目次
選択結果の受け取り方で満足度が変わる!後悔と完璧主義
「後悔の少ない選択」を行いたいとき、特に重要なのは
- 選択のしかた
- 結果の受け取り方
この2つです!
このブログでは選択の仕方に重点を置いて解説してきました。

ですが、どんなに科学的なテクニックを身に着けて、自分の選択スタイルを理解しても
最終的には結果の受け取り方で満足度は変わってきます。
今回は選択結果に対する2タイプの受け取り方
2種類の結果の受け取り方
- マキシマイザー=いつも最高の結果を求め続けるタイプ
- サティスファイザー=最高でなくとも、ある程度の結果で納得できるタイプ
この2つの違いについて解説します。
マキシマイザー=完璧主義は結果に満足しにくい
心理学者バリー・シュワルツ博士の研究によると
のほうが結果への満足度は低くなることが分かっています。

前回「完璧主義はヤバイ!先延ばしからメンタル悪化、子供への影響まで解説」の記事でも解説しましたが、完璧主義的になるのは選択の分野でもおすすめできません。
これは人生の選択でもわかりやすいと思います
人生の選択
- 結婚相手
- 就職先
- 車や家選び
これらの選択において「完璧な結果」を求めたらどうなるでしょうか?

まず、全ての候補を比較検討することが不可能だとわかるはずです。
そして、多くの場合、私達が選んだ選択より「良い選択」は他にもあることがほとんどなのです。
選択結果に有りもしない完璧を求めると、自分が選択した結果に以下のような反応をすることになります。
- 「あっちの選択にしておけばよかった」
- 「もっといい選択があったのに」
- 「どうしてこれを選んでしまったんだ」
このような思考に囚われやすく、自己批判的になり、選択結果に後悔をいだきやすいことが想像できます。
マキシマイザーは選択の結果に満足することが少なく、常にストレスをためる傾向があるのです。
サティスファイザーを目指すには
バリー・シュワルツ博士の研究の結果、選択の結果に満足度が高いタイプは
だということが分かっています。

サティスファイザーを知る上でよく使われる言葉があります。
それが「足るを知る」です。
サティスファイザーは、足るを知る(たるをしる=身分相応に満足することを知る)状態にあるので選択の結果や人生の満足度が高いことが分かっています。
ではサティスファイザーを目指すにはどのような取り組みが必要なのでしょうか?

過去にこのブログで紹介したテクニックで役立ちそうなのは
- 自分の知識の限界を知る=知的謙遜
- 選択結果を自己批判的に捉えない=セルフコンパッション
- 選択段階で後悔の少ない合理的スタイルを身につける=選択スタイル
この3つを意識することで完璧主義的な傾向が弱まるのではないかと思います。

知的謙遜を鍛えれば正解の選択、完璧な選択が無いことを理解する助けになります。
セルフコンパッションは選択結果を他者と比較する傾向を弱め、自己批判を軽減します。
そして、選択スタイルを合理的スタイルにすることで選択への後悔が減ることが分かっているからです。
選択スタイルごとに違う選択結果への反応
このブログではこれまで選択の仕方に重点を置いて解説してきました。
などです。
その中でも前回紹介した「意思決定スタイル・選択の仕方は5タイプに分類できる!?」では
私達の選択するスタイル=傾向や選び方は5つに分類できると解説しました。
5つの選択スタイル
- 直感的スタイル
- 依存的スタイル
- 回避的スタイル
- 自発的スタイル
- 合理的スタイル
この5つの選択スタイルに、今回ご紹介した「マキシマイザー」と「サティスファイザー」2種類の結果の受け取り方があります。

つまり5☓2=10種類の結果に対する反応があるのです。
1番後悔が少なく、結果への満足度が高いのは「合理的スタイルのサティスファイザー」です。
結果への反応の仕方を知って、自分がどの選択スタイルに近いのか判断してみましょう!
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①直感的スタイル:結果への反応
- 直感的スタイルのマキシマイザー
自分の感覚を頼りに選択をし、選択直後の満足度は高いですがその結果になかなか満足できない、いまいちピンとこない、という思いを繰り返します。
- 直感的スタイルのサティスファイザー
選択直後の満足度、結果への満足度が高く、さらに自分の勘に自信を深めます。ですが周囲の人にはその自信の根拠が理解されない場合が多いです。
依存的スタイル:結果への反応
- 依存的スタイルのマキシマイザー
自分の選択に自信が持てず、よりよい結果を求めてさらに別の人から意見を聞きたがります。
- 依存的スタイルのサティスファイザー
特定の人の意見で良い選択ができたと感じると、その人の意券をより重視するようになります。
回避的スタイル:結果への反応
- 回避的スタイルのマキシマイザー
選ぶのに時間がかかる上、選択した結果に満足できない、極めて優柔不断な状態になります。
- 回避的スタイルのサティスファイザー
慎重な選択がよい結果に繋がったと解釈するため、意思決定により多くの時間を割きます。
自発的スタイル:結果への反応
- 自発的スタイルのマキシマイザー
結果に満足が行かなければすぐに次へと向かいます。ある意味選択が得意と言えますが、失敗も多いです。
- 自発的スタイルのサティスファイザー
即断即決で結果にも満足することが多いですが、実際の選択の良し悪しは運任せになる傾向があります。

合理的スタイル:結果への反応
- 合理的スタイルのマキシマイザー
行った選択に対して、合理的に考えてほかにベストな選択肢はなかったのかと反省し、更に熟考を重ねます。
- 合理的スタイルのサティスファイザー
出た結果に対して「よく検討した結果だからこれで十分だ」と前向きに評価します。
良いマキシマイザー/悪いマキシマイザー
記事の冒頭
「マキシマイザーよりサティスファイザーの方が良い」と解説したと思います。
それはあくまで「結果に対する満足度」についての話です。

絶対に失敗したくない選択、多くの中から1つだけを選ばないと行けない場面では誰でも完璧を目指したいでしょうし、もしあなたが根っからのマキシマイザーだとしても心配はいりません。
カナダのウォータールー大学が行った研究によると、マキシマイザーには2つのサブカテゴリーがあることが分かっています。
2つのサブカテゴリー
- 評価系マキシマイザー
- 促進系マキシマイザー
実はこの2つのマキシマイザーの満足度は大きな差があるのです。
マキシマイザー的になってしまう場面ではこの2つの違いを理解することがとても重要です。
次回は皆さんのマキシマイザー度を測るテストと、2つのマキシマイザーの違いについて解説します。
まとめ
選択結果の受け取り方には2種類あります。
マキシマイザーとサティスファイザーです。
マキシマイザーのほうが、選択結果に不満を持ちやすいです。
サティスファイザーになるには知的謙遜やセルフコンパッションに取り組むのがおすすめ。
5つの選択スタイル毎に2種類=10種類の結果への反応があります。
マキシマイザーな人、マキシマイザー的になってしまう場面では
「促進系マキシマイザーと評価系マキシマイザーの違い」を理解して満足が高まるようにしましょう。
2つのマキシマイザーの違いは次回解説します!