目次
クリティカルシンキングや「学ぶこと」のデメリット&注意点を解説!
前回はクリティカルシンキングの持つ多くのメリットを解説しました。
ですが、どんなことにも
があります。

今回はクリティカルシンキングだけでなく学び自体が
不健全に機能してしまう場合や気をつけたいこと
注意点などを解説していこうと思います。

今回の内容は哲学など深い思考や理解
学び全体に言えることだと思うので是非チェックしてみてください!
クリティカルシンキングのデメリット
クリティカルシンキングのデメリットは以下のような点です
- 考えるとこが増える
- 未確定の事が増えたように感じ不安になる場合もある
- 「他人と違う」状況になる
さらに気をつけたいこととして
ここに注意!
- 他人を見下さないようにする
- 人間の持つ思考の弱点を受け入れる
があります。
それでは1つずつ解説していきましょう。
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クリシンのデメリット①考えることが増える
クリティカルシンキングでよく行われるのが
「思考の癖を理解して思い込みに囚われないようにする」
です。
そもそも、なぜ脳や思考に「思い込み」があるのか。
それは、考えることを減らして脳のエネルギーを節約するのが目的の1つです。

人間の脳が現代と変わらないサイズになったのが20〜25万年前だと考えられています。
この時期の急激な脳の発達を専門家は「大脳化」と呼びます。
なんとそれまでの祖先の脳より3倍も脳が大きく進化しているのです。

脳の消費するエネルギーは凄まじく
大きく発達するとともに「省エネ」する機能も多く盛り込まれました。
それが
- バイアス
- スキーマ
- 思い込み
- 都合のいい因果関係
- 知識の錯覚
などの思考の罠になっています。
わざと脳のエネルギー消費を抑える仕組みを採用したのです。

それらを理解してクリティカルシンキングを行うことは
省エネせず、より脳を使うことになるので考えることが増える
つまり
=認知不可が増します
回復と休息を意識しよう
脳を使うことや、少し難しいと感じることを考え認知負荷をかけるのは
脳の若さや機能を保つのに効果的であることが分かっています。
脳も筋肉と同じように負荷を描けることで成長したり若さを保つのです。
負荷と回復を生活全体、身体全体で行い
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ただし、それは認知負荷をかけた後に「休息・回復」が行われたときです。

反芻思考のように認知負荷の高すぎる状態が長時間続くと
鬱病などの精神疾患にもつながることが分かっています。
クリティカルシンキングを行う時は「休息・回復」も意識して
考える時・脳を休める時のメリハリが大切になります。

脳を休めるには瞑想や自然と触れ合うのが特におすすめです!
クリティカルシンキングのデメリット②未確定の事が増えたように感じ不安になる場合もある
人間の脳には、理解できていない情報や
知らない部分を自分の都合よく補正する能力があります。

そのおかげで人生・世界に秩序を感じたり
精神的に安定することができます。
ですがクリティカルシンキングを行うと
- 人生はそんなに安定していないこと
- 思ったより困難な現実が有ること
- 世界が思っているより複雑なこと
- 自分の知っている知識が少ないこと
などにも気付くことになります

- 大学に→大企業に就職→死ぬまで安泰という社会が変化し始めている
- 結婚→子育て→家を買うと幸せな人生なのか?
- 皆が当たり前にやっていることでも不合理な事が多い
- 当たり前に売られているものでも体に悪いものが有る
- 自分の知識の限界を知って落胆する
自分が知らない事や、周りの人々が理解せずに受け入れていることが
あまりに多いことに気づいたり・不安になることが有ると思います。
当たり前のことが、当たり前でなくなるのです。
これらの不安を解消するには、ACTなど心理療法もおすすめですし
不安を解消するぐらいしっかり調べることもおすすめです。
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クリシンのデメリット③他人と違う状況になる・嫉妬を買う
例えば
皆さんが当たり前に行われている常識にクリティカルシンキングを行ったとします。
その結果、自分の考え、自分で選択し独自の行動をしたとします。

その際、周りの人からは

「何やってるんだろう?」
「あいつ何考えてるの?」
「遅れてる」
「なんか気に食わない」
「あんな事しても意味ない」
という風に受け取られる可能性もあります。
例えば、合理的に考えてみると
車は平均して1日5%の時間しか乗りません。

ですがベッドは1日20〜30%の時間使用します。
さらに睡眠の質を高めるメリットがあまりに多いことに気づいた貴方は
車は安い中古にして代わりに寝具に100万円を投資したとします。

クリティカルシンキングを行い常識的な資金配分を疑い、自分で考え行動したのです。
自分の価値や目的に合った行動を選択しただけで、他人に迷惑もかけていません。
ですが周りの人たちからは

と浮いて見られる可能性が有るのです。
常識や思い込みを疑って行動すると…
また、自分独自の好きなものを追求するため
テレビや漫画などを見る時間を減らしたとします。

ですが集団で話している時に、今話題の芸人さんや流行りのアニメ
の話題についていけないと

「あなたは遅れている!」
「流行遅れでダサい」
と思われる可能性もあります。
実際、貴方は集団に遅れているのではなく
集団とは違う方向を目指しているだけなのですが…
突然他人から嫉妬されることも
更に過去にもご紹介しましたが
貴方がクリティカルシンキングを行い自分の意志で行動するのを見て
劣等感を感じて不機嫌になる=嫉妬する人も表れます。
スタンフォード大学の心理学者ブノワ・モナンはベジタリアンの存在を認識するだけで
雑食主義(一般人)の自意識が高まることを発見しました。
つまり、隣にベジタリアンが座って食事をしているだけで
と劣等感を感じていしまうのです。
と個人主義的な意見も広まっていますが
そうは言っても、人と人とは比較し影響しあってしまうのです。
社会生活をおくる上でのリスクや注意点がある
つまりクリティカルシンキングには
「人を社会から距離を置かせ衰弱させるリスク」
も含まれています。

これらの問題に対する対応策は
- 自分の考えと近いコミニティーを見つける(もしくは作る)
- 嫉妬してきた人への対応策を実践する
- 孤独や周りと違うことを「上手く行っている」と受け取る
などがあります。
現代はSNSも普及しています。
大勢と違う選択をしても、その選択を好意的に受け入れてくれる人達が集まりやすいです。
コミニティーを作りやすい時代になっているので活用しましょう。

また過去にご紹介した「嫉妬してきた人への対応策」を実践したり
「自己成就型の説明」を行うことで、相手の嫉妬心を緩和することが期待できます。
クリティカルシンキングを行う上での注意点
クリティカルシンキングに限らず、哲学、学び全般で気をつけたほうがいいことがあります。
クリティカルシンキングができていない人を見下すのはおすすめしません。
人間だからこそ
- クリティカルシンキングできていない状態
- 思い込みに囚われる・思考の罠に引っかかる
- 皆に合わせるだけで自分の頭で考えていない
これらは人間である以上当然の状態です。
むしろ、この状態のほうが普通です。

クリティカルシンキングや学びが増えると
それを知らない人や、行っていない人を「無知・頭が悪い」
と感じてしまうこともあります。
ですが、彼らの判断や行動はある意味「人間的」なのです。

私達にも知らないこと、今現在思い込んでいることは沢山あります。
自分の得意な点と、相手の欠点を比較して優越感を得ることは減らしたいものです。
そんな時は過去にご紹介した「知的謙遜」を再度意識してみましょう!
まとめ
クリティカルシンキングは哲学と同様に
私達を、私達がすでに知っていると思っていることに直面させて
考えさせ、かつ動揺させる面を持っています。
クリティカルシンキングの難しさは
私達がすでに知っていると思い込んでいることを考えるという点にあります。
それは慣れ親しんで疑いを感じないほどよく知っていると思っていたものを
見知らぬことに変えてしまうことも有ります。
クリティカルシンキングは
新しい情報をもたらすことによってではなく
新しい物の見方をすることによって
私達を慣れ親しんだものから引き剥がすのです。
それは良いことでもありますが、リスクもあります。
練れ親しんだものが見慣れないものに変わってしまえば
それは二度と同じものには見えません。
特にクリティカルシンキングを
自己認識におけるエクササイズのように使うと
純真さを失なったように感じたり、不安を感じることも有ると思います。
ですがその感覚は自分を理解する途中で皆経験することであり、物語の結末ではありません。
マイケル・サンデル先生のお言葉を参考にしたまとめ文↑