリング・グリーン州立大学の研究チームが
「意思決定スタイル」についての過去の論文や研究をまとめ
「意思決定スタイルは5つに分類される」と発表しました。
- 直感的スタイル
- 依存的スタイル
- 回避的スタイル
- 自発的スタイル
- 合理的スタイル
自分がどのスタイルなのかを知ることで
選択や意思決定で気をつけなくてはいけない事が分かってきます。
今回はこの5つのスタイルの特徴と傾向について解説します。
後悔しない超選択術
①直感的スタイル
まずは直感的スタイル。
数字やデータより、自分の感覚を重視するタイプです。
直感スタイルの意思決定
- ピンときた!
- なんとなく
- 〇〇な気分
など感情が大きく動いたときの意思決定は早くできますが、悩み始めると決定するのに時間がかかります。
ボーリング・グリーン州立大学の調査では直感スタイルの人の決定は、第三者から見ると疑問に思うケースが多かったそうです。
直感的スタイルの選択は「周囲の評価」に比べ「自己評価が高い」傾向も見られたそうです。
直感的スタイルを貫きたいなら
- 直感の仕組みについて知ること
- どのような状況で直感が働きにくいのかを知る
ことがおすすめです。
⬇直感について、最も簡単にさっと理解したいならDaiGoさんの本がおすすめ。
厚みや情報量は増えますが、しっかりと深く幅広く知りたいならダニエル・カーネマンが必読本になります。
直観力
②依存的スタイル
依存的スタイルは、他人のアドバイスに耳を傾け、意思決定をしていくタイプです。
成功者や経験者の意見を重視し
難しい選択になればなるほど意思決定そのものを人任せにする傾向があります。
依存的スタイルの意思決定
- みんなが決めたのならそれでいいよ
- あの人に聞いてみよう
- あの人がこうしていたから、これに決めよう
他者にアドバイスを求めたり、支援を求めるのはいいことですが
自己選択の認識や、人生を自分でコントロール感覚を持つことは
人生の幸福度とも大きく関連しているので注意が必要です。
③回避的スタイル
回避的スタイルは、最終決定を先延ばししようとするタイプです。
十分データーや条件が揃っていても
選択すること自体を避けようとするため意思決定に時間がかかり、優柔不断になりがちです。
回避的スタイルの意思決定
- あれもいいけど、これもいいな
- 結論を出すのはもう少し待とう
先延ばしは「完璧主義者」の特徴でもあります。
何かを選択することで、他の選択肢を失うような感覚
完璧な選択をしたいという欲求が根底にある場合もあります。
インビジブル・インフルエンス 決断させる力
④自発的スタイル
自発的スタイルは、選択するスピードが速く、決断力があるタイプです。
ただし「決めること」そのものを重視するため
条件の比較などの合理性が疎かになり、選択後に後悔するケースもあります。
自発的スタイルの意思決定
- 答えは今だそう
- とりあえず決めよう!
- まずは決めよう
- 決まらないならいつもの〇〇で良くない?
即決は清々しいことですが、一旦決定するまで間を取って
選択肢の数を絞る、専門家のアドバイスを聞く、長期的な目線で考える
比較検討するなど、選択のテクニックを決定に取り入れてみることをおすすめします。
決定力! ――正しく選択するための4つのステップ (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
⑤合理的スタイル
合理的スタイルは、選択肢に対して論理的に分析、比較し、合理的に選択するタイプです。
意思決定に一定の時間はかかりますが、条件が揃っていればブレずに選択する事ができます。
合理的スタイル
- 〇〇だから〇〇にしよう
- 過去の例を参考に、長期的な目線で決定しよう
- 今は衝動的になっている、落ち着いてから決定しよう
選択に対する合理性を高めるには、バイアス(思い込み)について学んだり
デバイアスで客観的な視点を養ったり、認知科学を学ぶのもおすすめです。
また、認知科学の研究で分かっていることは
頭の良さと合理的思考は相関がそれほど無いことです。
医者や弁護士、国会議員など高学歴な人にも合理的スタイルではなく
感情や直感で選択するスタイルの人は大勢います。
後悔の少ない選択をしたいなら
多くの心理学や脳科学者は選択に対して「正しい選択など無いと考えよう」
とアドバイスしています。
それだけ人生は不確実で、長期的に見て良かった
悪かったは選択段階で完全には予測不可能だからです。
そんなとき、選択の指標としておすすめなのが「後悔の少ない選択」を目指すことです。
後悔の少ない選択ができれば、選択の結果が悪くても
「選ぶ段階ではこの選択が1番良かったから後悔はない!」
と考えることができます。
ボーリング・グリーン州立大学で行われた研究の結果
選択と、その結果について後悔していない確率が最も高かったのは
「合理的スタイル」の人たちであることがわかりました。
選択の科学
合理的な判断をするために:クリティカルシンキング
自分の選択スタイルが合理的スタイルでなかった人は
「自分は合理的に選択することが苦手な面がある」
と意識することからはじめてみましょう。
そして、選択を行う際に、一度冷静になり
感情にとらわれず客観性や合理性をもたらすテクニック
=デバイアス、脱フュージョン、アクセプタンスなどを実践してみましょう!
またクリティカルシンキングを鍛えるのも手です。
「目的について合理的に考えられるかの能力」=クリティカルシンキングと呼びます。
クリティカルシンキングを鍛えると「人生のトラブルが減る」といわれています。
遺伝に大きく影響されるIQとは違い
鍛えて伸ばすことの出来る能力ですので興味のある方は是非!
↓私が使ったクリティカルシンキング入門書、中古で安いものも出てます。
クリティカル進化(シンカー)論―「OL進化論」で学ぶ思考の技法
⬇特におすすめ!2020年10月に出た最新のクリティカルシンキングの本です
知らない内に陥っている思い込み、判断の歪みを直し、科学的思考を学ぶことができます!
思考力改善ドリル: 批判的思考から科学的思考へ
選択した結果の受け取り方は 5 ☓ 2 =10種類
基本的な選択スタイルは今回ご紹介した5種類です。
それぞれのスタイルの人が、選択した結果をどう受け止めるかにも大きく分けて2種類あることがわかっています。
2種類ある!結果の受け取り方
- マキシマイザー=いつも最高の結果を求め続けるタイプ
- サティスファイザー=最高でなくとも、ある程度の結果で納得できるタイプ
心理学者バリー・シュワルツ博士の研究によると
- マキシマイザーは
選択の結果に満足することが少なく、常にストレスをためる傾向がある。
- サティスファイザーは
足るを知る(たるをしる=身分相応に満足することを知る)状態にあるので人生の満足度が高い
このような違いがある事がわかっています。
5つの意思決定スタイルのどのタイプでも、結果への満足度はサティスファザーのほうが高い傾向がみられ
マキシマイザーは選択の結果に対して「もっと違う選択肢にしておけばよかった!」と後悔をする傾向があったようです!
後悔の少ない選択から高い満足度を得たい方は「合理的スタイルのサティスファイザー」を目指すことがおすすめです。
5つの意思決定スタイルごとの選択結果へのリアクションはまた次回の記事で詳しくご紹介しようと思います。
まとめ
意思決定スタイルを知ったとき私は「直感と自発的スタイル」の傾向が強いことがすぐに分かりました。
それからは合理的スタイルを目指して、選択前に「選択に根拠はあるのか、衝動的になっていないか」をチェックするようにしています。
まだまだできないことも多いですが、少しずつでも合理的スタイルが定着するようにしたいです。
まとめ
- 選択スタイルは直感・依存・回避・自発・合理的スタイルの5種類
- 正しい選択より、後悔の少ない選択がおすすめ
- 結果の受け取り方にも2種類あり満足度に違いがある
- 合理的スタイルのサティスファイザーがおすすめ!